日経平均は寄付きはダウの大幅安を引き継ぎ大幅安で始まるも買い戻しが入り、大引けは19円高・21,540円で引けた。
昨日の記事にて「明日以降、21,125円にショートプットを積んできたらSQ前の「悲観は買い」の公算が高くなる」と記したが、本日、ショートを積む前に、初回の悲観が示現し、21,000円~21,250円のプットの利益確定と積み直しが行われた。(詳細後述)
先物・オプション手口(JPXデータを集計、日中・夜間・立ち会い外を含む)
ABNの本日のオプション手口を見るとショートプット22125及び22000の大幅買い戻しが目立つ。日経指数が下げたところでのショートコールの利益確定の買い戻しである。
また、前述したプット玉の操作については、21,000円のショートプットについては差し引き手口は250枚買い越しと僅かだが、内訳は売り2,090枚、買い2,340枚の突出した売り買いが行われ、利益確定と同時に積み増しを行っている。
同様に21,250の大口ロングプットの差し引き手口は-252枚売り越しであるが、内訳は売り1,796枚、買い1,544枚とかなり多くの枚数を売り買いしている。下げたところで利益確定の売り、上げたところで再度の買いと思われる。
21,125円のプットについても売り1,443枚、買い1,649枚と売り買い枚数が多い。
なお、21,250円のプットを買い直した推測できることから、SQまでの間に再度21,250円に近いところまでの下げを見込んでいると思われる。(21,125円のプットの積み方次第では、21,100円前後までの下値がある可能性がある)
ただ、SQ値については21,500円の勝負となり、週初までの悲観は買いの可能性が高い。
先物については以下の表のとおりである。
ABN、Cスイスが売り越し、ゴールドマン、ソシエテが買い越しとなっている。なお、掲出した表では小幅買い越しとなっている野村證券については、225先物が1,700枚程度の買い越し、TOPIXが1,000枚程度の売り越しと相変わらずTOPIXを売っている。
今後の日経平均予想
FOMCを材料にした日経平均の仕掛けについては本日の乱高下で終了し、今後はSQに向けた仕掛けが進行中と見ている。
ダウ平均が昨日333ドルの大幅安となって保ち合いから下放れたことから、目先はダウも調整モードに入ったと見ている。
今夜のダウについては昨夜の下落幅が大きいため、もみ合いの小動きとなり(続落もあり?)、もう一段下落したところでRSIの低下からテクニカルリバウンド入りすると考えている。
したがって、日経平均についても目先はもみ合いからいったん下落を予想している。
(19:30現在、日経先物は21,550円と50円高となっているが、一昨日の20:00の急落帯始点である21,570円(日経平均現物21,600円)を持続的に上回って推移するのは難しいと見ている)
いったん下落の要因としては、日経平均に比べてダウの下放れは昨夜始まったばかりであり、また、パウエル議長発言については筆者でさえ読みが当たっていたことから、相当数の投資家がパウエル議長の発言を見越して売り仕掛けたと見るのが順当と見ている。
したがって、最短でも2日または3日の日柄が待たれ、明日の金曜夜間~月曜が安値拾いになると思われる。
本日のようにV字回復ではなく、底練り型となり、時間外での一段安も想定されるなど難しい底形成になると思われる。
なお、上昇は8/9のSQまでで翌週からは再度下落の可能性が高いと見ている。
※21:50追記
本文に書き忘れたが、本日の焦点と考えていた25日線を日経指数は28円割った。足下、25日線はかろうじて上向きを維持しているが、時間の問題で下向きに転換する可能性が高いと見ている。 明晩の雇用統計(雇用者変化数)の市場予想は減少がコンセンサスとなっており、予想どおりだとすると心理的な圧迫になりやすい。
また、未確認であるが、明日の引け後はユニクロの既存店売上げ速報か? (それとも月曜?) いずれにせよ、今週は猛暑であるが、それまでは冷夏であり、7月の夏物衣料は低調が予想される点で日経指数への影響が懸念される。