ただし、引け値は「前日比マイナスとなっても-100ドル未満に収まるのではないか」の筆者予想どおり、-90.75ドル安・26,287.44ドルで引けた。
チャートが示すとおり、5日線で支えられ、75日線で上値を抑えられた形状となっている。
繰り返しとなるが、昨夜の下落は直近の急上昇に対する健全な調整であり、安値も前日安値を割っておらず、買い優勢の中で売り方が買い戻さざるを得なかったことをローソク足が示していると見ている。
米中貿易交渉は、おそらく最短でも来年の春まで、長ければ夏までの長丁場が想定されるものであり(筆者予想)、合意もなければ、決定的な決裂もなく、相場にボラを与える材料を提供するだけだろう。
今朝、「米中貿易交渉、当面合意なし 9月の閣僚協議中止も」のニュースが流れてきたが、閣僚級協議は時間の無駄であり、成果なしを印象づけるだけでなので相応の選択だろう。
相場は次の材料を求めてまた動き出す。
なお、昨夜、トランプ大統領がFRBに対し1%の利下げを求めたと報道されたが、米10年債金利はダウの中盤からの反発に合わせて上昇する素直な反応となっており、リスクオフの売りではないと見ている。
また、ダウの配当利回りは昨夜2.37%に急上昇し2/8の水準に並んだ。2/8のダウ指数は25,106.22ドルと昨夜よりも1,000ドル下方にあり、ダウの企業群は順調に利益を伸ばしていることになる。
今後のダウの動きとしては、直近高値の、しかも保ち合い局面から短期日で約1,800ドル下落していることから相応のもみ合いや再下落も想定されるが、足元は戻りを試す時間帯に入っていると見ており、最良で25日線26,750ドル、順当でも8/2の窓埋め26,600ドル付近までの自律反発は可能と見ている。
この価格付近で、下値での3本のローソク足での買い手がどの程度利益確定を入れてくるかが、次の動きに向けての焦点になると思われる。
なお、テクニカルからは日足MACDがシグナル線とのゴールデンクロスを示現して上昇中である。
ただ、前回6/3の安値よりもMACDは低下しての折り返しであることから、ゼロラインか、手前で押し返される可能性があり、深追いは需給やファンダメンタルズの見極めが必要と見ている。
※22:00追記
上述した価格を超えて上伸した場合、思わぬ高値となる可能性がある。 筆者予想が的中し、足下の価格から下方に落ちず、25日線をスッと越えた場合は今回の下落で一目均衡表の雲下限割れを強く否定したことになり、急騰の可能性さえ感じる。 現段階では仮定の話であるが、日経先物の空売りも要注意となる。