2019-06-05

懸念で売られたツケを返す時間帯に※2追記あり(6/5)

昨夜のダウ平均は、パウエルFRB議長の利下げの可能性を示唆する発言を好感して512ドル高の大暴騰となり、終値は5日線を279ドル上抜く25,332ドルで引けた。

これを受けた本日の日経平均は300円高で寄りついた後、一時400円高まで買われたが、その後は膠着となり367円高・20,776円で引けた。

日中値幅や売買代金が物足りないものになってしまったが、米国時間に本日の上昇分をほぼ出し切ったため、東京時間はナイトセッションの上昇に対する時間調整に充てられた形になったと推測している。

ダウは安値圏での十字足、38.2%押しからの反発、MACDの転換と底入れからの反転を示唆する指標が揃っている。

ただし、出来高が少ない281,688,224株と300,000,000株を下回っている点は、売り方の買い戻しがダウを吊り上げたと解釈され、やや気になる。

先物・オプション動向
ABNのオプション手口のうち、コールについては値が戻ったところでの処分売りが目立つ一方で、ショートコール21000のように利益の乗った大口のショートコールを買い戻し、損失の限定化を図っている。ポジションを小さくしようという趣旨と思われる。


プットについては、ややロングが多いものの、適宜ショートも混ざっており、下方向を確信した手口には見えない。

前述のとおり、価格が戻りを見せたところでのポジション調整といったところだと感じる。

先物についてはABNは-1,376枚を売り越している。昨日買い越した1,746枚の利益確定を図ったと言え、売りを積んでいるのではないと推測する。建玉は-11,298枚売り越し。

GSは-882枚売り越し、建玉は-2,347枚売り越しと引き続き様子見姿勢となっている。

Cスイスは3,037枚買い越し(買い戻し)と利益確定を図った。建玉は-9,972枚売り越し。

このところあまり紹介してこなかったが、買い方のメリルリンチは1,251枚買い越しと3日連続の買い越しで、建玉は88,673枚買い越し。

一時の12万枚買い越しからは大きく建玉を減らしたが、それでも9万枚近くの買いを建てている。なお、6月限は90,510枚買い越しと6月限買い越しがポートフォリオの柱となっている。

まとめ
ダウ平均は昨夜の500ドルを超える大幅高により、下向きだった5日線が上昇に転じた。


出来高から察するに空売りの買い戻しと思われ、このまま本日も心理的優位に立った買い方の仕掛けにより、指数が吊り上げられる展開に入れば続伸と見ていたところ、夕刻に発表された欧州各国の5月サービス部門購買担当者景気指数(PMI、改定値)が市場予想を上回るものであったことを受けて欧州株高からダウ先物が一段高となり、19:30現在、150ドル高・25,480ドルで推移している。

5日線を乗り越えたダウの次の抵抗線は200日線・25,432ドルとなるが、19:00現在、この価格を60ドル程度上回っており、このまま22:30の取引開始時間に持ち込むことができれば、ジャンプアップ効果により、再度200日線が抵抗線から支持線に変わる可能性がある。

ダウの1時間足や15分足MACDには昨夜の急騰の過熱感があるが、売り方が窮する局面に追い込まれており、五月雨的な踏み上げを誘って上伸する可能性がある。

もとより筆者はダウの2夜連続大幅高(日経平均の2日連続高)を予想しており、予想的中の手応えをつかんでいる。

本日は、昨年10/26-11/8との比較チャートを省略し、4本値の比較表を掲載する。

この表と寸分違わず進行するとは思わないし、リスクシナリオも考えられるが、現時点でのイメージとしては概ね合致すると想定している。

明日の日経平均400円高はさすがにないと思われるが、200円高・20,940円~20,980円程度の可能性はあると見ている。

なお、短期的な大幅上昇により相応の反落が懸念されるが、今夜をプラスで乗り切れば週末の雇用統計を前にして大きく売られることはなく、もみ合い程度の小反落で済むのではないかと見ている。

いずこも同じ売り方がつくる上昇相場だけに読みにくさはあるが、トランプ氏が創出する懸念で売られたツケを返す時間帯に入っていると感じている。

なお、日経平均の次の節目は20,940円処にあり、ここを超えられずに反落した場合は戦略の練り直しが必要になるかもしれない。

※22:35追記
ADP雇用統計がまさかの2.7万人と市場予想の18万人を大きく下回る結果となり、発表直後に円高・株安が生じた。けれど、昨夜のダウ上昇理由は「利下げ期待」であり、市場はむしろ悪化を好感し上げるはずだと思っていたところ寄り前に戻ってきた。円高の後遺症は残っているが、ダウが上げれば好循環でドルも下げ渋るだろう。初動のダウは110ドル高・25,440ドルと200日線上(25,432ドル)で推移している。・・・200日線でのもみ合いから後半に上抜けが理想的だが、明確に割れて引けなければ良いと思う。 23;00のISMに注目。

※23:05追記
ISMは56.4と市場予想を1.4上回った。これで中立。ただ指標を材料視というより、昨夜の500ドル高の調整を行っていると見ている。なお、日経先物は240足が調整中。あと2本(8時間)待ち?
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