◎今週の予想
日経平均の見通しについては、基本的には昨日アップした " 大統領選トレードも最終盤?:11/9週のダウ平均予想 " に準じた値動きになると見ている。
日経平均週足チャートを見ると、先々週に26週線が52週線を上抜くゴールデンクロスを示現した後に、上方に位置する13週線を割り込みゴールデンクロスがダマシかと思わせた後、すかさず切り返して大陽線を立てた。
この動きから、26週線と52週線とのゴールデンクロスが明確となり、ここから大きく崩れる懸念が遠ざかったと見ている。
ただし、かねて記しているとおり、TOPIXが日経平均に対して大きく出遅れている点は懸念でもある。
具体的には、先週末時点で、日経平均は2020年初めにつけた高値を奪回しているのに対し、TOPIXは80ポイント近く劣後している。
これは日経先物の上昇に東証一部上場企業全体の企業収益が追い付いていないことを示しており、依然として投資家が日本経済の回復に対して自信を深めていないことを現している。
要は、米国株高により日経先物が吊り上げられる際に、とりあえず日経平均採用銘柄である225種の気配値が上がり、225種に採用されていない銘柄については現物買いが入らない不均衡が常態化していることになる。
今後、日経平均が大きく上昇していくためには、TOPIXの底上げ(東証一部企業全体の収益改善が地場の中小企業に波及すること)が必要になる。
ただ、今年初めに生じたコロナ禍により未曾有の危機に落ち込んだ企業収益は徐々に回復基調の兆しが見えていることから、今後、この動きを政府・日銀が着実に支援することができれば来年は一転して明るい年になると期待される。
前置きが長くなったが、今週の日経平均については、週初は米国株高により空売りの踏み上げが続くことが想定されるが、昨日記したとおり、大統領選トレードによる先物の仕掛けの一巡が近づいており、直近急騰の需給整理が起きると見ている。
なお、大統領選の開票結果については米メディアらよるバイデン候補の勝利が伝えられており、目先、一段高が想定されるも材料出尽くしにより、いったん利益を確定する動きが広がると見ている。
したがって、今週の日経平均の高安目処については、上値目処が週初24,500円~24,600円、下値目処が24,200円~24,300円と見ており、今週末の東京市場のSQに向けて週央に売り仕掛けが出てくるかどうかが焦点となる。
(週央には先物に売り仕掛けが入って下押すと見ているが、売り仕掛けが入らない場合は週末SQまで高止まりが想定される)
◎今後の予想
個人な見通しとしては、先週末の先物手口に見られた買いはバイデン候補の勝利を想定した買いであり、24,500円接近ではこれらの買いが利益確定されるとともに、売り仕込みをする可能性があるとみており、今週の先物手口の着目点と見ている。
なお、現職トランプ大統領が法的措置により混乱を与える可能性が指摘されているが、既に想定されている事柄であるため、市場の反応は限定的と見ており、仮に筆者想定の反落が起きるとすれば、大統領選の不透明感よりも直近上昇の需給整理が要因と見ている。
そのため、今後、反落した場合にあっても安値目処は24,000円での底堅さを確かめることとなり、仮に24,000円を割り込んだ場合は6週線23,600円処がサポートすると見ている。
反落した場合の日柄については2週間程度の11/20あたりが変化日になると見ており、11/23(月)の東京市場休場がポイント(変化日)になると見ている。