米国株の3連騰・大幅上昇を受けた本日の日経平均は、ようやく安心感が漂い、110円高・20,884円で週の取引を終えた。
ただし、東証一部の売買代金は1.6兆円と週内で最も薄商いとなっており、ダウ・日本株ともに積極的な買い材料が見えてこなければ買い戻し一巡から再下落を迎える可能性がある。
先物・オプション動向
ABNのオプション手口のうち、コールについては昨日に続き買い越しが目立っている。特にコール21250については672枚を買い越し、建玉を1,368枚の大口ロングとしている。
プットについては、全般的にはショートの手口が目立っているが、一点、プット20750を1,183枚の大口ロング(買い越し)している点が気になる。
ロングコールの建玉が多いため、均衡を取る意味でロングプットを入れたようにも見えるが、足元の価格に近いだけに、再度20,750円以下を狙っているとも見える。
今夜の雇用統計通過後の手口を見ないと何とも言えない。
先物についてはABNは-603枚を売り越し、建玉を-13,065枚売り越しとしている。そのうち、6月限については-13,337枚の売り越しとなってなっており、オプションがコール寄りになっている分のヘッジとも思えるが、やや弱気のようにも感じる。来週、どのような動きが出てくるか注目される。
GSは-455枚買い越し、建玉は-1,629枚売り越しと引き続き様子見姿勢となっている。ただし、6月限については-9,476枚売り越しであり、GSからも弱気姿勢を感じる。
Cスイスは714枚買い越し(買い戻し)と利益確定を図り、建玉は-8,270枚売り越しと3日連続で売り越幅を縮小している。
まとめ
本日の日経平均は米国株高を背景に目先の抵抗線20,850円を上回って引けたことはポジティブであるが、昨夜のダウ上昇幅0.71%に対し0.57%と戻りは鈍く、今やロケットマンならぬタリフマン(関税マン)と化したトランプ氏が仕掛ける通商摩擦や世界経済の減速懸念が重しとなっている事実は変わらない。
ただ、今夜の雇用統計については昨夜の米国株高によってリスクはかなり軽減した。
仮に、ネガティブサプライズがあったとしても、昨夜の上昇分200ドル+現時点のダウ先物高が貯金としてあるため、下げた局面では売り方の買い戻しが入るだろうし、良好な結果となれば買いが先行するだろう。
テクニカル上では、昨夜25日線を上抜いており、乖離は終値ベースで+32ドル、19:15現在のダウ先物が+80ドル高で推移していることから足下では+110ドル上方にいることから、雇用統計が発表される21:30まで足下の価格を維持できれば、下げても25日線から大きくは離れないと見ている。
仮に下げるとしたら、今夜の週末要因で-100ドル安程度の25,620ドル処で、25日線からの乖離は-38ドルと予想している。
ダウの直近安値からの上昇幅は3日間で1,000ドル超となっており、いつ反落しもおかしくないレベルであるが、今晩の雇用統計を無事に通過すれば、とりあえず来週半ばまでの3~4営業日は下落しても、上述のもみ合いレベルで26,000ドルは取ってくると見ている。
日経平均についても昨日までの予想に変わりはなく、本日のナイトセッションに入り、日足の上値抵抗線を上抜いてきたことから上値追いの可能性がより補強された。
おそらく6/14のメジャーSQまたはその前日までは下げは限定的で、上値指向が続くと見ており、上値メドは来週末の推計75日線の21,430円と見ている。
また、薄氷を踏みながらの展開は過度な楽観に傾かず、悲観が先行することから意外に相場が長持ちする可能性も秘めているが、この点についてはMSQを境に反落するか、さらに上を目指すかにかかっている。
今後の予想については、今夜の雇用統計と米国市場の動きを見て再考察していく。
※22:10追記
米雇用統計はADP並みで驚きはなく、ドルは売られても、所詮、投機的な動きであり、どこまでも売られるものではなく買い戻しが入る。 日経先物を始め、世界主要株価の240分足からは、この2日間の停滞が6/3安値からの急伸に対する「時間調整(ジリ高の時間調整)」であることが示唆され、方向性は上が続いていると見ている。
※22:55追記
ダウが強い。今夜、+200ドル高としてもRSIは9日、14日ともに52-58と中位であり、日足レベルでは押すことなく100まで上がる可能性もありそう。
