週末・金曜の米国市場は、一服では?と見ていたダウ平均が寄り付き直後に急伸し、5日連続で最高値更新となる一時307ドル高まで上昇し、終値も293ドル高(0.90%高)の6日続伸となった。
週末要因から利益確定売りが優勢と見ていたが、買い仕掛けによる売り方のリスク回避が指数を押し上げたと見ている。
一方、ナスダック総合指数は、直近上昇によるヤレヤレ売りにより、寄り付きからギャップダウンで始まり、その後は売り方の利益確定の買い戻しや値頃感からの押し目が入り、値を戻したものの、3分の2戻し付近でタイムアウトとなり、0.59%安と反落して引けた。
ダウ上昇にもかかわらずナスダックが下落するワケ?
このところ、ダウ平均の強さに反してナスダックの弱さが際立っているが、単純に資金循環の成せる技ではないか?と見ている。
下図はナスダック総合指数の週足となるが、昨年3月の大幅下落に対して急速に切り返し、今年2月までに下落幅の2倍強の上昇となっている。
一方、ダウ平均については、下図のとおり昨年3月の下落幅に対し未だ倍返しも達成していない。
したがって、先行して上昇したナスダックに対しては利益確定売りが優勢となり、ダウ平均については出遅れ感から買いが入る『ナスダックからダウ平均への資金ローテーション(リターンリバーサル)』が起きていると推測している。
ただ、ナスダックに利益確定売りが入っているということは、投資家の一部は割高感(理想買いの終焉)を感じていると言うことであり、ダウ平均はナスダック総合指数との比較において買われているに過ぎず、目先、ナスダックが到達した直近高値となる3月下落幅の2倍強の水準まで上昇を続けることについては疑問である。
また、目先の株価動向については、足元の需給に大きく左右されることから、出遅れ感だけでは買われにくいと感じる。
3/15週及び今後の米国市場予想
ダウ平均の日足ボリンジャーバンドは、引き続き+2σをサポートとする短期上昇トレンドに入っており盤石の態勢のように見える。
ただ、MACDは11月の高値水準に近づいており、週初は上昇の余韻を残す可能性があるものの、直近上昇の急ピッチさからは、基準線付近への急落を挟んでも不思議ではないと見ている。
また、3/15週はFOMCを始め、週末のトリプルウィッチングを控えていることから、週央が近づくにつれ、直近の利益を確定する動きが入ると見ており、その動きが急激であれば来週も余波が続く可能性がある
ナスダック総合指数については、下図の日足チャートのとおり、足元は直近下落の半値戻しに達しようとするところであり、25日線では上値の重さが意識されると見ている。
また、MACDがゼロラインまで戻していることからも、いったんは戻りの達成感が出やすい水準となっている。
また、ボリンジャーバンドも両端が拡大から下降に移りつつあり、仮に筆者想定のとおり、今週の価格が反落した場合、バンド全体が下向きに変化すると推測され、価格も直近安値を下抜く可能性があると見ている。
仮にナスダック総合指数が、直近ダウ平均の+11%高水準まで下押しするとなると約11,000ポイントが算出されるが、実際的には22%と11%の中間値・16%程度の11,500ポイントが下値目処になると見ている。
一方、ナスダック総合指数の+22%水準をダウ平均に当てはめた場合には36,000ドルが算出されることから、短期的な調整を経過した後、ダウ平均は中期的に36,000ドルを目指すと見ている。
※19:10追記
なお、週末の米トリプルウィッチング(メジャーSQ)では、当然のことながら、次の指数の先物・オプションが期限を迎える。
・S&P500
・NYダウ平均
・ナスダック100
したがって、それぞれに異なる方向のポジションを画策するとは考えにくく、最終コーナーでは3指数ともに同方向に動くと思われ、直近で大きく切り返しているだけに米国時間の「魔の火曜日、水曜日」は要警戒と見ている。