なお、引け後にダウ先物の急騰により日経先物も急騰し、19:15現在、日経先物は20,530円(現物換算20,560円)と大引けから300円近く上昇している。
きっかけは、トランプ大統領による「昨日、中国側から交渉を再開したいと米国担当者に連絡あった」のツイートであるが、中国側からは米国と中国の通商交渉担当者はここ数日の間に電話協議を行っていないと、トランプ大統領の発言を否定する発表があったが、ダウ先物は引き続き上昇している。
19:15現在のダウ先物は230ドル高。
今夜のダウについては続落をメインシナリオと見ていたが、続落しない場合は半値戻し程度はあるだろうと見ており、-623ドル高の翌日としては妥当な上げ幅と見ている。
ダウの上げ幅以上に日経平均の上げ幅か高く、買い仕掛け的な売買であろうと見ている。
先物・オプション手口(JPXデータを集計、日中・夜間・立ち会い外を含む)
(本日は週に1回の残高公表日のため、公表のあった残高については先週末分に修正を加えています)本日のABNのオプション手口は、週末・金曜が弱気手口であったことに対し、強気の手口を展開している。
ただ、強気といっても、コールオプション20,750円の大幅買い越し建玉が目立つ程度であり、プットオプションのショートがコールショートを上回っているのみであり、基本的にはもみあいの中でボラを取っていく戦略と見る。
明日、コール20,750を売り越しに回るならば、本日の時間外の買い仕掛けはABNが仕掛けた可能性がある。
先物については以下の表のとおりである。
ABNは先物も買い越しているが、建玉はプラスに転じたばかりであり、日替わり物色の可能性がここからもうかがわれる。
野村證券は-5,386枚の売り越しであるが、NK225先物がほとんどであり、TOPIX先物には大きな動きはなく、本日の2万円に近づく下落局面で買い戻してこないことには注目すべきと考える。
今後の日経平均予想
本日の20,100円台での下値堅さは3度目であり、時間外に入っての急伸(おそらく、少なくとも明日の前場までは高い)によって、市場に日経平均の2万円は固いとの認識が出来上がりつつある。
また、ダウの大幅下落も翌日または翌々日には回復するとの期待感も生まれそうである。
だが、日経平均の主要日足移動平均線は下向きであり、価格も今年1月以来の安値圏にあり、上値の重さの払拭にはまだ相当の時間がかかると見ており、短期下落トレンドのサイクルにうると見ている。
その意味では、2万円割れが示現する日はそう遠くないと思われ、次に起きる急落では、下げ渋る仕草を見せながらもあっさりと2万円を割る可能性があると考えている。
ただ、目先の急騰は、東京市場の大引けから日経先物のナイトセッションの間隙を狙った計画された仕掛けであり、依然として20,300円~20,700円のレンジに戻っていることから、現時点でその動きや日柄を正確に予想することは難しいが、ダウの自律反発は半値戻し程度と考えており、予想が的中するのであれば上値は限定的と考える。
(上述のとおり日経平均は過剰に上げており、東京時間での買い仕込み玉を時間外に売り埋めし、明朝の高いところで再度売り仕込みしてくるのではないかと見ている)
今回の一連の下落と上昇は意外にも5分~10分足の短い足がよく機能しており、現在、上方に拡散中の3本のMAが収れんしたタイミングで下落のきっかけがつかめるかもしれない。
※21:50追記
本日空けた窓埋めの20.579円と5日線がほぼ同じ位置にある。明日の日経平均(終値)はここを超えないと想定する。この想定どおりとなれば、日経平均は再度下に向かう可能性が高い。超えてきた場合は練り直しとなるが、上値の重さを払拭するためには一気呵成の下落か上値追いのどちらかしかなく、現状、上値追いの材料は見つからない。
日経先物は20,500円~20,550円の膠着が続いているが、ダウが始まってもなおヨコヨコが続くと、分足20本・40本・75本MA3本が収れんして朝を迎えることになる。
なお、20,100円の底堅さを3回試したことから、仮に2万円割れとなれば想定していた19,650円は通過点となる可能性がある。