2019-06-21

下方転換と見るのは早すぎる(6/21)

本日の日経平均は、128円安・21,462円と、昨日の記事「楽観よりも利益確定か?」のとおり、夜間の先物が高値で利益確定、日中取引については寄り天→下落と筆者予想のとおりとなった。

やはり、ダウと日経平均との間にある5,000円を超える絶対的な価格差は東京市場の需給悪を物語っており、ジワジワとのしかかる円高の影が不透明感を煽っている。

連日監視している長期国債先物は、昨日の長めの陽線の後、本日は上下に長いヒゲを持つ気迷いの十字足で引けた。ただし、週足は続伸となっており、MACDは上昇途上であり引き続き推移を注視していきたい。

日経指数関連ではファーストリテの値動きが気になった。

これまでの相場であれば指数が弱い時にはファーストリテを持ち上げて指数を支え、指数が強いときには弱含んで休憩させていたが、本日はファーストリテが-1,400円安、日経平均寄与度-51円と、ファーストリテが指数の下落を牽引していた。これが何らかの変化の合図であるか注視していきたい。

先物・オプション手口(JPXデータを集計、日中・夜間・立ち会い外を含む)

本日のABNのオプション手口は、コールについては21,750円に1,161枚のロング(買い)を入れている点に注目している。
  
コール21750は、一昨日のロングポジションを昨日売り越し(ショート)に転換し、本日は再度大口のロングに転換しており、これが決め打ちのロングとなるかどうか?

なお、22,000円に1,079枚のショートコールを追加し、建玉を-1,847枚の大口売り越しとしており、7月SQまでには22,000円にはかなりの確率で到達しないと見ているようだ。

プットサイドについては、昨日までショートプット-441枚を建てていた20,500円を1,190枚買い越してショートを精算、ロングプット749枚としてきた。手口のほとんどは本日の日中取引であり、寄り後の高値から利益確定を図ったと推測する。

なお、ロングプットは21,000円に1,529枚を建てているほか、軒並みロングプットを並べてあり、目先については下方向を見ているように思える。

ABNの先物については、1,544枚買い越し、建玉を7,739枚買い越しに若干拡大している。

GSは-2,794枚の売り越し、昨日まで2日間で5,000枚近く買い越し(買い戻し)てきた反動と見る、建玉は-9,154枚売り越しに拡大。Cスイスは-1,287枚の売り越し、やはり直近2日で1,300枚買い越し(買い戻し)た反動と見ており、建玉は-4,388枚売り越し。

このように見てくると、本日の下げは直近上昇に対する利益確定売りが嵩んだと見られる。

今後の予想

先週から何度かお伝えしているが、今夜の米国市場はメジャーSQ「Triple witching day 」である。米国市場のSQは終値算出のため、大引けまでSQ参加者の戦いが続く。

ダウ平均の直近3日の上昇幅は700ドルを超えており、買い方の圧倒的勝利となっているため、ここからさらに上げた場合、利益確定売りが出やすくなることから、あまり大きく動かさないのでは?と見ている。

ダウについては、RSIが9日91.88、14日96.43と過熱圏にあり、日足MACDもほぼ上限に達していることから前日終値を挟んだもみ合いで、-50ドル~-80ドル程度の小安い展開を予想している。

仮に予想どおりダウが小幅な値動きにとどまった場合、日経平均だけが大きく下落したことになり(現時刻では欧州市場も小幅な値動き)、どちらかが誤った値動きである可能性が生じる。

本日、気になったのは習近平主席の北朝鮮訪問に関するニュース「中国・習主席、米朝対話促す 北朝鮮の懸念解消に支援用意」だ。

もしかすると、G20での米中首脳会談後に決定すると明言していた対中25%関税の発動延期の口実になったかもしれないし、習主席としてもそれを狙っているのだろう。

来週はG20での米中首脳会談やイラン情勢でさまざまなヘッドラインが出てくると思われるが、これらに対しダウが日足ベースの過熱感を時間の調整で冷ますことができれば、日足MACDの天井張り付きでの上昇の芽が生じている。

日経平均についても、昨夜のナイトセッションの高値(現物換算で21,640円)に現物が擦りもしない状態は不自然であり、テクニカル上においても、直近の上昇に対する価格調整を一気に行った印象がある。

現状の下落は240分足の調整にとどまっており、ここで踏みとどまるか、あと一押し程度の調整でとどまることができれば再度200日線21,672円回復の可能性があると見ている。

いずれにしても、G20では米中の決裂といった相場を揺るがす見出しが出にくくなったと見ており(むしろ、週後半に高く推移する可能性を感じており)、利益確定売りは良いタイミングだったが、下方転換と見るのは早すぎると考えている。
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