2019-09-06

200日線のあっさり上抜けは難しいが・・・※追記あり(9/6)

本日の日経平均は113円高・21,199円。

後場にかけては利益確定売りに押されたが、大引け直前には40円近くの買いで日経平均がジャンプアップしており、週間で495円上昇した日経平均の買い戻し需要の高さを感じた。

先物・オプション手口(JPXデータを集計、日中・夜間・立ち会い外を含む)


 データの集計方法 → こちら
本日のABNのオプション手口はかなり売りに傾いている点が注目点である。

コールサイドでは、利が乗ったロングコールを利益確定しつつ、ショートコールを売り乗せしている。

買い越しの価格帯もあるが、上下どちらかをショートで挟んでおり、総体的には売り優勢の手口と見える。

一方、プットサイドでもロングプットの上乗せが目立っている。権利行使価格別の建玉では、ショートプットは2権利行使価格のみ(それも中立範囲のショート)で、残る権利行使価格は全てロングプットを建てている。

(ただし、四桁の建玉がない点は信頼性は今ひとつであり、来週四桁ショートプットを建ててくるがどうかが焦点となる)

月曜の建玉残高報告と、来週の手口でどう変化してくるか注目している。

先物については以下の表のとおりである。

ABNが大きく買い越しているのは、オプション手口が売りに傾いているためのヘッジと思われる。
ゴールドマンサックスは利が乗った先物を本日一気に利益確定しており、来週月曜の手口でどちらに傾いてくるか注目している。

Cスイスは昨日買い建てた3,304枚を利益確定し中立で週末を迎えている。

野村證券は-7,480枚の大口売り越しとなっており、内訳としてはNK225先物が売りのほとんどを占めており、1570日経レバやインパースETFの組成に伴う売りが相当分を占めていると推測する

今後の日経平均予想


本日の日経平均のローソク足は十字足となり、上値は200日線に頭を抑えられている。

200日線は、昨年秋からの急落局面からの反発時に4回にわたって上値抵抗線として強く機能しており、今回5度目の挑戦となるが、世界的な景況感の悪化が懸念される中で、あっさりと上抜けるのは難しいと見ている。

ただ、過去4回の200日線との攻防では、いったん200円~300円ほど200日線を上抜き、その後再び200日線を割ってくるダマシが生じており、もしかしたら今回も同様の経過をたどる可能性がある。

その意味で、今夜の米国市場の動きは重要である。雇用統計の結果を受けてダウが下落してくるようだと(下落幅にもよるが)来週の日経平均は21,000円の攻防を経て20,800円あたりまで下落する可能性がある。

一方、雇用統計が良好な結果となって上値追いしてくるようだと、月曜の日経平均は200日線を超えて始まることから、売り方の買い戻しを誘って200日線から上放れする勢いを見せる可能性もある。

ただ、この場合も上方には13週線~52週線が集中しており、雇用統計の良好さは50bpの利下げから遠ざかることを意味していることから上値は限定的と見ており、最も良好な結果となっても52週線21,500円付近で上値を抑えられると見る。

なお、雇用統計の結果を受けてもダウの値動きが乏しい場合は直近の上昇に対する反動安が来ると思われるが、週後半に向けては巻き戻しの上昇もあると見ている。

いずれにしても、足下の上昇は見せかけの上昇と見ていることに変わりはない。

※22:00追記
注目の雇用統計は雇用者数は+13万人増と市場予想+15.8万人増を下回った。市場予想に対しては誤差の範囲で大した違いはないと思うが、15万人を割っている点は弱いと感じる。一方、平均時給が前月比・前年比ともに市場予想を0.1ポイント上回っており底堅さを感じる。

ただ、ニュースのヘッドラインとしては「雇用者数減少」で打ち出されることから見映えが悪い点で、ドルやダウの上値追いはしにくいと見る。

となると、今夜の米国市場は週末を意識した直近上昇の利益確定売りと空売りの買い戻しが交錯する展開になりやすく、小幅な値動きが想定される。

逆に、この状況の中で、仮に今夜、ダウが三桁の動きを見せたのであれば、それがトレンド方向と意識されやすい。
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