ダウ大幅安を受けた本日の日経平均は、寄り後20,844円まで下落したが、売られすぎの反動から買い戻しが入り、前場に21,000円を回復した後もみ合いとなった。日経平均の終値は256円安・21,003円と21,000円を死守した。
しかし、時間外に入り、昨夜後半のダウの下落を織り込んでいない欧州市場の下落日経先物は連れ安となり、安値20,840円、19:30現在は20.910円と現物比-90円安で推移している。
先物・オプション動向
ABNのオプション手口については、まず昨日、立会外で買い入れた22,000円の大口コールのロスカット890枚が目に付く。ABNの大口投資家にとっても、昨夜のダウの大幅安が想定外であったようだ。
また、プットでは21,000円以下のプットを束ねてショートし、利益確定を図るとともに反転に備えている。
ただし、下値の保険として置いている21,000円のショートコールや20,500円の大口ロングプットの存在感が増しており、ボラタイルな値動きの際には強引に動かしてくる可能性もある。
先物についてはABNが1,146枚の買い越しとなっており、昼夜別では、昨日の夜間取引で約700枚を売り越し、本日の日中取引では約1,800枚を買い建てており、本日の下落局面で買い越している点は注目である。
建玉は-14,694枚売り越しであるがオプションとのバランス上の売り越しと見ている。
GSは-832枚売り越しで建玉は-1840枚売り越しと様子見姿勢を継続。
Cスイスは-2,953枚売り越しと大きく売り越してきたが、相場追従型で攻めており値幅相当のボリュームと見ている。建玉は-6,948枚とそれほど多くはない。
まとめ
市況解説等によると、昨夜の米国株安の要因として米中貿易戦争の長期化からくる景気後退懸念が挙げられていたが、果たしてそうだろうか。
中国がレアアースの対米輸出規制の可能性を示唆したことなどが下落のきっかけとなったようであるが、理想売りであると見ている。
推測であるが、昨夜の米国市場においてもMSCIのリバランスが行われたのではないか?
ダウと日経平均の連動性の高さから同日に行う合理性は高い。ダウの出来高も前日の1.5倍に膨らんでおり、前日の東証一部の売買代金の増加率とほぼ等しい。
また、昨年の東京市場のリバランスは5/31に行われているが、昨年5/31のダウの出来高も前日の1.4倍に膨らんでおり、同日にリバランスが行われていると見る。
なお、昨年5/31のダウは-251ドル安と、昨日の-237ドル安と値幅がほぼ同一であった。翌日のダウは219ドル高と前日の下げを取り戻し、その後、6/12高値に向けて約900ドル上昇している。
足元ではダウ先物が-150ドル安で推移しており、ここから大幅プラスに持ち込むには材料不足であるが、リスクオフと見て空売りに入ることにも躊躇を感じる。
ダウの下値の節目は上図のとおり25,200ドルにある。まさに足元の-150ドル安が25,200ドル付近であり、個人的な観測として、本格下落は米中の決定的な決裂までは起きないと見ており、25,200ドルは守るのではないかと見ている。
筆者の推測が的中するならば、売り一巡により嵐はまもなく止み、その後急速な戻りがあると思われる。
