また、終値で200日線を上抜けたが、本年6月も200日線を超えた後に失速しており、直近の急騰と合わせ慎重に見ていきたい局面と思われる。(詳細後述)
先日の500円高は裁定売り残の買い戻しか?
9/5の500円の急騰については、市場筋では最低売り残の高止まり(1兆5597億円)からの買い戻しが要因であったのではと推測されている。
本日、9/5の裁定取引残高(株数)の公表があった。
確かに、株数ベースで前日比売り残の5%程度が買い戻されている。金額の公表は週1回のため、時点は少し異なるが8/30の裁定売りポジション1兆5597億円であることから、裁定売りの買い戻しは約900億円程度となる。
9/5の東証一部の売買代金は約2.48兆円であり、瞬発力はあったかもしれないが、一日を通してみればそれほど大きな金額ではない。
また、日経平均の上昇に合わせて裁定買いの売りも400億円程度出ており、相殺すれば約500億円程度の買い越しとなり、潜在的な買い圧力は高いかもしれないが、当日の買い圧力がそこまで高かったとは思えず、最低売り残の記録的な売り長解消を隠れ蓑にした買い仕掛けの可能性があると見ている。
先物・オプション手口(JPXデータを集計、日中・夜間・立ち会い外を含む)
データの集計方法 → こちら
(本日は週に1回の残高公表日のため、公表のあった残高については先週末分に修正を加えています)
本日のABNのオプション手口は売り買いまちまちであり、直近の上昇に対するポジション調整を行っている感がある。
コールサイドでは、足下の価格帯ではロングコールを利益確定しつつ、ショートコールを買い戻している。また、権利行使価格の高い遠くのコールオプションについては時間経過によるプレミアムの減少を目的としたテクニカルなショート(売り)を入れている。
プットサイドでは、利が乗ったショートプットに淡々と利益確定の買い戻しを入れている。
21,500円の大口ショートプットについては、本日の残高公表で出現した建玉である。(これまで現れていなかったため、限月前に仕込んだものと推測している)
明日以降、この21,500円の大口ショートプットが利益確定されるかどうかが焦点となるが、おそらく、直下の価格帯のプットのショートが薄く、21,500円から上のコールはショートであるため、21500ショートプットについては利益確定するか、21,500ロングコールをショートに転化するかのどちらかではないかと推測している。
先物については以下の表のとおりである。
ゴールドマンサックスは週末に続き、利が乗った先物を本日も大きく利益確定し、建玉を売り越しに転換している。
Cスイスも、それほど大きな規模ではないが利益確定を入れている。9月限については17,581枚の買い越し建て玉と買い建玉を維持している。
野村證券は小動きであるが、大幅売り越しのTOPIX先物については9月限から12月限へのロールオーパーを行っている。
今後の日経平均予想
SQに向けてはいったん下に振り、その後、週末に向けて買い戻す動きをメインシナリオとしていたが、先週からの勢いどおり素直に上に振ってきた。
昨日記した一目均衡表の変化日である9/11-12にどちらの方向に動くかが焦点となる。
変化日は、それまでの流れが逆転するケースと、それまでの流れがさらに加速するケースがあるため、上に振ってきたところで迎える変化日に逆相位が生じるとは限らない。
その点に留意した上での筆者の予想は下である。
9/5の500円高を作為的に感じていることに加え、日足チャートを見るとおり、この3日間の出来高は漸減傾向にあり、足下では9/5の上昇に対する調整局面にあり、(仮に上を目指すと仮定しても)日柄不足と感じる。
また、チャート上では8月の膠着レンジを上抜けているが、月足判断では依然として下値不安から脱却していないと見ている。
したがって、昨日アップした週間予想のとおり「月曜のダウが続伸した場合は21,400円~21,500円までの高値となる可能性」が上限と見ており、本日のダウが続伸しない場合は足下の時間外高値が今週の高値になる可能性が高いと予想している。
※22:45追記
初動のダウは+20ドル高~30ドル高をうろついている。9日RSIが80%台に乗せている週初であり、今夜は特段の材料がないことから小動きになりそう。 日経先物は足下では分足20本・40本・75本MA3本が平行して上向きとなっているが、ダウが小動きの場合、3本のMAが収れんして朝を迎える可能性がある。
その場合、メインシナリオは膠着を予想しているが、先物のローリングに絡んで、変化日より一日早くどちらかの方向に動きが出る可能性がある。
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