対メキシコ関税は対中国関税とは異なり合理性を欠くように思えるが、トランプ大統領の公約である「壁」建設が思うように進まない中、不法移民対策に本腰を入れないメキシコ政府に対するディールのつもりなのだろう。
良策とはとても思えないが、トランプ氏の中では筋が通っているだろうし、メキシコ政府の出方を見て税率の段階的な引き上げ時期を延長していくのだろう。
アメリカ第一主義を貫く中で、これまでの大統領が世界のリーダーたるアメリカ理科合衆国の威厳を保つために遠慮してきたことを臆面もなく口に出し、実施する、それがトランプ流なのだろう。
さて、昨夜のダウの終値は24,815ドルであった。これは昨年12月から今年4月までの上昇幅の38.2%押しの24,900ドル(正確には24,797ドル)と符合し、日足MACDも5/13の転換点のほぼ同じ位置まで低下している。
これらのことから、ここでいったん自律反発の芽が生じる見ている。
ただ、昨夜の日足が丸坊主の陰線と引け味が良くないため、もう一段の下落の可能性がある。その場合は、5/1を頂点とするN波動値である24,600ドル近辺が下値メドと算出される。
おそらく、このどちらかでいったん反発すると見ているが、これらの価格で下げ止まりの気配が見られない場合は、半値押しの24,224ドルが算出されるが、何か突発な環境変化がない限り可能性は少ないと見ている。
なお、上にはこれまで下値支持線として機能してきた200日線が上値抵抗線として機能することが想定される。足元の200日線は25,428ドルの位置、昨夜の終値の約600ドル上にあり、反発した場合の上値メドと想定される。
昨夜は対メキシコ関税がクローズアップされて大幅下落した米国市場だが、昨日発表のあった「4月個人所得」は市場予想を上回っており、「個人消費支出」も前月比上昇の市場予想とほぼ一致しており、米国経済自体は底堅く推移している。
6/3週はADP雇用統計やISM非製造業景況指数、雇用統計など重要な経済指標が発表される。これらの結果によって足下の米国経済の好調さが再確認され、ダウは底固めから徐々に上向きに転じると見ている。
※22:10追記
ただし、上昇のメドはあくまで200日線までであり、ここでのもみ合いを制した方向に動意づくと想定しており、その方向は下が優位と見ているが、現時点では僅かに優位程度であり、もう少し時間を経ないとわからない。
