◎今週の予想
基本的には、昨日アップしたダウ平均予想と同様の値動きを想定している。
ただ、先週も記したように、2月~3月にかけては決算発表の一巡感や3月期末を見据えた利益確定売りが出やすい時期である。
また、日経平均も3万円に届く距離まで近づいており、より利益確定売りが出やすい環境にあると見ている。
なお、先週公表のあった投資主体別売買動向では、海外投資家が現物・先物合わせて8,500億円を買い越し、日経平均を1,115円上昇させた。
現物については1月に入ってから買い越し基調が続いていたものの、先物は売り越しとなっていた、ここにきて現物・先物の揃い踏みの買い越しとなった。
日本経済の底堅さ(一部上場企業の収益力の高さ)への再認識もさることながら、海外投資家は昨年2020年は下表のとおり、現物・先物合わせて5兆円を売り越していることから、買い戻し機運が発生していると見ている。
また、2月第1週の大幅買い越しにもかかわらず、本年に入ってからは現物は8,388億円買い越しも、先物は-5,569億円の売り越しとなっており、依然、短期的にも先物の買い越し余地が生じている。
ただ、2月第1週の買越額が1兆円に迫る大きさのため、目先は買いもどし一巡感が生じると見ており、後述する買い遅れ組の買いを誘った後はいったん利益確定売りに傾くと見ている。
なお、日経平均騰落レシオは先週木曜以降120%超が続いていることに加え、短期動向の目安となるRSI(9)についても80%超となっていることから、短期的には上値が重くなる可能性が高いと予想している。
なお、RSI(14)については60%近辺であり上値余地が感じられるため、もうしばらく上昇が続くとの見方もできるが、RSI(14)が上昇した場合には上昇相場のいったんの終焉になりやすいため(3月SQまでは高値が続くと見ていることから)、足元では直近の過熱感を冷ます下押しが入る可能性が高いと見ている。
先週の日経先物の週間手口においても、大幅買い越しは目先売り越していたABNアムロや、BNPパリバ(表には加えていない)であり、買い方のソシエテやバークレイズは売り越しか、または売り買い交錯の値幅取りに動いており、少なくとも現水準では買いを積んではいないと思われる。(JPモルガンは例外的に買いを積んでいるが・・・)
したがって、今週の日経平均については週初は高いか、もみ合いの動きが続くと見ているが、週央から週末にかけては米国市場の反落に付き合う展開になると見ている。
今週の日経平均の予想レンジは高値は29,700円程度、安値は29,000円~29,300円と予想している。
◎中期日経平均予想
先週の当欄では、日経平均は29,000円を超えずにいったん反落し、6月に二番天井を打つと予想していたが、TOPIXの上昇を伴って29,000円大台を明確に超えてきたため、日経平均は新たな需給に持ち込まれた可能性が高いと見ており、6月SQを目途に31,000円~32,000円を目指す動きと思われる。
ただ、目先については、上述並びに日々予想にも記しているように、若干もたつく動きを想定している。
下表は投資主体別売買動向から主要な投資家を抽出した表である。
年金基金の売買動向が反映される信託銀行が1月の4,389億円の売り越しに続いて、2月は第1週のみで1,538億円を利益確定しており、単純に2月の4週間を同規模で売り越した場合、1月を越える6,000億円を売り越す可能性がある。
(上図は先週掲載した年金基金のポートフォリオであるが、国内株・外国株(米国株の比重が高い)ともに上限の25%に近く、買い増す局面ではないと見ている)
また、個人現金も2月第1週は4,000億円近くの利益確定に動いている。また、表には含めていないが、投資信託は1,000億円を売り越しており(客注によるものか、運用者による利益確定売りかは不明であるが)、30,000円手前は、目先買い増す水準ではないと考えていると思われる。
(バリュー株の上昇も胸突き八丁に来ており、いかにも利益確定を望む水準まで上昇している)
一方で、個人信用は売り越しながら売り幅は少なく、実質的には売り買い交錯と思われ、1月の買い越し3392億円に次いで買い姿勢になっていると見ている。
また、日経先物についても、個人投資家の売買動向が現れると見ているSBI証券や楽天証券の先週の手口は買い越しが目立っていることから、2月第2週以降は「海外投資家売り・個人信用及び先物買い」の様相となっている可能性があると見ている。
そのため、上述の需給要因に加え、海外投資家による梯子外しの下落が起きても不思議ではないと見ており、個人の買いには警戒が必要と予想している。
したがって、目先は日々予想に記しているとおり、29,100円程度が第1目処となると思われるが、ここを割れた場合は29,000円を割れ、28,700円~28,800円(SQ値29,720円の1,000円安・6週線28,772円)の振るい落としの安値示現の可能性があってもおかしくないと見ている。
その後は、3月SQでの30,300円~30,500円への上昇後、30,000円での値固め後に6月SQに向けて31,000円~32,000円、または33,000円に向かうと予想している。
ただ、6月SQ後は中期的な調整相場に入り、10月~12月にかけて冴えない展開が予想されるが、下値目処は30,000円~31,000円での日柄調整を見ている。
これまでも日経平均の重要な高安はメジャーSQが強く関わっており、今回も同様の動きになると予想している。