昨夜のダウ平均は、注目の米雇用統計が市場予想を大きく超えて増加したことから、売り方による買い戻しが一気に進み、+572.16ドルの大幅高となり、ダウ終値も31,496.30ドルと2月の保ち合い水準近くまで戻して引けた。
特に、ADPの結果が思わしくなかったことから、不意を突かれるサプライズとなり、週末要因による買い戻しも加わったと見ている。
60分足チャートでは直近下落の半値戻し水準に達しているものの、この先は61.8%戻しと、上述の2月の保ち合い水準30,700ドル付近の節目価格が重なっていることから、仮に、週初、上値を試すことになったとしても、この水準(30,700ドル)に近づくにつれ、上値が重くなると見ている。
なお、ダウCFD日足チャートでは、直近、足の長いローソク足が目立っており、5日線が下向きであることに加え、目先、30,700ドルから上が重いとの想定の下では、依然として基調は下向きであると見ている。
(取引時間の長いCFDのため、ローソク足が長くなる傾向はあるが、それだけ世界の株式市場がボラタイルな値動きとなっていることを示していると考えられる)
また、下図はダウ平均CFD240分足チャートであるが、(筆者の感覚でトレンドラインを引くと) 上値は上述のとおり30,700ドルがレジスタンスラインとなっているが、下値は切り下げ型の拡大波動となっている。
したがって、引き続き基調は下落優位であるとともに、振れ幅の大きな値動きになると予想しており、米国市場の影響を最も受けやすい日経平均の値動きには注意が必要と見ている。
ナスダック総合指数については、直近でボリンジャーバンド-2σを割れているが、目先-2σまで戻るだろうと記したとおり、昨夜の段階で-2σまで戻してきた。
ただ、MACDには依然として下げ余地が残っており、目先はこのまま続落していくか、いったん戻りを試した後に再下落していくかのどちらかだと見ている。
今回の下落は5波構成と見ており、足元では第3波中の第3波が進行中であると見ているからである。
※いつも使用しているチャートの日足が更新されていないため別のチャートを使用。
(日足更新が確認できた段階でチャートを差し替え予定)
なお、ナスダック総合指数の60分足チャートでは以下のとおり、足元は一般的なフィボナッチの戻り目処の最小となる23.6%戻しにとどまっており、次の38.2%戻しの位置は直近下落のサポートとなった位置であることから、戻り局面ではレジスタンスとなりやすく、ブレイクの難易度は高いと見ている。
今後のダウ平均予想
週初は続伸の可能性があるが、週末には東京市場のメジャーSQ、17日にはFOMC、翌日18~19日・日銀金融政策決定会合、同19日には米トリプルウィッチング(メジャーSQ)と重要イベントが控えていることから波乱に満ちた展開が想定され、上値よりも下値に注意が必要と見ていることに変わりはない。
筆者の想定では、この期間は思わぬ安値となる可能性があると見ており、想定どおり値幅を伴う急落が生じた場合にはリバウンドも比較的大きなものとなる反面、その後に揺り戻しの再下落が生じ、日柄調整に発展するケースが想定される。
3/8週は、まだ強気を感じる局面となる可能性があるかもしれないが、3/15週には徐々に調整入りを感じる局面になると予想している。