ただ、前場引け時点で日銀ETF買いが確実視されたため、昼休み中に先物がスルスルと上昇し、日銀は高いところを買わされた格好になった。
日経平均が弱いときにはETF買いに売りをぶつけてくるのだが、高いところを買わせてくるあたりは、まだ売り仕掛けは本格化していないということだろう。
日経平均の終値は-187円安・21,521円。
なお、注目していた中国・7月製造業購買担当者景気指数(PMI) は49.7と市場予想を小幅に上回ったが、3ヵ月連続で好不況の判断基準である50を下回った。
トランプ大統領の米中貿易交渉停滞を巡るツイッターもあり、上海株は-0.67%安・2,932ポイントと3,000ポイントに近づくことができない。
先物・オプション手口(JPXデータを集計、日中・夜間・立ち会い外を含む)
昨夜の夜間市場での下落(底練り)及び本日の日中取引での指数下落の中、海外投資家はどのような視点を持っているのか、先物・オプション手口から探っていく。
ABNの本日のオプション手口を見ると、コールサイドでは素直にコール売りを展開しているが、プットサイドでは、プット売り手口が目立っている。
21,250円から下のプットについては三桁のプット売りをぶつけてきている。(21,750円、21,625円のショートプットは同額のコールオプションとの両建てによるリスク軽減だろう)
ただ、依然として21,250円のプットに大口ロングを建てており、足下の価格帯がプット・コールの両建てであることを考えると、下値への警戒が求められると見ている。
なお、21,000円には超大口のショートプットを組んでいることから、SQ前の利確を狙っているのかも知れない。
明日以降、21,125円にショートプットを積んできたらSQ前の「悲観は買い」の公算が高くなる。
先物については以下の表のとおりである。
ABN、ゴールドマン、ソシエテが小口の買い越し。ABNは数字上、昨日の売りの半数を買い戻して利確した形になる。
メリルリンチは建玉の10%を超える利益確定を出しているが、依然として買い越し優位に変わりなく安い場面では買い越しに回ってくると思われる建玉である。
今後の日経平均予想
いよいよFOMCが今夜に迫ってきたが、昨夜の時間外で日経平均が下落し、本日の日経平均も程ほどに安くなったため、予想される25bp(0.25%)の利下げは織り込んだと思われる。
トランプ大統領の50bpへの利下げ要求については、FOMC後の会見で今後発表される指標を注視して迅速に対応するというような形で応えるだろう。
予想どおりであれば、利下げの影響は限定的で次の興味は週末の米雇用統計へと移っていくだろう。
なお、日経平均は、本日の下落によって5日線が下向きに変化した。これで主要3移動平均線のうち、上向きは25日線のみであり、日経指数は25日線を僅かに下回った。
明日は、25日線にとどまることが出来るか下放れるか、重要な日になってきた。
また、日経平均は6月下旬から21,500円~21,800円のレンジで推移しており、一団の「島」を形成している。
直近の日足は実体部分の短いコマまたは十字足が多い日中値幅が極端に狭くなっている。
これは日経平均が海外市場の動向に振られて動く日経先物のナイトセッションの終値が基準となって上下にブレるだけの活力の乏しいものになっているためであり、今後も当分続くだろう。
ダウ平均は足下では5日線上にあり、方向感をさぐる局面にあるため、様子見姿勢から利益確定の流れになりやすい。
昨夜は下ヒゲで返ってきていることから、大幅な下落は考えにくいが、小反落程度はあるかも知れない。そのような形になった場合には東京市場も様子見姿勢から買い控えが置きやすく、弱含みの要因となる。
日経平均にとっては、寄り付き値が6月下旬からの高値膠着ゾーンの下から始まるアイランドリバーサルを形成した場合、需給的に売りモードに入りやすい点に注意したい。
なお、ダウ平均が堅調に返ってきた場合には、もうしばらく高値膠着ゾーンに収まっている可能性が高いと見ている。