2019-08-25

日経平均、レンジの下方移動か?※追記あり/8/26週の日経平均予想(8/25)

週末のダウ平均は米国による対中報復関税の追加によって-623ドル安の大幅安となり、CME日経平均も20,135円(現物換算20,165円)で終えている。

ダウの下落が一時的なものであれば日経平均も再度上昇の途もあるが、筆者が見るところは昨日アップした「来週のダウ予想」のとおり、目先反発はあっても値幅は乏しく、いったん下限を試す動きになるのではないかと見ている。

 

日経平均が極端に弱い理由


このところ、日経平均が前日比プラスであるにもかかわらず、日経先物がナイト高値を超えられないケースが目立っており、日経平均の弱さを象徴している。

要因は種々あろうが、その1つに「1570日経レバ」の存在があると見ている。

日経レバは常に売買代金ランキングの上位1位~3位に入っている売買高が高い人気銘柄である。

日経指数連動型であるため、業績や決算を気にする必要がなく個人投資家の参入が多い。

先日記したとおり、買い方の信用評価損率が5月の連休後の急落以降、3ヶ月余にわたって-13%~-15%で推移しているは、日経レバの評価損の占める割合が多いのではないかと推測している。

日経レバは上場ETFであるため、取引時間は基本的に9:00~15:00となる。一部証券会社では私設取引により時間外でも売買できるが、23:59までであり米国市場の取引時間全てをカバーできず、また取扱は現物のみとなっている。

そのため、日経先物はナイトで上昇しても、東京時間では-15%の信用評価損となっている日経レバの売りが降ってくるため、上値が重くなり、先物ナイトの高値を超えられないのではないかと見ている。

この状況は信用評価損に耐えかねた買い方が投げるまで続くと思われるが、次から次へと新たな買い手が現れ、新たな評価損を抱える売り循環が続いており、思い切った値幅の調整がない限り当分続くと見ているのが、目先弱いと見る理由である。

 

8/26週の日経平均予想


前置きが長くなったが、前述のとおり売買高の高い東証一部の主力銘柄である日経レバの需給が悪化しており、今週の日経平均はダウの-623ドル安を受けて弱含みで推移せざるを得ないと見ている。

CME日経平均は20,135円(現物換算20,165円)で返ってくる。先週までの日経平均のレンジは概ね20,200円~20,700円であるため、CMEではレンジの下で取引を得終えたことになる。

明日の焦点は、先週までのレンジ下限である20.200円を回復して終えることができるかどうかであるが、個人的には、先週末の日経平均とのギャップが約550円と大きく、日経レバのさらなる需給悪化が予想されることから、20,200円回復はやや難しいと見ている。

また、ダウ平均が中盤以降に一段安となっていることから、欧州市場はダウ平均の後半の下げを織り込んでいないため、欧州株の序盤軟調が予想され、ダウ先物の上値を重くし、ダウ続落の懸念もある。

日経平均が20,200円回復ができない場合、これまでのレンジである20,200円~20,700円が繰り下がり、一段安のレンジである19,700円~20,200円のレンジに移行する可能性が高い。

週足チャートに図示したとおり、20,200円~20,700円の前のレンジは21,000円~21,500円となっており、一段安のレンジに入った場合は相応の時間調整または価格調整がなければ上に向かうことは難しいと見ている。

ただ、ダウの下落が急であり、週末時点で25日線乖離率が-3.70%と4%に近いことから、さらに下落した場合には短期的なテクニカルリバウンドを狙う戦略が有効と考える。

今週の日経平均の高安目途については、明日の終値が明確に20,200円を上回って引けるどうかで判断が変わってくる。

20,200円を明確に上回って引けた場合には引き続き20,200円~20,700円継続の可能性があるが、筆者の感覚では、下方レンジへの移行の可能性が高いと見ている。

下方向に向かった場合の下値目途は19,700円~19,800円と見ており、瞬間的には1/7の窓埋め19,650円示現があるかもしれない。高値目途は月曜の寄り後に20,350円近くがあるかもしれないが、仮に2万円を割った場合には目先2万円が上値目途になると見ている。

(月曜の大引けは20.100円~20,150円と見ており、火曜以降に続落となり下値目処を達成した場合には週末・木曜あたりにいったんの下値をつけやすい)

なお、日経平均20,100円処はPBRが一倍となることから、20,000円処は買いであると推奨する方もいるが、足元には現物での長期投資の視点はなく、先物主導の値幅取りが主体であることから2万円割れでの買いは短期売買に限ったほうが良いと見ている。

政策発動があれば中期での買いとなるが、まだ先のことと思われる。

※21:20追記
ダウが-800ドル安となった8/14の翌日、日経平均が-249円安とダウの3分の1程度しか下げなかったことから、今回のダウ-600ドル安においても日経平均の下げは限定的と考える向きもあるかもしれないが、8/14のダウの25日線乖離率は-4.2%、翌日8/15の日経平均-249円安の25日線乖離率は-3.86%と、まずまず均衡は取れている。 もっと言えば、前々日の8/13の日経平均の25日線乖離率は-4.00%と先行して日経平均が下げている。


週末のダウの25日線乖離率-3.7%を日経平均に当てはめると-520円安・20,190円となり、明晩ダウ続落と読めば20,100円、ダウがもみ合いと読めば20,200円が適合値と思われる。

理屈はともかく、個人的には「賽は投げられた」と見ている。
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