【今週の予想】
先週の日経平均は、筆者が中期予想で示した29,300円(29,238円~29,376円)に概ね到達する予想どおりの値動きとなった。
ただ、海外短期勢の仕掛けによる上昇であり、いわゆる『地に足が着いた』上昇ではないため、持続的な上昇には結びつかない可能性が高いと見ていることは、先週記したとおりである。
今週の日経平均は、先週末のダウ平均がやや弱い形で返ってきており(昨日アップした米国市場予想に詳報)、日経先物ナイトも29,030円と、日中の225現物終値を約140円ほど弱く返ってきている。
ただ、週末ナイト引けの日経平均CFD120分足では25MA・75MAが強い上向きを維持していることから、一段安となった25MAタッチからは再度の上値試しの可能性があり、金曜高値を上抜く可能性がある。
しかしながら、月曜の米国市場が休場であることから手がかり材料欠けるため、積極的に上値追いに向かうことは考えにくく、日中終値は、おそらく29,100円前後と小安く引けると見ているが、仮に28,900円を割れて終わるようであれば、海外先物勢が利益確定売りを進めてきた可能性があり、警戒が必要と思われる。
(週を通しては、28,400円がサポートとして意識されるが、28,400円の上方に位置する75日線が下向きとなっていることから、仮に28,400円を下抜いた場合には27,000円割れが射程圏に入ってくると見ている)
来週の米主要経済指標は、木曜のADP雇用統計、週末の米国5月雇用統計が最も注目されると見ており、ADPがやや弱めの市場予想、雇用統計が強めの市場予想となっていることから、仮にダウが週初弱含みとなってもADPに向けてはやや持ち直しの動きとなるも、雇用統計通過で再度弱含む展開になると思われる。
ただ、米国内のコロナからの回復状況を映すニュース映像では、マスク不要やレストランの再開など、市民生活の正常化がかなり進んでおり、雇用統計がポジティブサプライズとなる可能性があると筆者は見ている。
仮に、雇用統計が市場予想を大幅に超える強い結果となった場合は、市場の自浄機能が働き、ダウ・ナスダックともに利益確定売りが優勢になることが想定され、日経平均への影響も大きくなると推測している。
したがって、今週の日経平均の予想レンジは高値目処は29,300円~29,400円、下値目処は28,700円~28,800円と見ているが、今週末の金曜先物ナイトが下振れとなった場合には、来週28,400円を試す展開に警戒したい。
なお、雇用統計が弱い結果となったとしても、(昨日アップした米国市場予想に記したとおり)ダウは上がりずらいと見ている。
【中期の予想】
日経平均は、いったん3万円に接近後に反落と見ていたが、先週末のカチ上げにより、29,300円付近が高値となった可能性が高いと見ている。(今週の29.400円~29,500円の可能性は残っている)
この見方を補強するテクニカルデータとしては、信用需給が挙げられる。
直近の信用買い残は3兆円を超えて推移する状況が続いており、この3兆円突破は日経平均が2/16高値30,714から下落し、29,000円を回復した3/19週から顕著に増加しており、29,000円台の上値は相当に重いことが想定される。
また、裁定取引については、株数ベースの最新数値となる5/26現在で、売りポジション321,608千株、買いポジション193,173千株と0.6倍の売り長となっており、信用残に見る楽観とは対極となっている。
これらの需給要因及び足元の先物手口を勘案した、中期の日経平均予想イメージは次のとおりとなる。
上述の「今週の予想」にて記した26,500円で下げ止まった後、いったん28,400円付近まで戻った後、24,000円程度まで下値を探りにいくパターン(24,000円・直行型パターンもあり)と、(現時点ではあまり考えにくいが)一気に22,000円を割り込むパターンである。
(26,500円を割り込むと24,000円を試しやすく、勢いをつけて24,000円を割り込むと21,000円を試しやすい)
極端に過ぎる想定かもしれないが、足元で先物海外勢は "Sell in May and go away, and come on back on St. Leger’s Day(5月に売って9月まで戻ってくるな)" を実践して買い建玉の利益確定売りに動いている一方で、おそらく海外勢のオーダーと思われる野村の建玉は大きく売り越しており、個人の信用買いに見る楽観からも、直近の急騰帯を巻き戻す下落となってもおかしくないと見ている。
相場下落の材料としては、くすぶり続ける東京五輪の開催可否や米国のテーパリング懸念、日本企業によるウイグル問題、米国による対中姿勢の強化などが挙げられるほか、北朝鮮の核実験再開による米朝対立が考えられる。
本邦においてもワクチン接種の進展により、生活の正常化が近づいており、これまで経済正常化への期待で上昇してきた分がいったん剥がれることが予想され、悪材料と悪需給が重なった場合には思わぬ安値の可能性も捨てきれない。
なお、昨年2月のような急落型となるか、段階的に下値を切り下げるパターンになるかは材料次第(先物勢の胸先三寸)と思われる。
ただ、信用取組は昨年ま急落前の2月高値時点の3.5倍に対し、直近で5倍近くに達していることや、足元の裁定取引倍率は昨年2月の0.6倍とほぼ同水準の売り越しとなっていること、仮に足元で値幅を伴う急落となった場合、週足チャートが昨年2月からの急落と同様のチャート形状となることから、相応の急落(暴落)懸念が高まりやすく、一定の警戒が必要と見ている。
加えて、仮想通貨の資金流失が続いており、仮に直近最安値を下回る動きとなった場合には、見切り売りが発生しやすく、足元では限定的となっている株式市場への影響が再燃する可能性が想定される。
なお、調整入りとなった場合の日柄については、急落(暴落型)、段階的な下落となった場合のいずれであっても、(要所でのテクニカルリバウンドは生じるものの)、本格的な反騰は早くて9月、長引けば11月まで待つことになる可能性があると予想している。
それぞれの日柄の根拠としては、9月は2/16・30,714円高値から半年後の信用期限の応当日となる8/16、11月は信用倍率が(現時点で)ピークに達した5/14から半年後の11/14を想定している。
なお、日経平均・22,000円割れは、黒田日銀総裁が1/27の参院予算委員会でETF買い入れの損益分岐点を「日経平均株価の水準で2万1000円程度」と述べており、急騰帯を埋め戻すことになれば、チャート妙味からも、この水準を試しに来る可能性があると見ている。今は遠い価格であるが、仮に24,000円まで来れば、21,000円台はあと2,000円、またTOPIXではチャート上16,000ポイントと300ポイント下方に過ぎず、TOPIXが200ポイント低下でNT倍率13倍に縮小で日経平均22,100円となり、可能性がないとは言い切れない。…いかに日経平均が嵩上げされた危険な指数であるかということである。