2021-02-07

今週及び今後の日経平均予想(2/7)

◎今週の予想
 
金曜のブログにおいて、今週の日経平均を見通す上で、先週金曜の時間外にて日経平均が29,900円に近接して返ってくるか否かが焦点と記した。

結果、日経先物は28,720円でタイムアウトとなり、取引時間が少し長い日経平均CFDは先物+60円の28,784円でタイムアウトとなった。

時間外の終値ベースで見る限り、金曜の終値との差はCFDで+5円とほぼ同額であり、ギャップアップとはなっておらず、順当であれば、月曜は28,800円から上下に100円程度のもみ合いと推測され、その後は週末SQに向けた仕掛けが出てくるかどうかが焦点と見ている。

(ただ、月曜の寄り付きにてダウ先物を買い、日経平均先物の寄り付きを吊り上げる動きが出た場合には売り方の買い戻しを誘う仕掛けの可能性があり、目先、日経平均は29,000円手前まで上昇する可能性がある点は注意したい)

おそらくは無風で終わるのではないかと見ているが、今週はマイナーSQながら、SQ週特有の歪んだ価格形成が行われる可能性があるかもしれない。(歪みはSQ通過後に修正される可能性ありと見ている)

いずれにしても、週末のダウ平均に一服感が仄見えていることに加え、昨日アップしたダウ平均の週間予想に記したとおり、ダウ平均は中期上昇トレンドのレンジ上限に位置している可能性が高いことから、目先のもみ合いを経て調整に向かうと予想している。

そのことから、日経平均についても、目先は29,000円手前でのもみ合いが有力と見ており、仮に29,000円に乗せたとしても持続的な上昇に結びつくことは難しいのではないかと見ている。

今週の日経平均の想定レンジは28,500円~28,980円と予想しており、週初は28,700円~28,980円と見ている。

なお、これまでも何度か記しているとおり2/12(金)~2/16(火)は変化日の可能性がある点に留意したい。



◎今後の予想(中期予想

東京市場が「官製相場」と言わて久しい。

実際、東京市場の主な買い手は「日銀」と「年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)である。

下図が昨年・2020年3月の主な投資主体別売買動向である。

なお、「信託銀行」は年金基金の売買動向を映すとされている。



日銀ETF(数字は丸めてあります)と信託銀行とで2兆円を買い越し、個人現金が1兆円を買い越し、海外投資家の売りを吸収しており、政策的な安定感のある買い方と日銀ETFと年金基金は日経平均の買い方としての存在感をサー示している。

(なお、個人現金は昨年11月に約1.8兆円を売り越している。長期投資分や塩漬けのヤレヤレ売りもあると思われるが、おそらく3月買いの半数程度は利確に回っていると推測している)

ここで話は少し逸れるが、先日公表のあった昨年末現在の年金基金(GPIF)のポートフォリオは下図のとおりとなっている。


年金基金は運用総額の50%を株式運用しており、そのうち50%(全体の25%)を外国株式、残り50%(全体の25%)を国内株式に運用している。

表は昨年末現在の残高であるが、国内株式は上限近くの24.06%を保有している。

また、(荒っぽい試算ではあるが)直近の運用報告から推測する含み益増加率は、日経平均1,000円上昇で概ね1.3兆円が増加しており、昨年末から足元では日経平均は約2,000円上昇していることから、現時点では2.6兆円が増加していることになり、そのうち1月に5,000億円近くを売却していることから、1月末時点での国内株式持ち高は42.5兆円と推測される。

この試算に基づけば、足元の日本株式の保有割合24.7%となり、上限の25%により近づいていることになる。

また、外国株式の比率は昨年末時点で25.88%と上限の25%を超えており、持ち高調整をせざるを得ない状況となっている。

なお、年金基金では、表中にあるとおり調整率として±8%の超過を想定しているが、25%を超えて買い進むという理屈はなく、持ち高調整に入らざるを得ないと見ている。

ちなみに、本年1月の月間・投資主体別売買動向は下図のとおり、海外投資家は現物は買い越しも先物についてはダブルスコアの売りを出しており、信託銀行(年金基金の比率が高い)も5,000億円を売り越している。



また、個人現金も換金売りに動いている一方、表には含めていないが『個人信用』が5,459億円を買い越しており、海外投資家売り:個人信用売りとなり、アノマリー的にやや警戒が必要な局面と見ている。

これは筆者の推測であるが、年金基金にとっては、国内・外国株式ともに上限の25%近くを有している現状では、前述のとおり、ここから買い増していく選択肢はなく、むしろ利益確定に向かい、保有比率を23%~24%他程度に圧縮して次の買い場に備えるというか、多少、皮肉めいてはいるが、日経平均の下落を演出する立場に回るのではないかと見ている。

(年金基金は、年金財政の健全化のためにも、高いところは利益確定を行って現金比率を高め、次の安値で買い仕込むことは妥当な戦略である)

なお、海外投資家は昨年2020年に現物・先物合わせて5兆円を売り越している現状からは、年金基金の売りに対抗して買いをぶつける主体は見当たらないのではないかと見ている。

また、2月中旬~3月中旬にかけては「持ち合い株」(だいぶ減少してきたが、まだまだ売り余力はあると見ている)の解消売りが出やすく株価を押し下げやすい季節要因もあることから、いったん売りに傾いた場合は、売りに拍車がかかる展開になる恐れもあると見ている。


次の価格の目処に触れてみたい。

少し長期の日経平均・週足チャートは以下のとおりである。


チャート上のチャネルラインは、2016年安値14,865円を始発点とし、筆者の感覚で引いたものである。

現状のレンジ上限は27,000円、下限は23,800円程度となり、足元ではレンジを超えており、買われすぎと見ている。

仮に筆者想定どおり軟調な展開となった場合、26週線が今後上昇してくることから、26,000円が下値目処と見込まれるが、仮にここを割れた場合は52週線の24,000円付近もあり得ると見ている。

日柄的には目先、3月中旬まで下落すれば6月SQ付近までは高く(二番天井)、その後、急落があれば9月SQが転機となりうるが、日柄調整を考えれば12月SQが出直しのポイントとなりやすいと予想している。

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