2021-06-20

今週及び今後の日経平均予想(6/20)


 今週の予想


先週日曜にアップした週間予想に次のとおり記した。

・上値目処は29,200円~29,300円(勢いがあれば29,500円)

・下値目処は28,600円~28,800円、週央の下振れ度合いによっては28,400円のレンジ下限を試す

実際、先週の日経平均は高値は6/15(火)に29,480円高値と筆者予想とおりの展開となった。

また、安値については、想定していた週央の下振れとはならなかったが、週末の時間外・日経先物は28,420円(現物換算28,460円)で返ってきており、値幅としては筆者予想どおりの展開となった。


さて、今週の日経平均については引き続きダウ平均の動きに沿った展開が想定されるが(米国市場・週間予想は昨日更新)、日本独自の動きとして、上値下値ともにさらにブレる動きが想定される。

先々週より記している先物への巨額クロスが値幅を増幅させる可能性があるからだ。

先物クロスは6/11のSQ明け後もほぼ毎日のように特定の2社~4社が各日1~2万枚のクロスを入れており、累計枚数としては10万枚を超えている社もある。


6/18(金)の先物クロス例


これら先物クロスは売り建て・買い建てで相殺されるため、実際に建日の翌日以降に精算されたか、積まれているかの実態が掴みにくい点がやっかいであるが、東京市場のSQ以降、目立つようなボラタイルな動きは6/15・16の高値意外には見当たらないことから、大半は積まれたままと推測している

したがって、これらクロスの本領が発揮されるとすれば、今週の東京市場が有力と思われる。

なお、クロスが積まれたSQ以降の日経平均は、6/15・16の高値を除き、概ね28,800円~29,100円で推移しており、月曜に返ってくるであろう28,400円台については、(クロス買いの一部を用いた売り崩しにより)下押したところは売り玉の利益確定(買い戻し)を行いやすい局面となる。

ただ、利益確定により反発に向かったところでは再度の売り仕込み局面になりやすい値ごろとなるため、寄り付き後の安値を割り込む下落につながりやすく、買い戻し一巡から売り仕込みが入るかどうかが、月曜の焦点と見ている。

なお、日経平均の直近の節目は、下から直近の反起点となった5/13安値・27,385円、MCSIリバランスにより売買代金が5兆円を超え、翌日の600円高を引き出した5/27の安値・28,360円、そして先週の終値ベースの高値・29,441円と毎1,000円の値幅となっており、この1,000円幅については、経験則から、先物筋が利益確定のタイミングとして用いる有力な値幅となっている。


したがって、目先は先週の終値ベースの高値・29,441円から1,000円を減じた28,400円前後(5/27安値・28,360円)が下値目処と見ているが、米MSQでの反転から一気に下押しとなったことを考慮した場合、売り玉をいったん利益確定した後は、再度売り直してくると推測しており、5/13安値から直近上昇幅に対する61.8%押し・28,200円が次の下値目処になると想定され、以降は順に28,000円、27,400円~27,600円、5/13安値・27,385円と予想している。

(日経平均のRSIは、先週末の段階で9日が47%、14日は53%、月曜に日経平均が500円安となっても35%、41%とダウ平均に比べて売り余地を残している)

ただ、週内に一気に5/13安値・27,385円付近を示現するには何らかのネガティブな材料が必要であり、それが出なかった場合には来週初め、または28,000円前後で手打ちとなる可能性もあると見ている。

これらのことから、今週の日経平均予想レンジは安値目処28,000円~28,200円、高値目処が28,600円~28,800円と見ており、週初安、週央高、週末安の流れを予想している。

なお、今回の調整の値ごろ予想については上述のとおりとなるが、日頃としては、来週月曜・または火曜日付近に底を打つ可能性があると見ている。

これは、7/2(金)が米雇用統計となっているため、雇用統計の結果を見極めるために来週前半には売り方の買い戻しが反転のきっかけになると予想しているからである。 

ただ、途中のもみ合いに時間を費やした場合には、雇用統計でのダメ押しもあり、このあたりは経過を見ていくしかない。



 

 今後の予想(中期予想)

先週の中期予想と同様に、引き続き昨年3月から6月にかけての調整を約5ヶ月かけて行ったのと同様の調整期間に入っていると見ている。




したがって、現時点での中期レンジ下限については、26,300円程度を想定しているが、足元の調整波動でこの価格を示現することは難しいと見ており、上述・週間予想に記したとおり、米雇用統計を前にいったん買い戻され、以降は短期的な戻りを試す時間帯に入ると想定している。

(仮に、9/2・雇用統計が売り材料となるようであれば、翌週が出直りの契機になると見ている)

この戻りを試す反発については、昨日更新の米国市場予想にも記したとおり、ダウ平均の1,000ドル~1,200ドルの戻りが想定され、日経平均についても同等か、それ以上の値幅の戻りとなる可能性がある。

それは、結局のところゴリ押しでの観客あり開催となった東京五輪の開催が理由として挙げられる。

メディアが行った世論調査では国民の半数が東京五輪の開催に否定的な考えをもっている中での強行開催となるため、管政権としても失敗は許されず、PKO政策を駆使して日経平均の上昇を企図し、東京五輪開催への機運醸成を計ることが想定される。

手法としては、年金基金(GPIF)による買いと日銀の資金供給である。

日銀マネタリーベース(前年同月比)については、先週の初めに記したように
昨年3月以降拡大を続けてきたが、5月にいったんピークアウトしており(株価も下落)、このまま低下するのでは?と思えたが、おそらく東京五輪開催に向けて再度拡大するために、いったんの低下局面をつくった可能性がある。



折りしも、米国MSQでの下押しからの自律反発と時を同じくして東京市場も自律反発に移るタイミングであり、株高支援のための戦略としては誠に都合が良く、海外勢としても日銀の資金供給増を敏感に察知し、買いに向かうことが想定される。

したがって、今月末~来月初めのいずれかで日経平均が反発となれば、東京五輪が中盤に入る7月下旬までは戻りを試す可能性があると予想している。

値ごろとしては、仮に日経平均が28,200円程度で反発となった場合には上述の中期レンジを少し上回る3万円近くへの到達が予想され(勢いがあれば30,714円超ええ?)、28,000円割れとなった場合は安値から1,200円~1,500円高程度が上値目処になると思われる。

なお、7月株高となった後は、8月の反動安を経て、解散・総選挙が想定される秋の株高に持って行きたい管政権の目論見があると見ているが、東京五輪についてはスポンサーの利権がらみのため海外勢も上げ賛成と思われるが、日本の政局については感心薄と見ている。

したがって、7月株高後は、秋にかけてレンジ下限と200日線が一致する26,900円付近までの下落が想定され、仮に同価格で下げ止まらなかった場合には26,500円付近までの下落があってもおかしくないと予想している。

(ただし、可能性はそれほど高くないと見ているが、7月の株高が30,714円を超えるか、または近づいた場合には、下値目処については下記も含め2,000円程度上方修正されると見ている

最終的な下値確認の日柄としては引き続き9月~11月頃を想定しており、可能性としては小さいものの、仮に二番底探しにて26,500円を割れた場合には24,100円~24,500円が次の下値目処になりやすいと見ており、これまでの中期予想を維持している。


※21:00追記
まだ、目先大きく下振れすると決まったわけではないが、仮に5/13安値・27,385円に接近した場合は、先物でつけた安値は、その後、現物で見にいくことが多いことから、5/13(カウント上は5/14)夜間の先物がつけた27,130円を現物市場で見に行きやすく、下ヒゲをつければ底値到達感が出やすいと予想している。

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