2019-07-11

SQ通過が転機になる可能性も?※2追記あり

本日の日経平均は下落優位と見ていたが、筆者の予想どおりとはならなかった。

日経平均終値は110円高・21,643円。パウエルFRB議長の議会証言が市場予想以上にハト派的と受け止められ、材料出尽くしにはならなかった。

先物・オプション手口(JPXデータを集計、日中・夜間・立ち会い外を含む)

本日のABNのオプション手口では、明日は本日よりも高い位置でSQ値が決まると見ているのか、利が乗ったものは利確、ロスカットすべきはロスカットし、全体的にSQ決済を減らす敗戦処理に動いている。

ただ、8月限にローリングした分もあると思われるが、JPXではオプションについては当月分のみの公表となるため真相はわからない。

先物についてはABNは全限月で-1,541枚を売り越し、建玉を6,564枚買い越している。

GSは先物を2,458枚買い越し、建玉は4日連続の拡大で15,621枚。Cスイスは2,673枚買い戻し、建玉を-5,599枚に売り越幅を縮小した。

今後の予想

日経平均の日足チャートを見るにつけ、本日までの間、先週の7/2(火)の高値21,784円を超えることなく、高値切り下げ安値切り下げで推移しており、けっして強い相場ではない。

また、同様のレンジでの保ち合いは6月以降3回目となり、過去2回はGUで高値更新しているが、今回は上抜けにやや日柄を要しており、保ち合い局面が長いと感じる。

おそらく、明日のSQを高値で通過させたい勢力が強く本日の上昇につながったと見ているが、仮にそのとおりだとすると、SQ通過が相場の転機になる可能性がある。

折しも、本日注目の決算発表であるファストリと安川電は両社ともあまり芳しいものではなかった。

・ファストリ、9-5月期(3Q累計)税引き前は4%増益も対通期進捗は過去平均を下回る
・安川電、3-5月期(1Q)経常は59%減益で着地

特に安川電は半導体関連が底を打ったとされる2月期よりも営業益は落ち込んでおり、3,000ポイントに乗ることができない上海株の動向とともに日経平均の不安要素となる。

したがって、筆者予想としては、25日線や7/1の窓埋めなど節目が集中する21,300円処までの押し目想定を維持している。

その後は、昨夜のパウエル議長証言により、月末のFOMCでの50bp(0.5%)の利下げへの期待感が生まれていることから7/2高値の21,784円までの上昇を想定している。

サブシナリオとしては、ダウの高値追いにより、日経平均もこのまま上昇し、21,850円~21,950円示現が想定される。

なお、明日の後場は月曜の東京市場が休場となることから緩む場面があるかもしれないが、敢えて休場リスクを取ることはないと見ている。

※23:05追記
序盤のダウ平均は一時27,000ドルを上回り、現時刻121ドル高・26,981ドルとかなり強い。 日経先物は21,580円と本日の大引け水準より少し引けているが、 明日の日経平均が52週線21,724円を上回って引けると、来週続伸の芽も出てくる。 ただし、52週線自体は下向きであるので過度の期待は禁物。(いったん上向きの26週線21,251円まで押すのが理想的)

※23:20追記
ただし、欧州株が上げ渋りから小安く推移しており、筆者が日経平均の先行指標と見ているDAX指数の60分足は、先週末からの下落トレンドが継続中で、下げ止まらないことには日経平均の上昇も難しい?
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