下落のきっかけは、トランプ大統領が対中関税第4弾(残りの輸入品3,000億ドル相当に10%の関税)を9月1日にて発動すると発表したことにあるが、取引中盤にかけて300ドル上昇後に600ドル下落するあたりは仕掛けによるものだろう。
先物・オプション手口(JPXデータを集計、日中・夜間・立ち会い外を含む)
本日の日経平均大幅安に対して先物筋がどのように対応したのか見てみよう。
ABNの本日のオプション手口を見た印象では下落幅の大きさほどの危機感は感じられない。
コールでは、22,000円のショート2,.059枚を利益確定(買い戻し)しており、かなりの利益を得たと思われる。また、返す刀で利確したオプションよりもプレミアムの低い22,125円のコールを704枚ショートし、建玉を伸ばしている。
また、コール21,375円のコールを736枚と大口で買い越している一方で、21,500円については-647枚を売り越して-1,545枚の大口のショートを建てており、上限を21,500円に置いている気配がする。
プットサイドでは、21,000円のショートプットを積み増ししており、計4,000枚近い超大口ショートプットとなっており、SQ値を21,000円以下にはさせないぞといった迫力を感じる。
先物については以下の表のとおりである。
ABNが6,963枚と超大口で買い越しているのが印象的である。
一方、ゴールドマンが-4,882枚売り越しているが、建玉自体は買い越しであり、相場追従型の様子見と思われる。
Cスイスは1万枚を超えて売り越している。下落幅の大きさから「このようになるのかな?」といった感想であるが、少し多すぎの感もある。
野村証券はさすがに利益確定を図っている。
今後の日経平均予想
本日、日経平均は4つある抵抗帯の3つを下放れた。
21,500円~21,800円の保ち合いゾーン、6/3安かせ直近の安値を結ぶ下値抵抗線、そして21,200円~21,300円の保ち合いゾーンである。
しかし、最後の21,000円の下値抵抗線だけは何とか持ちこたえた。
おそらく、来週のSQがなければ21,000円も下放れていたと思われる。また、来週についてもSQが控えているためにいったん21,000円を割れても回復してくると見ている。
なお、足下の日足チャートが7/18-19の大幅安後の切り返しの大幅高と似ている。7/18の大幅安については、T+3からT+2に変わるために生じた売り仕掛け(売りの増加)との解釈が合理的であり、足下の環境とは一致しないが、チャートが似ているという点で、同額切り返しとまで行かなくとも、直近の米国市場が仕掛け売りによって大幅下落したとの推測の模試では、今晩は買い戻しとなり、週明けの日経平均はプラス引けとなる可能性はある。
来週については、安値もみ合いから21,000円割れを再度試す場面もあると思われるが、現時点での予想SQ値は、本日の下落で少し後退し、21,300円前後と見ている。
※22:55追記
序盤のダウ平均は-150ドル安前後で推移と想定以上に弱い。雇用統計は市場予想どおりであったが、前月からは低下しており見映えが悪い。ただ、平均時給は0.1ポイント上昇し底堅さを感じる。売り要因となるほど弱くも強くもなく、目先の売りが収まれば週末要因から買い戻しが入ると見ている。前日終値近くまでは戻るのではないか?
※23:30追記
ダウ-270ドル安。残念ながら続落の様相です。