ただ、既にADPの結果から悪化に対する反応は学習済みであり、利下げ期待からダウ先物は急速に折り返し、取引時間に入ってからは、対メキシコ関税回避の可能性が伝わったことから一段高となり、ダウの終値は+263ドルの大幅高・25,983ドルで引けた。
やはり、バウエルFRB議長はこのような結果を承知しており、市場に利下げの可能性を事前にすり込み学習させたのだろう。
これでダウは5日線、25日線、75日線、200日線の主要な移動平均線のほとんどを上回った。
また、25日線を除いて上向きに変化しており、25日線も多少もたついたとしても足元の価格にとどまることが出来れば来週後半には上向きに転じるなど、基調としては上昇トレンドに回帰しつつある。
それにしてもダウの反発力の強さは尋常ではない。
直近安値から4日間で1,392ドル上昇した。この間、出来高が伴っていないことから売り方の買い戻し主体であることには違いないが、ここまで強く上昇すると、上昇が新たな空売りを呼び込み、その空売りが踏み上げられ、これまで我慢していた売り方にロスカットの買い戻しを決意させるといった踏み上げの連鎖を生じさせることになる。
昨日の記事に追加したとおり、RSIは9日、14日ともに52-60と中位にあり、メインシナリオは、日足レベルでは大きく押すことなく100まで上がる可能性である。
一方で、ストキャスティックスは過熱圏に達しつつあることから、サブシナリオとしていったん下押すことも考えられる。その場合は、買い方の利益確定が一気に出て、その後、売り方の買い戻しが入って急伸するボラタイルな値動きになると見ている。
一目均衡表からも同様の2通りのシナリオが想定できる。
ここで大事なことは、6/21が東京市場のメジャーSQに相当する "Triple witching day" であることだ。
足元の上昇のとりあえずの目標はTriple witching dayに向けた上昇であると思われ、仮に下押す場面があったとしても6/21に向けて上昇相場が続くと見ている。
まずは月曜のダウが続伸すれば26,250ドルを目指し、仮に跳ね返されるようであれば、いったん25,400ドルを下限とするゾーンまでのスピード調整となる可能性がある。
