異常な裁定売り残を信じて良いか?
先週9/5(木)の日経平均500円高の急騰について、市場筋では大幅に超過している裁定売り残が買い需要を加速させたとの見方が大勢を占めている。
確かに、最新データである8/30現在の裁定取引残高は、当月分の買い残4257億円に対し、当月分の売り残は1兆5597億円と記録的な売り長となっ/ている。
この当限分ついては基本的に今月9月に反対売買を行わなければならないため、自発的な買いか、きっかけがあっての買いかはわからないが、この裁定売りの買い戻しが発動された可能性はある。
裁定取引のポジション報告は、毎週第三営業日が公表日となっているため、9/5に大幅買い戻しがあったかどうかについては、9/11にならなければ判明しないが、裁定取引の株数については、翌々営業日に公表されるため、9/9(月)には株数レベルでのポジション変動がわかるだろう。
ただし、こ/のような公表される数値については、その性格上必ずしも正確ではないというか、実体を正確に表していない可能性がある。
たとえば筆者が日々集計している先物・オプションにあっても、日々の集計結果と毎週第一営業日の残高報告との差異が大きい場合がある。
また、現物株の調達手段は多様であり、ヘッジの手段も多いため、裁定取引残についても目安として見ておいたほうが良いと思われる。
特に今回の場合、裁定売り残が異常なほど膨らんでおり、買い需要が見込めるとの幻惑の創出を狙って作り出した数字であるかもしれない。(そもそも、差し引き1兆円を越すまで売りポジを進めるのはリスク管理の観点から考えにくく、素直には受け取れない? と見る。真相はわからない)
日経平均予想
さて、日経平均予想であるが、足元の日経平均については21,200円と21,000円を超えて推移していることは事実であり、この価格帯まで指数が引き上げられたことにより需給は上方向に持ち上げられ、一時的にも新たな局面に入っている。
先週末の段階では20,200円~20,700円の膠着レンジを上抜き、次のレンジとなる20.900円~21,400円のレンジに入っており、足元では200日線に頭を抑えられた形で週を終えている。
また、足元及びすぐ上の価格帯には26週線や52週線が控えており強い抵抗帯として意識されると見ている。
日経平均を動かす目先最大の材料は9/18の米FOMCとその結果を受けたダウ平均の動向である。
とりあえず、FOMCは来週であり、今週はブラックアウト期間に入ることから、目先のダウの動向は一般的な値動きを踏襲することが予想される。
一つは「初押しは買い」、もう一つは「押し目待ちに押し目なし」だ。
ただ、ダウは3空気味の窓開け上昇により、3営業日で約700ドル上げていることから、前者の目先反落、場合によってはスピード調整に入る可能性が強いと見ている。
(仮に後者となって、一段高、二段高となった場合の「押し目」は拾える押し目にはならないと見ている)
したがって、日経平均については月曜はダウの小幅上昇により、もみ合いで推移するとしても、火曜から反落となり、スピード調整入りをメインシナリオと見ている。
ただし、膠着レンジの上限を突破しても、なお上値の重さは変わらずと見ているが、実際にどうかを確認したいと思っている。
押し目目処は・・・
押した場合の押し目目処を考察する。
9/5の上昇起点は日経先物20,520円であり9/6高値は21,250円と730円となっている。
一般的な押し率である38.2%を適用すると20,971円となり、21,000円がスピード調整の第一候補として挙げられる。
ただ個人的には21,000円は押しが足りない感じがしており、今週はSQ週であり、それなりの波乱が生じる可能性があると思われることから、半値押しの20,885円または9/6の上昇始点である20,800円がスピード調整の候補として挙げられる。
この場合、週後半に向けては巻き戻しが想定されることから、筆者の想定どおりスピード調整が生じるとしたら9/11(水)までと思われ、それ以降にさらに押した場合はSQが下を指向している可能性があり注意したい。
一方、月曜のダウが反落せず続伸した場合は21,400円~21,500円までの高値示現となる可
週を通しての高安は、上値目処は21,400円~21,500円、下値目処は20,800円~21,000円と見ている。
週の前半に下値目処の価格帯までの下押しがあれば、週後半は21,000円台に乗せて推移すると予想している。(このあたりは、日々の先物・オプション手口からSQ動向をさぐっていきたい)
なお、来週のFOMC週については昨日アップした「来週のダウ予想」に記したとおり波乱の展開となることも予想される。
※追記
日経平均一目均衡表を右上に追加しました。9/11-12に雲がねじれ変化日となっている。筆者予想は上述のとおり下→上ですが難しい相場です・・・。
※追記2
9/5急騰帯(大陽線)始点を割った場合は、再度レンジ下限を試すこともあり得る点が難しい。
スポンサーリンク