2019-07-30

トランプ大幅利下げ要求の本音?※2追記あり(7/30)

本日の日経平均は、8:45の先物寄り付きが買い気満々のギャップアップで始まり、長い陽線を引いて一気に前日比200円高まで引き上げた。

日経平均(現物)も一時前日比180円高・21,792円まで上昇したが、日銀会合での現状維持の結果が伝わった後場から上げ幅を縮め、92円高・21,709円で引けた。

相場解説では朝の上昇を「日銀金融政策決定会合への期待が高まり」と解釈しているようだが、おそらくFOMCを控えて売り方のポジション調整が入ったか、買い玉を掃かせるための買い仕掛けのなのだろう。

先物・オプション手口(JPXデータを集計、日中・夜間・立ち会い外を含む)


ABNの本日のオプション手口は、コール買い・プット売りが目立つ上値指向の手口となっている。

ただ気になる点はいくつかあって、ショートコール22000を429枚買い戻している反面、22,125円のコールを1,779枚売り越し、コール22125の建玉をロングコールからショートコールに転換している。

上昇見込みを一段引き上げたとの解釈もできるが、ショートオプションを組むのは弱気の手口であり、上値指向であればコール買いを積み上げるはずだ。また、建玉からみても22,000円処のショートコールの総量は増加しており弱気の戦略とみる。

足下の価格であるロングコール21750の積み増しも87枚と過小にとどまっている。

一方、プットサイドでは21,500円以外のほとんどを売り越しており、本日の上昇の中では相場に逆らうことなく上昇リスクに対応しており、現段階では上値も限定的ながら、下値も見ていないと感じる。

先物については以下の表のとおりである。
 ABN、ゴールドマン、Cスイスが売り越しとなっている。特にABNは建玉の15%近くを売り越しており、おそらくオプションで買い優位の手口を取ったためのヘッジと思われる。

今後の日経平均予想


基本的に、予想していた上昇は業績に対するものではなく、売り方の買い戻しであるため、本日前場の上昇により想定していた日経平均の上昇は出尽くした可能性があると見ている。

あとは、上値での買い玉を掃かせるための強引な上昇があるかどうかだろう。

20:15現在、DAX指数の大幅下落が原因と思われる下落によって日経先物が-150円安まで売られており、今夜のダウ平均への影響が懸念される。

ダウへの影響が限定的であれば、ABNが建てている21,750円を中心としたコール建玉の決済までの上値が続くと見ている。

今夜のDAX下落についての情報がないため、何とも言えないが早ければFOMCか雇用統計、遅くとも来週末のSQまでには調整相場が始まると見ている。


トランプ大幅利下げ要求の本音?


トランプ大統領が昨夜、「小幅な利下げは不十分」とツイートし、想定される25bpではなく50bpの利下げを求めた。

大幅利下げはトランプ大統領の持論であり不自然さはないが、独立した行政機関であるFRBに対してこの段階での要求はあまりに傍若無人な振る舞いである。

仮にFRBが50bpの利下げを行うとしたら、その理由として「大統領の政策尊重」と言う訳わけいはいかず、景気後退への懸念と言わざるを得ず、足下の米国株式の高騰を否定するものとなる。

トランプ大統領は自身が何を言ってもFRBが25bpの利下げを行わざるを得ないことを承知の上で敢えて「小幅な利下げは不十分」とツイートしたのではないか。

米国株式が高値を取るためには、ここからいったんの調整が必要なことは多くの者が意識しているだろう。トランプ大統領も調整を意識しており、そのとき「だから、50bp利下げせよと言っただろ」と株価下落がFRBの責任であることを強調するためのアリバイとしてツイートしたのではないか。

可能性は極めて低いがFRBが真に受けて50bpの利下げを行ってしまえば調整はかなり混迷を深めることになるだろう。 

※22:55追記
ダウ平均は寄り後に-150ドル安まで売られたが、現時刻-78ドル安と戻り歩調。ただ、発震源と思われるDAXの戻りが鈍く、ダウも前日終値まで戻せるかどうか? 日経先物は-150円安の21,510円。分足の20:00急落始点の21,570円をカバーして明日に引き継げられるかが焦点。

※23:30追記
このまま調整入りするとは思えないが、ドイツDAXが-2.25%安と下落幅が大きく、下落理由がわからないため気かがり。 明日は上海株への波及具合と10:00の中国7月製造業購買担当者景気指数(PMI)に留意か。
スポンサーリンク
counter