2019-02-02

米国市場にミニバブル発生の予感(2/2)

注目されていた米雇用統計は非農業部門雇用者数が+30.4万人と、予想の+16.5万人を大きく上回った。

一方、失業率は前月や予想の3.9%から1月は4.0%にやや悪化、時間当たり賃金の伸びも前月比+0.1%と、予想の+0.3%や12月の+0.4%を下回った。

強めの数字が出るのでは予想していたが、予想以上に強い数字と考える。

雇用者数が増加にもかかわらず失業率の悪化は、雇用需要の増加が求職需要に追い付いていない雇用需給のバランスの問題である。また、時間当たり賃金の鈍化は買い手市場になっていることから当然の一服と言える。

こういった経済の堅調さを裏書きしたのが、24:00発表の1月ISM製造業PMIだった。予想の54.2を超える56.6となり、前月改定値の54.3を上回っており、昨年9月から続く下落傾向に歯止めがかかった。

本来ならば、FRBは金利を引き上げを示唆しなければならないところであるが、トランプ大統領の圧力に屈し、FOMC後の記者会見で「忍耐強く政策運営を進めていく」と利上げ姿勢の後退を示した以上、忍耐強く時を待ち続けるしかなくなってしまった。

おそらく、3月の雇用統計も好調な数値が示されると思われるが、金利の引き上げは行わないだろう。

景気が好調な中で金利の上昇が抑えられるならば、行き着くところはバブルの醸成、つまり株高である。

ただし、FRBの各種指標を元に精査していく姿勢は不変であり、徐々に利上げに向けた姿勢に転換していくと思われる。

そういった意味で、バブルとは言いつつも期間が限られたミニバブルの発生が予感される。

ドル円についても、想定どおり米国株高が続けばドルインデックスの上昇に伴い、緩やかな円安が継続し、日本株上昇の後押しになると考える。

したがって、米国株・日本株ともに短期的なテクニカル調整を挟むことはあっても、二番底形成または一番底形成は少し遠のいたと見ている。

NY3指数が一目均衡表の雲抜けを果たしている点も今後の株高を示唆しており、この点については明日の日本株予想で触れる予定。 
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