2019-06-06

上目線継続だが本日上昇できなかった不穏さも※追記あり(6/6)

昨夜のダウ平均は筆者の予想どおり、200日線でのもみ合い後、中盤に上放れの動きを見せ、終値は+207ドル高・25,539ドルの大幅高となり、200日線を106ドル上回って引けた。

本日の日経平均は、米国株の大幅上昇にもかかわらず、昨夜のADPの悪化時の急落分を埋め戻すことが出来ず、-2.06円安・20,774円と小幅な上昇にとどまった。

特に14:30からの-100円急落は、上海総合指数の後場からの大幅下落が日本株のセンチメントを冷やしたと思われる。

先物・オプション動向
ABNのオプション手口のうち、コールについては21,000円から下を買い超している。特にコール21000については前日までの大口ショートを買い戻している。


プットについても、20,500円から下のロングの利益確定が目立っている。ただし、ロングショートの解消はなく、引き続きロングショートの建玉が並んでいる。

ただ、コールについてもロングが並んでおり、建玉からは確たる方向感が見えてこない。おそらく、雇用統計通過後、来週の早い段階で方向感を見せてくると思われる。

先物についてはABNは-1,160枚を売り越し、建玉を-12,460枚売り越しとしている。そのうち、6月限については-11,868枚の売り越しとなってなっており、オプションとの関係で定かではないが、やや弱気のようにも感じる。来週、どのような動きが出てくるか注目される。

GSは1,173枚買い越し、建玉は-1,174枚売り越しと引き続き様子見姿勢となっている。ただし、6月限については-9,476枚売り越しであり、GSからも弱気姿勢を感じる。

Cスイスは998枚買い越し(買い戻し)と利益確定を図った。建玉は-8,984枚売り越しとなるが、売り越幅は縮小している。

まとめ
正直、ダウが予想どおり200ドル上げたにもかかわらず、肝心の日経平均についてはマイナス引けとなった点に懸念を感じる。


上値が抑えられたのは、朝方の「米国とメキシコは移民、関税で合意できず」との報道でCME日経平均が下落、東京時間に入っても上海株の下落に引きずられてマインドが回復しなかったことがもっともな理由として挙げられるが、上値を抑えられた20,850円はメキシコ関税ショックの下落始点であり、本日の日中及びナイトセッションの反発も同じく20,850円で抑えられていることから注意が必要である。

現時点で共通性を見いだしている昨年10/26-11/8とのチャート比較は左図のとおりである。本日、ダウの200ドル高を受けて150円~200円の上昇を見せれば良かったが、本日の動きの限りでは(上昇すべき局面で上昇できなかったことから)やや異相を感じる。

今夜のダウについては、直近2日間で700ドル上昇したことから、もみ合いが想定され大きな値動きは出ないと思われる。

場合によっては、引き続き買い方の攻勢により売り方が買い戻しを余儀なくされ上昇する可能性もあるが(19:45現在、+80ドル高・25,621ドル)、仮にそうなった場合、明日の日経平均が20,850円を明確に上回って引けるかどうかに注目したい。

予想どおり、もみ合いで小動きとなった場合は金曜の米雇用統計の結果を受けたダウの動きが、6/14SQに向けた方向性を示すことになる。

ADPがあれだけ弱い数字であったことを考えると、雇用統計もネガティブサプライズがあるかもしれない点に注意したい。

あくまで筆者の憶測に過ぎないが、一昨日のパウエルFRB議長が金利引き下げの可能性に言及して市場を喜ばせたのは、既に雇用統計の数字を知っていて下駄を履かせたかった可能性もある。邪推ですが、ADPの数字と本日の日経平均からそんなことを考えてしまう。

雇用統計が良好な数字であれば市場はプラスに反応し、ネガティブであれば直近の急激な上げを取り消す下落に結びつく端緒になるかもしれず、どちらにしても明日の時間外や6/10(月)の東京市場は値動きの大きな展開が予想される。

筆者は引き続き上昇優位と見ているが、逆の動きがないとは言い切れず、両方向のシナリオを立て、どちらにも対応できる準備が必要と考える。

※22:40追記
ダウ先物が高く推移していたため「三空」を懸念したが、寄り後に一瞬、前日終値を割り込み三空を回避したことは好印象。現時刻40ドル高・25,580ドル。もみ合い前提だが思っていた以上に底堅い。 

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