2021-06-21

今後の日経平均予想(6/21)


【本日の相場概況】

   ※RSIは高精度で天底を示唆

  日経平均  28010.93 -953.15
  TOPIX    1899.45 -47.11
  出来高    13.0億株 
  売買代金 2.94兆円 

  
・RSI (9) 日経平均 27.67
           TOPIX    20.45  
・RSI(14) 日経平均 34.71
          TOPIX    45.70

・騰落レシオ   95.89

※RSIはだいぶ低下したものの、ダウ平均との比較ではまだ下げ切っておらず、また、TOPIX(14)が中立よりやや下程度。




【日米市場の現況と今後の予想


 ダウ平均


先週末のダウ平均は、-533ドル安・33,290ドルで週を終え、ボリンジャーバンドでは-2σを割り込む下落となっており、目先的には行き過ぎの感がある。

ただ、MSQ通過後のナスダック・S&P500が反動安に見舞われており、ダウが素直に反動高に移行すると見るのは少し早いと見ている。


ダウ平均・日足チャートにおいても、25日線を下放れた価格は加速度を増して75日線を下抜いていることから、目先は戻り歩調となっても、その後はもう一段の下落が想定される。




(75日線割れとなった後は、いったん戻りを試すと思われるが、75日線がレジスタンスとなり、再度下落に向かう展開をメインシナリオと見ている)

今夜のダウ平均については、日本・アジア株安・欧州株安を受けて、どの程度の値幅が出てくるかに着目しているが、ダウは先行して下げており、RSI(9)も一桁台と売られ過ぎを示唆しているため、おそらく反発基調で推移すると見ているが、大きな値幅にはならないだろう。

目先の価格目処としては、上値目途は-2σの推定値・33,500ドル~33,600ドルと見ており、その後は再度売られ33,000ドル割れを試す展開に向かうと見ており、週の終値は32,600ドル~33,000ドルと予想している。


S&P500


S&P500については、直近、ダウ平均の下押しを尻目にMSQを材料に底堅く推移してきた反動安から弱含みの週になると予想している。

なお、米国MSQ後は通例においても需給の歪みが生じて数日間の下押しとなることが多く、今回は「波乱のSQ」となったことで、需給の歪みはより大きいことが想定され、下押し幅も広まると見ている。

今週の下値目処としては、75日線4,100ポイント手前までの下落後、いったん戻すも再度売られて75日線を試すと予想している。




この予想は、MACDがゼロラインから下で推移するとの推測に基づいたものであり、筆者予想どおりに進展した場合、週後半から来週初めのどこかで75日線を割る展開が想定される。

この場合には、チャートに図示した起点から直近上昇幅に対する50%押しの4,061ポイントまたは62.8%押しの4,014ポイントが月末の下値目処として想定される。




東京市場・日経平均


先物・オプション手口集計・考察

  データの集計方法の詳細 → こちら
  先物・オプション手口集計(先行更新) → こちら 


(本日は前週末時点の残高報告を受け、先週末の建玉残の一部修正を行っています) 

 ゴールドマンは-1,231枚を売り越し、建玉は2,000枚買いとほぼ中立。ただし、225売り・TOPIX買いとなっている。

Cスイスは-1,626枚を売り越し、売り建玉を拡大している。

少し前まで買い筆頭だったソシエテは-6,694枚の大口売り越しとなっており、建玉は僅かながら売り越しとなった点は注目である。

なお、本日もアムロとともに巨額の先物クロスを繰り出している。(詳細後述)

野村は-839枚売り越しと小幅な手口となっている。

ABNアムロは、先物を大口買い越し、オプションもコール買い・プット売りと上志向ながら、先物クロスの存在があることから、足の短い資金の可能性がある。




日経平均の予想コメント 


昨日更新した日経平均・週間予想にて、目先「28,400円前後が下値目処と見ているが、(中略)5/13安値から直近上昇幅に対する61.8%押し・28,200円が次の下値目処になると想定され、以降は順に28,000円・・・」と記したとおり、本日の日経平均は、28,400円 → 28,200円 → 28,000円と価格の節目を割る展開となった。

また、「日本独自の動きとして、(ダウ平均よりも)上値下値ともにさらにブレる動きが想定」の予想どおりとなった。


また、上述の各節目では下げ渋りからもみ合いとなった点も予想どおりの展開となった。

ただ、下げ速度の急ピッチ下限は筆者の想定を超えたものとなっているが、これは先々週から記している巨額先物クロスの買い玉を使った売り崩しによるものと思われ、戻りの鈍さからクロスの売り玉による利益確定の買い戻しはあまり入っていないと見ている。

(取引量の多い東京時間のザラバでなければ商いをこなすことはできず、時間外でのリバウンドは目先の短期筋と見ている)

また、本日もアムロとソシエテが巨額の先物クロスを入れている点は要警戒と見ている。



このまま、日足ベースのリバウンドらしいリバウンドがないまま一直線に下降する局面もあり得るが、やはり昨日記した日柄面を考えるならば、3波構成の中段保ち合いをつくった後に再下落の可能性が高いと見ている。

18:00現在の日経先物も本日終値の400円高と戻りを試しており、中段保ち合い形成に向かっている可能性がある。

本日の先物手口からも、ABNアムロとバークレイズ以外に大口での買い越しはなく、さすがに日経平均1,000円安は行き過ぎであり、売り乗せ機会の醸成となりやすい。


また、本日の大幅ギッャプダウンと1,000円を超える暴落により、500円近い窓を空けていることと、下落トレンドが先週までの「時間足ベース」での下落から「日足ベース」での下落に発展していることに注意したい。

日経平均・日足チャートでは、MACDがゼロライン割れから急下降を始めた初動にあることから、直近の5/13安値時のMACDの安値を下回る可能性もあると見ている。



今後の下値目処としては、1,000円幅での節目となる27,400円や昨日追記した27,130円が想定され、27,130円は200日線とも一致しており確度は高い

ただ、これらの下値目処は、本日の安値からは、既に-400円・-670円とかなり近づいており、足元の勢いと想定日柄から、これらを下回ったとしてもおかしくない。

したがって、今後の展開次第では、心理的節目の27,000円や先々週から記している中期的レンジの下限となる26,600円~26,800円も考慮すべき必要が生じる可能性もある。

なお、本日の日経平均RSIについては、冒頭の相場概況に記したとおり、RSI(14)が 日経平均 34.71%、TOPIX 45.70%と売られ過ぎ圏に達するにはまだ間があるため、自律反発後のもみ合い以降は弱含みに発展しやすいと見ている。

なお、下値目途の日柄については、本日の日経平均1,000円安により、明日以降、自律反発ともみ合いが続くことが想定されるため、来週初めの底打ちが3日から一週間程度遅れる可能性※がある(雇用統計前後?)とともに、下値目途については上述の27,000円割れの可能性も意識しておく必要があると見ている。

※21:00修正 : 一週間程度遅れる可能性 → 3日から一週間程度

※20:20追記
下記チャートは本文貼付の再掲となるが、本日の日経平均が空けた28,500円~29,000円の窓は、今後、中期的に埋めることが困難な窓空けとなる可能性があると見ている。


この窓は、3.3兆円の信用買い残を際立たせる象徴的な需給ギャップなりやすく、価格も筆者が指摘している29,400円-28,400円-27,400円の節目価格と同一水準の並びの延長にあり、注目すべき価格帯となっている。

また、28,500円に下窓が出来たことにより、今後、同価格から2,000円を減じた26,500円は、上述の下値目途・26,600円と符合しており、短期的にもこの価格が意識される可能性があると見ている。

スポンサーリンク