2022-12-25

年末年始の日経平均予想(12/25)



※ かねて記していた事由により、本年より8月より完全随時更新(不定期更新)とさせていただいています。更新予定は概ね1~3か月に数回程度になると思います。


また、随時更新のため、筆者相場予想の変更をタイムリーにお伝えできないことがあります。ご了承願います。


                                        





・先物手口及び残高考察


 ◎先物・オプションデータの集計方法の詳細 → こちら


まずは、高値・28,000円台から約1,500円の急落となった先週・12/21(水)の先物手口は以下のとおりとなっている。

直近、空売りを積んでいた野村は7,946枚の利益確定・買い戻しとなっている。


一方で、同様に空売りを積んでいる みずほ は35枚買い越しと、ほとんど買い戻しに動いていない。

週間手口を見ると、この傾向は顕著であることがわかる。

(なお、下表の週間手口は、日々集計の累計のため「速報版」となり、正確な数値は月曜の残高報告を待つことになる)


野村は、週間で1.9万枚の弩弓の買い越しとなっている一方で、みずほは5,671枚の買い戻しにとどまっている。

(ちなみに、先々週末の両証券のポジションは、共に4万枚前後の売り越しとなっていたが、野村の月初のポジションは売り越し2.1万枚となっており、12月中旬に向けて急激に売りを積んだ分を利益確定したことになる一方で、みずほの月初の残高は4.7万枚売り越しとなっており、腰を据えた売りとなっている点が先週の買い戻し行動に差を付けたと見ている)


海外勢の週間での大口売り越しは、ゴールドマン・JPモルガンが6,900枚・8,100枚となっているが、いずれもリスク回避の利益確定売りとなっており、積極的に空売りを積む主体は(今のところ)見えていない。


ここで着目すべきことは、(先週も記したとおり)日経平均の急落度合いは円急伸によるものであるため、円建てで顕著になっており、ドル建ての海外勢にとっては売り妙味が乏しいと言うことだろう。

また、野村・みずほの2社が高水準の売りを積んでいた背景は円高転換を予想していたためと見ており、中でも野村が直近で急速に空売りを積み、この段階で利益確定の買い戻しを行った点は、FRBの利上げペースの鈍化や、もしかすると、日銀の行動を予測していたということだろう。

なお、みずほが依然として大口の売りを積んでいることは、さらなる円急伸を見込んでいるためと筆者は推測している。

今後の焦点としては、みずほがさらに売りを積んでくるか、また、いったん空売り持ち高の半分を買い戻した野村が再度、売りを積んでくるか否かにあると見ている。




■年末年始の日経平均予想

先週日曜にアップした「年内のダウ平均及び日経平均予想(12/18)」にて、年内の日経平均の動きについて、次のとおり記した。

=上値目処は27,800円程度
=下値目処は26,500円程度

先週の日経平均は、高値・27,349円と想定上値目処に-450円足りない弱い動きとなったものの、下値については26,399円と、記事作成時の日経平均終値・27,527円からの1,000円急落を的中させる高精度の予想となった。

また、日経平均の急落を受けた12/22(木)に、年内の日経平均の見通しを次のように修正した。

=26,500円±200円のレンジ

=年末の市場参加者薄を狙った値幅取りがあれば、26,000円~26,200円程度までの下振れ


当日の日経平均終値は26,507円であったが、時間外のダウ平均急落により、当夜の日経平均CFDは一時26,000円割れとなり、翌12/23(金)の日経平均は26,207円寄り付き-安値26,106円、終値26,235円と、筆者予想どおり26,000円~26,200円安値の展開となった。


今週(年末)の日経平均予想

先週金曜の日経平均がレンジ下限を試したことから、基本的にはレンジ上限の26,500円~26,700円を目指すと見ている。

年内の立会は残すところ今週の1週間となり、年末年始の休場明けを狙った仕掛けの仕込みはあっても、本格的に動き出すのは新年相場からと見ており、目先は需給に沿った動きになると予想しているからだ。

足元、12/23(金)の日経平均CFD時間外の終値におけるドル建て日経平均と各主要移動平均線は以下の表のとおりとなっている。


ドル建て日経平均では200日線・25日線・5日線が価格の上に位置しており、75日線が価格の下に位置していることから、これら200日線・25日線・5日線が上値抵抗線として機能することになる。

足元の価格のすぐ上に位置している5日線・199.03ドル(円換算・26,436円)が週初のレジスタンスとなる。

ここを上抜けることができれば、次の25日線・200日線が位置している26,900円付近まで上値余地が広がることになる。

また、足元で5日線にサポートとされたダウ平均の上値目標値は約500ドル上方の75日線・33,720ドルであることから、週末終値から300ドルほど反発した33,500ドルの心理的節目を達成することができれば、需給の上ではダウ33,720ドル、日経平均・26,900円達成も可能になるだろう。

なお、ダウ平均の日足ストキャスティックスは上昇中の60%と上向き、同MACDもマイナス圏ながら上向きとなっていることも、今週は上優位の展開になりやすいと見ている。

(ただ、年末の市場参加者薄の中、需給に反する動きが出ることも想定されるため、一定の警戒は必要と見ている)

これらのことから、年末最終週の日経平均の予想レンジとしては、引き続き下値目処・26,000円~26,200円、上値目処は27,600円~27,800円 26,600円~26,800円、週末大納会に向けて上伸するイメージをメインシナリオと予想している。

ただ、月曜の米国市場が休場であり、今週は火曜スタートとなる日柄の少なさが難点となることから、高値は大発会に持ち越される可能性もあると見ている


年始の日経平均予想

上記のとおり、年末までの間に上値目処・27,600円~27,800円を達成しない場合には、高値は年始相場に持ち越される可能性がある。

ただ、年末年始休場の間は、これまでもアップルの下方修正やドルのフラッシュクラッシュ等、想定外の悪材料が新年相場を攪乱させた例のある時期であり、今年についても休場リスクが生じる可能性を考慮すべきと考えている。

また、筆者想定どおり今週末に向けて上を目指した場合、年始の段階でダウ平均・日足ストキャスティックスは買われ過ぎ圏入りとなり、同MACDはゼロラインで頭を抑えられる展開が想定される。

即ち、年末相場の展開次第では、テクニカル面においても新年早々に波乱が生じる可能性があると見ている。


                           

 

※追記12/26(月)18:22


日経平均・目先予想として上記本文に次のとおり記した

=レンジ上限の26,500円~26,700円を目指す
=すぐ上に位置している5日線・199.03ドル(円換算・26,436円)が週初のレジスタンスとなる

本日の日経平均終値は170円高・26,405円(ザラバ高値・26,438円)と、筆者予想どおり上伸となり、ドル建て5日線でタイムアップとなった。

今夜の米国市場はクリスマス休場となる。

そのため、明日の東京市場は模様眺めの展開が予想され、今年の東京市場は、明晩の米国市場を織り込む水曜日、木曜日、金曜日の実質3営業日となる。

筆者メインシナリオでは、年内の上値目処を26,600円~26,800円と予想しており、足元での上値余地を残している。

ただし、仮に、水曜の日経平均終値が心理的節目となる26,500円を超えられなかった場合には、(ダウ平均が12/21高値33,437ドルを超えられなかったということであり)やや警戒が必要になるかもしれない。

なお、本日の先物手口は以下のとおり。


野村が日経・TOPIX先物合わせて3,343枚の大口買い越し(残高は、日経先物3万枚買い越し・TOPIX先物-5万枚売り越しの両建てとなっており、上下双方向で利益を狙う?)

一方、みずほは同202枚の買い越し(残高は計-4.4万枚売り越し)となっており、依然として売り長を継続している。


                           

 

※追記12/27(火)18:02

本日の日経平均は、朝方は200円高まで買われるも追随買いは出ず、日経平均終値は42円高・26447円と、筆者予想どおり模様眺めの展開となった。


ドル建て日経平均(15:00)は以下のとおり。


ドル建て5日線は、円換算で30円ほど上昇し26,442円となったため、終値では上抜くことができなかった。

目先の焦点は、引き続き日経平均26,500円、ダウ33,500ドルを上抜くことができるかであるが、ダウ先物の上伸にもかかわらず伸び悩んだことから、年内・26,600円~26.800円のレンジ入りには昨日記したようにやや力不足であり、未達への警戒が必要か? 



                           

 

 ↓
 ↓

※追記12/29(木)18:12

今週月曜に「水曜の日経平均終値が心理的節目となる26,500円を超えられなかった場合にはやや警戒が必要になるかもしれない」と記したとおり、水曜の高値は26,354円と26,500円を捉えることはできなかった。


また、火曜日には、
ドル建て5日線は、円換算で30円ほど上昇し26,442円となったため、終値では上抜くことができなかった」

及び

目先の焦点は、引き続き日経平均26,500円(中略)、年内・26,600円~26.800円のレンジ入りには、昨日記したようにやや力不足であり、未達への警戒が必要か?」

と二日続けて警戒感を現したとおり、昨日・本日と日経平均は続落となり、本日は一時26,000円を割り込む下落となった。


なお、ザラバ安値は25,953円、終値は26,093円であった。


本日15:00のドル建て日経平均と移動平均線は以下のとおり、円安で推移したこともあって、円換算の各移動平均線は反発して終えている。



75日線は25,906円まで上昇しており、本日のザラバ安値のサポートとなった。


なお、ドル建て・円換算の5日線は、価格が足元の水準でもみ合いとなった場合、本日をピークに急下降し、1/6には26,100円付近、75日線は25,800円付近へと下降し、いずれの移動平均線も下向きに転換する可能性があることに留意したい。


なお、明日の大納会は年内取引最終日とあって、今夜の米国市場が大きく動かないとの前提に立てば、本日の終値を挟んだポジション調整の一日となろう。


新年相場については、東京市場休場の間に、米国市場は明晩及び1/3の二日間の立会いがある。


おそらく、この東京市場休場中の米国市場については、買い戻しが優勢となり、1月4日の東京市場・大発会は反発で始まる可能性があると見ている。


(年末年始の休場中に為替等の波乱がなければ、の前提となる)

筆者想定どおり、米国株が高く返ってきて、為替が足元の水準にとどまれば、1/4の推定・ドル建て円換算5日線・26,340円付近までの高値を予想しているが、5日線は急角度の下向きに転換していると思われるので、過度の期待はできないと見ている。


また、米主要3指数の週足チャートは依然として下値余地を残していると見ており、筆者想定どおり年末年始の米国株が反発したとしても、値幅日柄ともに限定的な自律反発に過ぎず、買い戻し一巡により、再度下値をさぐる展開になると予想している。

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