週末・金曜のダウ平均は-179ドル安・30,996ドルと比較的大きめの下落となった。
各種相場解説によれば、バイデン米大統領が提案する1.9兆ドルの追加経済対策への反対の声が民主党内からも上がり、法案早期成立の不透明感が強まったとのことが要因とのことであるが、既に日中の東京市場から大きく売られており、直近の上昇に対する週末売りであった可能性が高いと見ている。
ただ、昨日公表のあった米12月中古住宅販売件数が676万件と予想の655万件を上回り、米1月マークイット製造業PMI速報値、同サービス部門PMI速報値も予想を上回る強い結果となったことから、寄り付きでの下押し後は急速に買い直される形となった。
ダウ平均の1時間足チャートから来週の動向をさぐる。
1時間足からも、直近は週初の上昇に対する時間の調整(もみ合い)に入っていたものの、週末要因による利益確定売りが嵩んだように見える。
また、足元では20EMA-40EMAを割り込んでいることや、MACDがゼロラインから下で推移していることから、週初に回復できない場合には、直近のもみ合いでの買い方による売りが出やすい状況となっていることから、下押ししやすい需給にあると見ている。
節目となる下値目処については、チャートに付記したとおり、30,800ドル・30,600ドル・30,400ドルが順に試されると見ているが、特段の悪材料が噴出しない限り30,600ドルを大きく割って売れ込まれることは考えにくいと予想している。
ダウ平均・ボリンジャーバンドにおいても、基準線が30,600ドルに位置していることから、目先は30,600ドルまでの下落があればいったん反発に移ると見ている。
したがって、来週1/25週のダウ平均の予想レンジは30,600ドル~31,200ドルと見ている。
なお、下方向へのオーバーシュートがあれば30,400ドル到達の可能性があるが、おそらくは下ヒゲで返ると見ている。(30,400ドルを明確に割り込んだ場合は、-1σまでの下落があり得ると見ており、短期的な上昇トレンドが終わった可能性が生じる)
◎今後のダウ平均予想
足元のダウ平均は、下図・週足チャートに見るように、2018年から始まった中期上昇トレンドのレンジ上限に位置していると見ている。
したがって、今後、比較的短い時間軸の中で短期的な高値を打ち、レンジ下限となる28,000ドルまたは52週線が延びてくる27,500ドル付近までの調整期間に入る可能性があると見ている。
価格調整となれば3ヶ月程度、時間調整(日柄調整)となれば底打ちから反転までに6ヶ月~9ヶ月程度を要すると予想している。
(なお、繰り返しとなるが、足元は中期高値をつけたか、今後、高値をつける仮定にあるかのどちらかであり、後者であれば31,500ドル~31,800ドル示現の可能性を残していると見ている)