週末に発表された注目の『月例経済報告』で内閣府は「景気は緩やかに回復している」との認識を維持し、「回復」の削除や「後退」の判断を見送った。
仮に今、回復の文字を削除したなら消費増税の凍結が規定路線化されてしまうばかりか、アベノミクスの失敗を政府自身が認めてしまうことになるからだ。
ただ、直近の内需の弱さや株価の停滞との整合性を図るため、米中貿易摩擦の懸念を理由に「総括判断を2カ月ぶりに下方修正」し、先行きについても「弱さが残る」とし警戒が必要との考えを示した。
要は、今後の外部要因によっては弱含むことがあるが、現時点ではアベノミクスの功績により「景気は緩やかに回復」していると言いたいわけだ。
そして、米中貿易摩擦については、中国を追い詰める強力なカードを米国がテーブルに並べたところで、当のトランプ大統領が訪日の旅に出てきている。
トランプ大統領訪日の意味
今回の訪日で、トランプ大統領は安部首相に対して、かなり突っ込んだ見通しを話していると思われる。
それを元に安部首相は消費増税の可否や解散・総選挙、あわよくば北朝鮮訪問の可能性を探るのだろう。
筆者の想定では次の山場はG20サミットであり、それまでは大きな動きは出づらいと見ている。
焦点は、G20で米中が大枠での歩み寄りを演出するか否かにかかっているがおそらく(あくまで憶測であるが)両者の溝は埋まらないだろう。
前段が長くなりすぎたので端折るが、G20で米中首脳会談が行われないか、行われても決裂となれば世界の金融市場は混乱し、株価が大幅下落してもそれは安部首相の経済政策の失敗ではなく、米中貿易戦争の煽りを食っただけであり、安部首相に大きな責任はない。
混乱が大きければ、消費税の5%への減税を打ち出して総選挙に臨む可能性もある。(輸出自動車への消費税の戻しを米国が自動車メーカーへの補助金として問題視していることの解決にもなる)
また、可能性は少ないながら、一転、G20でトランプ大統領が中国に歩み寄る可能性がなくはなく、そうであれば消費増税凍結の根拠がなくなる。その点の感触を確かめているのだろう。
いずれにせよ、G20がもう少し近づいてくるまでは米中ともに腹の探り合いの時期となり、株価も売られ過ぎから中立に戻す時期になると見ている。
日経平均予想
オシレーター系指標に現れているとおり売られすぎの状態にある。二番底模索に入ると予想する向きもあるが、ここは収縮した株価がいったん戻る時期と見ている。
筆者が観測している「新安値(年初来安値)銘柄数の25日累計」は週末段階で4,045銘柄に達し、今年の最多となった(4,000超は売られすぎの目安である)。
25日騰落レシオやRSIも底から上がり始めた時期であり、新安値(年初来安値)銘柄数もいったんは減少してくる日柄に入っていると見る。
今週は米国市場が月曜休場のため週初の手かがり材料が少なく、実質的な取引日数が4日となるため、上げても21,500円が上限だろう。
ただ、東京市場は空売り比率や信用倍率など売りに傾いており、日経平均の下落にもかかわらずファーストリテが高原状態を続け、信用売りも増加していることから21,500円を超えて来れば急伸が予想される。
日々観測している先物・オプションも上値指向が感じられることから、6/14SQまでは高い可能性があり、引き続きABNがコール買いプット売りを強めてくるか、またGSが先物を買い転換してくるかが焦点となる。
今週の日経平均の上値メドは21,500円(SQまでなら21,800円~22,000円)、一方下値メドは21,000円と見ている。
可能性は少ないと思っているが、21,340円や21,400円といった先週跳ね返された価格帯を超えられずに21,000円を割れてきた場合には警戒が必要と見ている。

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