◎今週の日経平均予想
週末の雇用統計(雇用者数変化)は市場予想を下回ったものの、ダウ平均を初めとする主要3指数は関心を示さず高値更新で引けた。
ダウ平均は+248ドル高と強く引けているが、日経先物は現物指数の大引けに対して70ドル高と上値が重く推移している。(東京時間のダウ先物を考慮しても上値が重い)
これが海外先物筋の動向を現したものであるかどうかは、月曜以降の日経平均の動きを見なければわからないが、素直に見るならば、直近の日経平均上昇幅の大きさから上値追いに慎重になっていると見ることができる。
日足チャートでも、土曜朝の5:30まで取引されている日経先物チャートは、ダウ平均が最高値更新しているのに対し、高値更新できずに団子天井となっている。
また、MACDも緩やかに下落しており、金曜ナイトの動きが継続するならば、目先はもみ合いから徐々に弱含みとなることが想定される。
週間の先物手口合計においても、ソシエテ・バークレイズの買い方筆頭はそれぞれ-4,066枚・-3,345枚の売り越し(日経先物+TOPIX先物の単純合計)と利益確定売り姿勢を強めており、今しばらく利益確定売りの流れが続くものと見ている。
ただ、売り方の買い戻し余力も大きく、下げたところではすかさず買い戻しが入りやすい需給にあり、大きくは下げづらく、レンジ内のもみ合いが続くと見ている。
なお、目先、騰落レシオが110%超となっており、騰落銘柄数が同数であったとしても12/8(火)には騰落レシオが127%まで上昇することから短期的な警戒感が生じやすい局面となる。
ただ、金曜の記事に追記したとおり、12/9(水)以降は、25営業日前の8連騰による2,000円を超える上昇期間が騰落レシオの算定範囲から順次外れ、騰落レシオは上げにくく下げやすい環境となることから、過熱感が払拭される可能性があり、週前半に弱含みとなれば、日経平均は再上昇に向かう可能性がある。
これらのことから、日経平均の今週の予想レンジについて下値目処は26,400円~26,600円、高値目処は週末SQ日に27,000円~27,100円と見ている。
(なお、今週の先物筋は期近から期先へのロール主体の動きが予想されることから、中心値は26,600円~27,000円と見ている。ただし、俗にいう「魔の火曜日・水曜日」など、ロールに絡んだ売り崩しがあれば下ブレも?)
◎今後の日経平均予想
最近の日経平均は "29年ぶりの高値" の文字が踊っているとおり、急速な上昇を示現しているが、直近上昇値幅の大きさや季節要因を考慮すれば、目先に一段高を達成した後に調整期間に入ると見ている。
目先に到達しうる高値としては、下図の1991年3月に示現した27,173円が目標値となりやすく、仮に1991年3月高値をクリアできずとも肉薄する水準に到達すると見ており、ザラバ27,100円~27,200円示現の可能性を感じる。
日柄的には今週末の東京市場SQまたは来週末の米国市場SQが相当とみている。
ただ、過度な楽観に傾いた局面では米国大統領選出の不透明感や感染者増大による経済活動制限への思惑による急落が起きやすく、注意が必要と見ている。
なお、日経平均の高値到達後は、下図の想定イメージの通り25,400円または24,000円を一時的に割れる急落が起きやすいと予想している。
先物手口の推移では、買い方筆頭のソシエテは9月中旬には16.7万枚まで買い建玉を拡大していたが、足元では利益確定売りにより8.5万枚と半分までポジションを圧縮している。
また、直近の大幅上昇により、依然として巨額の含み益を有していると推測されるため、売り方に高値で買い戻させた後は急落を演出し、再度の仕込みを狙うのではないか?と見ている。
いずれにせよ、これらの下値目処については事態が動いた際に再度詳細に考察していく。
※22:00追記
なお、筆者予想に反して日経平均が目先27,000円を明確に超えた場合には、想定している最大の深押しはなく(一般的な押し目の範囲で)、四半期足に付記した次の節目となる33,595円を目指す展開に入ると見ている。