※普段は「今週の予想」と「中期予想」を合わせてアップしていますが、(今回は中期予想を書くのに時間を要したため)、「今週の予想」については先行して別途アップしております。
中期の日経平均予想
年金基金(GPIF)は週末に2020年度の運用実績を過去最大の37兆8000億円黒字と発表した。
収益の内訳としては、海外株式が20兆6658億円・国内株式が14兆6989億円・外国債券が2兆6738億円の黒字となった一方で、国内債券は2398億円の赤字とされており、外国・国内株式で計35兆円の収益を上げており、投資総額の30%近くの利益計上となる。
なお、本年3月末のポートフォリオとして下表が公表されている。
GPIFのポートフォリオについては、当ブログでも度々取り上げているが、外国株式・国内は投資総額の各25%が運用目安となっており、±8%の余裕率を持たせている。
ここからが主題となるが、3月末の外国・国内株式のポートフォリオは各24.89%・24.58%とほぼ25%に達している。
3月末の日経平均終値は29,178円、TOPIX終値は1,954ポイントと、日経平均は300円ほど弱含んでいるが、TOPIXについては、ほぼ足元の水準と同等であることから、GPIFは買い余力を有していないばかりか、逆に、今後も上値では売りを出してくることが想定される。
また、日経平均・TOPIXが弱含む局面では資産保護の観点から、引き続き利益確定売りを出してくることが想定され、上値の重い動きになりやすいと見ている。
なお、注目指標のもう一つとなる日銀マネタリーベースが週末に公表された。
マネタリーベースの前年同月比は、昨年3月の日本株の暴落以降拡大を続けていたが、先月(5月)に下方転換となり、6月の数値公表が待たれていた。
結果は5月に次ぐ低下となり、日銀が市中への資金流通を絞っていることがわかる。
なお、ビークから転落となった5月には日経平均が27,385円(5/13)に急落し、6月は27,795円(6/21)への急落となっていることから、これらの急落はマネタリーベースの縮小とけっして無関係ではないと見ており、日銀は、世界の中銀と歩調を合わせるとともに、本邦のワクチン接種の加速化に合わせてステルステーパリングを始めつつあるのではないかと見ている。
ただ、目先的には、急減というよりも、ジグザグ型で市場との対話を行いながら、異次元の金融緩和から平時へと移行していることを市場に理解させると見ており、今月・7月は、東京五輪の開催に水を差す訳にはいかないため、下げ渋りまたは小幅拡大に向かうと見られる。
(これが、目先、日経平均が下押しとなれば、東京五輪開催に向けて日経平均が上昇すると見る理由であり、下押し幅が限定的であれば日銀も大きくは動かず、上げ幅も限られると見る理由である)
なお、仮に、9月以降、変異型コロナウィルス感染者が増加したとしても、経済活動の大幅な制限が行われない限り、マネタリーベースの縮小は続くと見ている。
前置きが長くなったが、これらのことから日経平均の中期予想については、引き続き、下図のとおり、足元は24,000円からの上昇に対するレンジ内での調整が続くと予想している。
ただ、レンジ自体が緩やかな下方トレンドを形成しているため、下降トレンドでの推移となり、上値切り下げ・下値切り下げ型のもみ合いとなる可能性が高いと見ている。
下図が予想イメージの拡大版となる。
その理由としては、海外投資家は先物持ち高を減らしており、足元の日本株が出遅れ顕著であるにもかわらず、買いを積む動きが限定的であることや国内投資家による信用買い残の多さにある。
海外投資家が買いに対する慎重姿勢の理由としては、やはり、秋に予定されている解散・総選挙の行方を不安視しているものと見ている。
解散・総選挙については、現状では任期満了での「追い込まれ解散」の可能性が高くなっており、過去の追い込まれ解散では与党が不利な傾向にある。
個人的にも管政権が世間の信任を得るとは思えず、良くて自公で過半数維持、悪ければ自公で過半数維持も微妙な結果になるのではないかと予想している。
したがって、筆者の予想が正しければ、解散が近づく9月に入って不透明感で売られるが、公示とともに自民優勢の下馬評から戻りを試すも、投開票日を境に日経平均急落を予想しており、歴史的な急落となる可能性もあると見ている。
その後、12月にもみ合いとなるが、新年以降に再度売られ、2月~6月の底練りを経てようやく上昇に向かうのではないかと見ている。
下値目処としては従来からの予想である24,000円を目処と見ているが、秋に想定される下落幅が大きかった場合には22,000円(日銀ETF買いの損益分岐点21,000円を意識)が次の目処になりやすいと見ている。
これらはあくまで、深押し想定の予想であるため、今後の相場動向次第では修正していくことになるが、現時点ではこのようなシナリオを念頭に置いておく必要があると見ている。
なお、下落局面では、昨年3月以降の上昇局面においてコロナ禍による業績悪化にも関わらず上昇を続けたのと逆の理屈により、業績好調・コロナ不安低減にも関わらず下落に歯止めがかからない逆の現象、即ち、好況下での株安が起こる可能性があると予想している。
年金基金(GPIF)は週末に2020年度の運用実績を過去最大の37兆8000億円黒字と発表した。
収益の内訳としては、海外株式が20兆6658億円・国内株式が14兆6989億円・外国債券が2兆6738億円の黒字となった一方で、国内債券は2398億円の赤字とされており、外国・国内株式で計35兆円の収益を上げており、投資総額の30%近くの利益計上となる。
なお、本年3月末のポートフォリオとして下表が公表されている。
なお、ビークから転落となった5月には日経平均が27,385円(5/13)に急落し、6月は27,795円(6/21)への急落となっていることから、これらの急落はマネタリーベースの縮小とけっして無関係ではないと見ており、日銀は、世界の中銀と歩調を合わせるとともに、本邦のワクチン接種の加速化に合わせてステルステーパリングを始めつつあるのではないかと見ている。