ただ、プラス引けとなったということは、前日、前々日と大きく上げた割りには利益確定売りは少なかったと見る。
出来高も、先週の最も少なかった日を僅かに上回る程度で、積極的な参加者が少なく、実質的な様子見から前日の流れを受けての小幅上昇と推測され、膠着レンジの上抜けから上昇トレンド入りが明確になったと判断するのには、今しばらく動向を見守る必要がある。
その理由として、直近のISMや昨夜の雇用統計の結果などを受けて、来週のFOMCにて金利引き下げの有無や利幅が決定されることになるが、個人的な印象として、トランプ大統領が求める50bp(0.5%)引き下げを正当化するほど悪化しているとは思えない。
加えて、可能性は少ないが「追加利下げは時期尚早」の判断があってもおかしくない。
その意味では9/18のFOMCでは25bp(0.25%)の金利引き下げをメインシナリオとしつつも、万が一にも「金利据え置き」となる可能性を頭の片隅に置いておくべきと思われる。
それは、FRBが25bp(0.25%)の金利引き下げを行ったところで、トランプ大統領は烈火の如く不満のツイート砲を打ちまくることは確実であり、対中貿易戦争の激化やイランや北朝鮮との関係悪化を仕掛け、戻りかけていた株価を再度下落させ、腕力で50bp(年間100bp)の引き下げ正当化の論拠を作り出す可能性があると見るからだ。
それであるならば、25bpという中途半端な忖度はせず「金利据え置き」の判断を行い、利下げ余地を次回へ残す判断もあり得ると見ている。
したがって、9/17からのFOMC週は利下げ幅をめぐる神経質な展開が予想され、FOMCを境にダウが大きく動く可能性もある。
ただ、目先のダウは主要な日足移動平均線を一気に抜き去り、上を目指す勢いがあるため、来週は後半に27,000ドル~27,200ドルまでの高値はあるかもしれない。
その場合にあっても、直近の上昇幅が大きいため、週明けは5日線26.560ドルまたは75日線26,340ドル付近や25日線26,120ドルまでのスピード調整があるかもしれない。
日経平均については、ダウに比べてチャートが悪化しているため需給が悪く、また、米国の利下げ期待はドル円の下押しにつながるため、すんなりとは上昇していかないと見ている。
日経平均予想については整理の上、明日のアップを予定している。
※追記
筆者想定どおりFOMCでの下方転換があったとしても、年内10月-12月のどこかで7月高値に向けた再チャレンジ相場が再開するのではと予想している。