2020-09-20

解散総選挙と株価動向について(9/20)

解散総選挙については、自民党総裁選のあたりでは喧しくマスコミを賑わしていたが、管内閣誕生とともに急速に萎んだ気配が漂っている。

果たして、噂されていた10月初めの解散総選挙を経て10.25投開票の総選挙が行われるのか、株価動向から推察してみたい。

まず、解散総選挙が行われる前提として、株価の急落が生じる必要があると筆者は考える。

逆説的に言えば、株価の急落がなければ解散総選挙が行われる可能性はかなり低下すると見ている。

株価が高ければ政策発動の必要性が薄れることが要因の一つであるが、それ以上に政府与党が恐れることに株価の急落が挙げられる。

政府与党が最も理想的な株価動向としては、国会解散で安値をつけ、選挙での論戦や選挙公約として打ち出される経済対策によって投開票日に向かって株価が大きく上昇するパターンである。

この最良パターンとは逆に、当開票日に向けて株価が急落するパターンは最も避けなければならない。

したがって、直近で解散総選挙が行われた場合の投開票日として最有力視されている10/25に向けて株価が上昇するパターンに持ち込むことができる状況下にあるかどうかが焦点となる。

翻って、足元の日経平均は23,200円~23,500円と今年の最高値近辺にあり、3月安値から6,000円の上昇となっており、この上昇幅6,000円は年間の上昇値幅としてはほぼ上限にあると見ている。

即ち、年間値幅の観点や株価水準から考えて、足元ではさらに上昇する展開よりも、いったん押し目をつける展開を想定せざるを得ず、株価が下がらない中での解散総選挙断行は、投開票日までの間に株価が大きく下落する可能性を孕んでいる。

一方、解散総選挙が未確定な要因であること対して、確定している事実として11月3日の米国大統領選挙がある。

大統領選挙投票日に向けては、トランプ大統領の選挙戦術によって株価は堅調に推移すると見ている市場関係者が多く、足元の米国株の調整は10月の堅調相場に向けての下慣らしである可能性があると筆者も感じている。

そして、最も重要なことは、米国株については9/3高値から足元の下落に伴う安値まで約2,000ドルの下落となっているが、同期間の日経平均についてはほとんど下落していないことが挙げられる。


即ち、日経平均は、近く調整終了により反転攻勢をかけるであろう米国株に追随して再度高値追いに入ると見られ、政府与党による政策発動の機会が与えられないまま短期上昇に移る可能性がある。

また、米国大統領選については、かなりの接戦となることが想定され、選挙戦後半では選挙結果への不透明感が台頭し、今後起きるであろう上昇に対する利益確定売りが出てくる可能性も考えられ、大統領選の10日前の当開票日となる10.25解散総選挙にはリスクがあるのではないかと見ている。

加えて、現時点での管内閣の主看板が行政改革であり、経済対策についての政策が出遅れていることも総選挙を打ち出しにくいものとなっており、看板の掛け替えにはしばらくの時間と環境整備が必要と見ている。

したがって、目先、日経平均が1,500円~2,000円程度下落する急落があれば事態は急変する可能性があると見られるが、現時点ではその予兆は乏しく、下落があっても通常の押し目の範囲と見られることから、大統領選までの間に解散総選挙が行われる可能性はかなり低下していると見ている。

やはり、解散総選挙は、来春の新年度予算が成立し、企業業績の回復予想から株価が明確な右肩上がりを続ける頃に打つのではないかと予想している。

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