2019-11-16

ダウ最高値更新に潜む死角※追記あり(11/16)

昨夜のダウ平均について、筆者は上値は重いと予想したが、結果は+222ドル高・28,004ドルと最高値を更新し、28,000ドルの大台に乗せて引けた。
 
筆者予想はダウの9日RSIが前日段階で99.69%まで上昇しており、短期的な過熱感があることや、日経平均が5日線に届かなかったことからそのように考えたが、これらを上回る買いの力が優勢となった。

ただ、昨夜の米国市場はSQであるため、SQ参加者が買いで一致団結し節目の28,000ドル乗せを図ったということも考えられる。(米国市場のSQは終値算出)
 
いずれにしても、ダウの昨夜の大幅高に対して筆者が懸念を感じたことは、12/15の対中追加関税の発動を前にして、米中協議は進んでいるとの両国関係者の説明はあるものの、肝心のトランプ大統領からは特段のメッセージがないことだ。

また、11/14を判断期限としていた自動車関税の発動については、トランプ氏から前日に「まもなく決定する」との発言があったまま、期限を2日過ぎても何の音沙汰のない異様な静けさがある。
 
自動車関税についての判断のみならず、この不気味な静けさが意味することはトランプ氏は何かを待っているのではないかと思われることだ。
 
一つは米国株の上昇のピーク、次には米中協議及び香港情勢に対する中国政府の出方を注視しているのではないかと推測している。
 
また、自動車関税について明らかにしないのは、これらの要因に未だ不透明な要素がある中で、米国は譲歩姿勢を示すことも、強行姿勢を示すことのどちらも、得策ではないと考えているのではないか。

米中首脳会談の舞台となる12月に開催予定のAPECについては、開催時期・場所ともに未決定である。
 
12/15の対中追加関税発動前の開催が成り行き上、最も妥当かつ理想的であるが、開催までにはまだ1ヶ月近くの時間的な猶予があり、トランプ氏がツイッターにより揺さぶりをかけてくる時間の余裕は十分にある。
 
また、ダウの持続的な上昇のためには28,000ドル乗せや上昇期間の長さが一つの節目に来ていること、12/15到来まで1ヶ月を切ったことなど、いったん相場を冷やす時期には来ていると見ている。

時に、先週の上海総合指数は、ダウ平均の好調さとは裏腹に週足レベルでも三角保ち合いを下放
れており、下支えとなる52週線まであと僅かに迫っている。

これも筆者の憶測であるが、トランプ氏としても、年内の決着を望んでいると思われるが、仮に米中協議や香港情勢が米国の思い通りに進展しないのであれば、12月に開催予定のAPEC(米中首脳会談)については開催せず、1月に順延することも視野に入れた空砲を順に撃って、市場を震撼させるのではないかと推測している。

仮に12月の米国でのAPEC開催が難航するようであれば、ヘッドラインだけで市場は混乱し、上海株の下げ止まりを企図する中国政府への圧力となり得る。

いずれにしても、米中協議の具体的な進展が明らかになっていない中、進展期待だけでダウを最高値更新まで買い上げるのは、売りしろをつくるための上昇のように思えてならない。

よって、ダウ平均についてはSQの高値通過により調整入りするか、目先はモメンタムの強さから買われても長続きせず、仮に高値追いの継続は反落時の市場の混乱を大きくする、売り方にとっての好都合の状況になりかねない可能性があると見ている。

※22:00追記
少し古い話になるが、9/24の日経新聞電子版で、日銀・黒田総裁は世界景気の持ち直し時期が想定していた年後半から来年にかけてより遅れる可能性を指摘していたことを思い出した。その意味でもダウの上昇よりも、上海総合指数が現状をよく表しているのではないかと思う。 9月決算も「底」にはちがいないが、「底入れ」したのかはグレーだと感じる。 11/19(火)の決算一巡で総括され、本格織り込み開始?
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