2021-06-19

6/20週及び今後の米国市場予想(6/19)



【6/20週の米国市場予想


 ダウ平均


昨夜の米MSQについては、先日より「大勢はダウ先物売り、S&P500・ナスダック買いのポジションを取っている可能性がある」と記していたが、やはり、東京時間が終え、欧州時間に入った途端、ダウ先物が大きく売られ出した。

結果、ダウ先物売りポジションを取っていたであろう筋が同時に企図していたであろうS&P500・ナスダックについても連れ安となり、前日までの高値保ち合いからギャップダウンでの寄り付きとなる「波乱のSQ」となった。

米国市場では、かねてから大量のプット買いポジションが観測されていこたとからSQ値算出後の反落が予想されていたが、売り方による前倒しの売りに、SQ買いポジ組みの損失埋め合わせの売りが大きく出たと見ている。


なお、昨日の記事にて「ダウ平均が75日線を割れた場合は33,200ドル、32,117ドルの節目程度の調整」と記したとおり、昨夜のダウ平均は-533ドル安・33,290ドルでの大引けとなり、引け後1時間取引が行われているダウ平均CFDの終値は33,199ドルと筆者予想どおりの結果となった。


ボリンジャーバンドでは-2σを割り込む下落となっており、目先的には行き過ぎの感がある。


ただ、昨日の記事でも「MSQ通過後のナスダック・S&P500が反動安に見舞われた場合、(売られ過ぎの)ダウが素直に買われると見るのも危うい」と記したように、米国市場の反落は中段にあるため、ダウ平均は、(超目先的には売り方による買い戻しが想定されるものの)、戻った場面では下向きとなった-2σに頭を抑えられる可能性が高いと見ている。

ダウ平均・日足チャートにおいても、25日線を下放れた価格は加速度を増して75日線を下抜いていることから、週初についてはもう一段の下落が想定される。

その後は、週央に向けて戻りを試した後、75日線がレジスタンスとなり、再度下落に向かう展開をメインシナリオと見ている。


ただ、値幅的にはかなり良いところまで来ており、ここからの下げは比較的小規模か、または思いっきり下げるかのどちらかと見ている。

これらのことから、6/20週のダウ平均レンジについては、週初33,000ドル~33,100ドルの下値を試した後は、75日線・33,400ドル~33,600ドル程度まで戻した後、再度売られ33,000ドル割れを試す展開に向かうと見ており、週の終値は32,600ドル~33,000ドルと予想している。


S&P500


S&P500については、日々記してきたとおり、直近、ダウ平均の下押しを尻目にMSQを材料に底堅く推移してきた反動安から弱含みの週になると予想している。

なお、米国MSQ後は通例においても需給の歪みが生じて数日間の下押しとなることが多く、今回は「波乱のSQ」となったことで、需給の歪みはより大きいことが想定され、下押し幅も広まると見ている。

今週の下値目処としては、75日線4,100ポイント手前までの下落後、いったん戻すも再度売られて75日線を試すと予想している。




なお、上記予想は、MACDがゼロラインから下で推移するとの推測に基づいたものであり、筆者予想どおりに進展した場合、週後半から来週初めのどこかで75日線を割る展開が想定される。

この場合には、チャートに図示した起点から直近上昇幅に対する50%押しの4,061ポイントまたは62.8%押しの4,014ポイントが月末の下値目処として想定される。



 ナスダック総合指数


米国主要3指数の中で、最も強いチャートとなっているナスダック総合指数であるが、目先についてはトリプルトップ懸念やS&P500の弱含み予想から、下押しを余儀なくされると見ている。

ただ、下押し幅としては主要3指数の中では最も浅いと見ており、6/20週は25日線と直近のもみ合いレンジの38.2%押し・13,734ポイントが下値目処となり、翌週は75日線と同50%押しが重なる13,600ポイントが下値目処になると予想している。






今後のダウ平均予想(中期予想)


一昨日の記事にて、今回のFOMCのトピックはFRBがドットチャートで今年12月の利上げを示唆してきたことだ」と記した。

ただ、定例の会見にてパウエル議長が「利上げはかなり先の話」と焦点をずらしてきたことで、メディアは年内利上げの可能性だけを切り抜きづらくなり、市場もいったん安堵したものの、昨晩は、(市況解説によると)ブラード米セントルイス連銀総裁がCNBCのインタビューで最初の利上げが2022年中になるとの見解を示したことが、早期利上げ観測が強まり、市場軟化となった

このように、FRBは金融緩和の縮小(利上げ)に向けて、手綱を引いたり緩めたりしながら、徐々に利上げを織り込ませていくのが伝統的な手法となっている。

今回の下落は、金融政策の転換に向けた初動のため、ヘッジファンドの暗躍を呼び込むことになり、ややハードランディングな結果になっているが、昨年3月からの上昇幅を考えれば通常の押し目程度に収まると見ている。


週足ベースでの今回の下値目処については26週線が位置する32.700ドル付近と見ており、下押し後の来月初から来月後半にかけては13週線・34,050ドル~34,250ドル付近への1,000ドル~1,200ドル幅での自律反発を予想している。

ただ、その後も各月初の米雇用統計を始め、8月末のジャクソンホールや、9月FOMCでの利上げに向けた地ならしが継続すると思われることから、日柄調整的な値動きが想定され、今秋~冬にかけての下値としては、昨年10月安値から直近高値の50%押し・30,500ドル~38.2%押しの31,500ドル程度と比較的浅めと見ている。

なお、現時点で利上げ第1弾と予想される12月FOMCをきっかけとした反騰開始をメインシナリオと見ているが、米雇用統計は8月を境に強まると予想しており、強い雇用統計をきっかけとした秋からの反騰開始をサブシナリオと考えている。

いずれにしても、上昇トレンド開始となった場合は35,000ドル高値を奪回する動きになると予想している。


21:00追記
なお、目先動向については3波2段下げを予想しているが、上述のとおり週末終値とのW底のケースと思いっきり深くなるケースのどちらとも言えない。

むしろ、RSIの売られ過ぎ指標が目安となるかもしれない。

週末終値でのRSI(筆者集計)は以下のとおり、ダウ平均が9日・14日ともに売られ過ぎ圏入りとなっている。


ナスダックが60%台と中立であるが、ここから安値圏の30%割れまで下げることは考えづらく、S&P500の9日・10%台、14日・20%前半または20%割れの示現が反転(売り方による買戻し)スタートの目安になり得ると見ている。

なお、直近価格推移からは、9日は低下しやすいが、14日は低下しずらく、ストンと落ちるイメージとなる。

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