もっとも、一昨日の-212円安であったことを考え合わせれば、昨夜のダウ-115ドル安+本日の15:00ダウ先物-90ドル安で-205ドル安と計算が合うことから値幅自体は適正であり、日経平均が先行して下げていたことで辻褄が合う。
また、寄り後に先物が急伸し、日経平均が一時150円高となったが、これは昨日記した安値を拾った筋による買い仕掛けだったと見ている。
なお、懸念していた売り崩しは寄り後の急伸・急落に主役を奪われ、本日のところは無風となった。引き続きSQの思惑からの波乱に警戒したい。
先物・オプション手口(JPXデータを集計、日中・夜間・立ち会い外を含む)
本日のABNのオプション手口は、権利行使価格の高い22,125円から上のコールを売り越しており、SQに向けたポジション調整に入っていると見られる。プットについては、若干のロング気味のプット21,000円を売り越し、-1,031枚のショートプットに置き換えている。ABNの大口投資家の見立てとしては、SQは21,000円を割らない想定であると思われる。
先物については、昨日、Cスイスが-,4,576枚の大口の売り越しであったが、本日も-1,593枚売り越しと引き続き売り姿勢を継続している。
ただし建玉は-7,479枚売り越しと、現時点ではそれほど大きくはなく今後の動向を注視したい。
野村證券は-3,397枚を売り越し、建玉を-122,166枚とした。
その他、買い方としてはソシエテが3,631枚を買い越し、建玉を72,497枚に拡大している。
今後の予想
19:30現在のダウ先物は-113ドル安・26,696ドルと東京市場の終値時点よりも若干下触れているが、ダウ先物の下落を受けて欧州市場(特にDAX)が軟調に推移しているためと思われる。仮にダウが足下の先物安を引きずった場合、昨夜の大引け時点では上向きであった5日線が下向きに転換するため注意が必要となる。
ただ、仮に序盤で下落したとしても、明日のパウエルFRB議長の議会証言を控え、(利下げ発言への期待感から)中盤以降は買い戻しが入ると思われることから、大引けでは下げ幅を縮め、昨夜の終値近くまでは戻るのではないかと見ている。( 注:ギリシャ株の政権交代による大幅下落に注意が必要となった → 追記あり)
日経先物についても、ナイトの安値は17:08の21,460円にとどまっている。これは昨日の大引け近くの安値と同一であり、今夜については下げ止まる価格帯であると見ている。
明日はSQ前の「魔の水曜日」と呼ばれる下げの特異日であるが、夜にパウエルFRB議長証言を控えていることから、新たな観測報等がない限り売り仕掛けは入りにくく、大きな動きは生じないと思われる。
・・・とすると、SQ前日の木曜やSQ当日に動く可能性があり、5月SQや6月SQのようにSQ最終日までもたつく展開が予想される。
パウエル議長証言は現状の表に出ている以上に踏み込んだ発言は出にくいことが予想されることから、初動としては、出尽くしまたはイベント消化にとどまり、その時点のトレンド方向に動く可能性が強いと考えている。
※21:50追記
ギリシャ総選挙の結果、政権交代が実現したが、株式市場の反応は寄り付き平穏だったが、その後急激に売られ、21:50現在-3.2%の大幅安となっている。政権交代は減税を打ち出した中道右派政党が勝利したが、ユーロ圏の財務相会議で財政規律を守るようくぎを刺されており、公約の実現性が不安視されている模様。
欧州市場、特にドイツDAX指数の足を引っ張っており、新たな懸念として米国株の戻りを抑えることが懸念される。
※22:20追記
SQがもつれそうな理由として、7/11(木)の引け後、つまり7月限取引終了後にファーストリテの決算発表が予定されている。筆者の記憶では6月の売上げは良かったものの、それ以前はあまりパッとしなかった印象があり、注意が必要かもしれない。
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