2021-03-12

今後の日経平均予想(3/12)

本日の相場概況


本日の日経平均は、SQ値が29,282.415円と思ったほど伸びなかったことから、寄り付き直後に、いったん前日終値付近まで売られた

その後は下値が固く推移したことから買い戻し優勢となり、+506円の意外高・29,717円での大引けとなった。

ただ、これまで強かった東京時間のダウ先物は弱く、最も高い時間帯で+150ドル程度高と精彩を欠いていたことから、日経平均の先行きについては依然、波乱含みの可能性があると見ている。

なお、東証一部の概況は以下のとおり。


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 日経平均  29717.83 +506.19  TOPIX      1951.06 +26.14
 出来高    15.8億株 
 売買代金  3.62兆円 

・RSI (9)  日経平均 55.17
         TOPIX    72.36 *

・RSI(14)  日経平均 47.13
        TOPIX    54.00

騰落レシオ 114.40



日米市場の現況と今後の予想


(米国市場)


昨夜の米国市場は、筆者予想のとおり、ナスダック総合指数が寄り付きから強い動きを見せてギャップアップ上昇となり、ダウ平均は寄り付きこそ、もたついた動きとなったが、ナスダックの勢いに引きずられ反発継続となった。

なお、ナスダックはギャップアップ上昇の後も高値を維持して引け、+2.52%の大幅高となった。

まず、ダウ平均のボリンジャーバンドから見ていく。



+2σを上回り+3σに到達しており、想定以上の強さとなっている。

ただ、上ヒゲの短いコマ足となっており、MACDも程良い位置まで上昇しており、目先は一服が想定される。

目先は+1σまでの下押しが相当と見ているが、+1σ~2σでの底堅さを見せてくるかが、次の焦点と見ている。


次にナスダック総合指数のボリンジャーバンドを見ていく。



昨日、基準線までの戻りを想定したとおり、昨夜の上昇により基準線に近づいてタイムアウトとなった。

MACDについても、昨日、ゼロラインまでの上昇を想定したとおり、ゼロラインへの戻りを試している。

今晩以降、いったんゼロラインに達した後に反落し、再度MACDは下降を始めると見ており、価格もボリンジャーバンドり基準線に頭を抑えられると見ている。

ただ、ボリンジャーバンド・基準線や、想定どおり下押しとなっても-1σでの底堅さを見せてきた場合は見通しの変更が必要になるかもしれないことから、引き続き動向を注視したい。

なお、ナスダック総合指数・60分足チャートは以下のとおり、レジスタンスラインをいったん上抜けてきたが、直近のダブルトップ・13,600ポイント(200ポイント上方)を明確に超えない限りは弱気継続と見ている。(13,600ポイントを超えたら強気転換の可能性が高まる)







(東京市場・日経平均)


経平均については、先物手口とABNアムロのオプション手口から見ていく。

先物・オプション手口集計・考察

  データの集計方法の詳細 → こちら
  先物・オプション手口集計(先行更新) → こちら 
(本日は4月限オプション手口の公表初日のため、手口のみの紹介となります)



注目のゴールドマンは-2,627枚売り越しで、建て玉は4.4万枚の買い越し。

ただ、3月限については、前日段階で3万枚近くの売り越しがあり、この分については、何らかの手当てがされていると思われるため、実際の建玉については月曜の残高報告を見るまでは判明しない。

Cスイスは631枚の小幅買い越しと、引き続き様子見を続けている。おそらく、来週の米FOMCを睨んでのことと思われる。

買い筆頭のソシエテも1,182枚の売り越しと指数の大幅上昇とは対極に売りを出している。

大口では唯一、野村が3,612枚の買い越しとなっており、いつもどおり野村の買い手口には要警戒と見ている。(発注者が国内勢なのか、海外勢なのかはわからないが…)


ABNアムロは、先物売り越し、オプションは高値警戒ながら下値も限定的と見ていると思われる。




今後の予想 


冒頭に記したとおり、本日の日経平均は買い戻し優勢となったものの、昨日までは東京時間におけるダウ先物が日経平均を牽引していたが、本日のダウ先物は日経平均上昇幅の3割程度高と精彩を欠いており、これまでのトレンドに変化が起きている可能性があると見ている。

日経平均の日足チャートでは、本日の終値は25日線を久しぶりに上回った引けたものの、拡大型の調整波動の上端に位置しており、依然として調整波動が継続している可能性も捨てきれない。



また、上述の米国市場の考察で記したとおり、ナスダック総合指数が底を入れたと見るのは時期尚早と見ており、本日の東京時間におけるダウ先物が緩慢であったことを含めて、楽観への傾斜は時期尚早と見ている。

目先の焦点として、60分ベースのMACDが直近1ヶ月の高値位置まで上昇しており、目先はどのような形で過熱感を冷ましていくかが焦点となる。

仮に時間の調整となれば、目先は29,295円(現物225・29,480円付近)までの調整となるが、価格の調整となった場合は本日上昇の全値戻しから1.168倍が想定され、この場合、直近2週間のもみ合い価格帯の29,100円(現物225・29,280円付近)を割り込むことになりかねず、再度下値模索の動きが警戒される。





日経平均・波動カウント


筆者の本日の日経平均・波動カウントについては、引き続き「目先の安値は未到達のケース」と、「二番底さぐりケース」の2通りを想定している。

「想定1」の細かな波動については計算(想定)に長時間を要するため、掲載はイメージのみにとどめさせていたが、上述のとおり、本日上昇分の全値戻しまたは1.168倍押しとなった場合は29,000円~29,200円の下値余地が生じる。

また、仮にここを下回った場合は目先的にも28,600円到達を想定している。



「想定2」については、引き続き昨日掲載のカウントから変更はなく、3/5安値・28,290円で底打ちし、現在は28,700円~29,700円のもみ合い、または上昇進行中と見ている。

ただ、目先は「想定1」同様に値荒い動きを想定しており、28,700円を割れた場合は28,300円を試す展開を想定しており、上昇トレンドに乗るまでには依然として時間を要すると見ている。

※18:50追記

本日の空売り比率、特に「価格規制なし」が18.2%と極めて高く「価格規制なし」が27%と平時と比べて低い。なお、「価格規制なし」の空売り比率が低いのは、逆に買いを入れていると思われ、相場の先行きに対する強弱感の対立が見て取れる。

今夜以降、上振れとなれば本日の規制なし・空売り勢が買戻しを余儀なくされ、逆となれば買い方の処分売りとなり、空売り比率からも本文の考察同様に、値幅を伴う変動が起こりやすいことが想定される。

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