2019-07-28

今週の日経平均予想※追記あり(7/28)

米FOMCを受けて始まる東京市場は海外勢にとっては格好の標的?


いよいよ今週は米FOMCが開催され、注目の利下げが行われる見通しである。

日米株式市場、為替ともに25bp(0.25%)の利下げをほぼ織り込んでおり、実際、市場予想どおりの結果になると思われる。

ただ、今後の利下げ見通しについては2回~3回の範囲内と思われるが、従来よりもやや後退した内容になると予想している。

最も警戒すべきはパウエル議長の会見である。

今回の利下げはあくまで「予防的利下げ」であり、足元の米国株式市場の堅調さや先週の米GDPも前期比年率では低下してるものの市場予想からは上振れており、先日の議会証言の内容と比較すれば、ハト派色を薄めてくるのではないかと見ている。

筆者の予想どおりの展開となれば、市場の初動は円高に反応し、株式市場も弱含みに推移すると予想する。

パウエル議長の会見は日本時間の8/1(木)午前3時半に予定されており、米国市場の大引けまでは1時間半と内容を咀嚼して織り込むには時間不足のため、結局のところ、東京市場がFOMCの最初の洗礼を受けることになり、イベントドリブンに賭けているヘッジファンド等の海外勢にとっては格好の標的になるだろう。

したがって、8/1の東京市場の値動きは値荒い展開になる可能性がある。

値動きの予想


筆者が日々観測しているABNのオプション手口を元に値動きを想定すれば、21,250円のロングプットと22,125円から上のロングコールが焦点になると見ている。

もとより、今後の利下げについては経済動向を注視しながら判断していくものであり、足元の状況でハト派色が強い見解が出されたならば、逆に市場はFRBの景気認識の低さから売りに出ると思われ、どちらにしても初動は下押しになると見ている。

つまり、ABNの大口投資家は日経平均を売り仕掛け、大口のロングプット21250や、さらに大口の22,000円のショートコールの利益確定に出ると思われる。

ただ、21,000円には大口のショートプットを積んでいることから、ここまでは下げないと見ている。(万が一にも下抜いた場合には20,875円のロングプットの利益確定で凌いてくると思われる)

同時に、下値ではショートプット・ロングコール、先物買いに動き、テクニカルリバウンドのための買い仕掛けを入れてくると思われる。

今週の米国指標は、ISM製造業景況指数や週末の米雇用統計が控えており、これまでの各種指標の出具合からは、それほど悪い結果にはならないと思われるからだ。

したがって、日経平均の週の下値メドとしては21,200円~21,300円(オーバーシュートで,21,100円)と見ている。

可能性は稀少だが、仮に下落が8/1の東京市場で収まらず米国市場に持ち込まれた場合は21,000円割れ~20,900円が想定されるが、ここでの押し目買いは報われる可能性が高いと見ている。

上値については先週高値+αの21,900円と予想しているが、週央に押した場合はここまで届かず、翌週持ち越しで良いと思われる

(なお、これらの予想はあくまで7/26(金)の建玉等を元にした予想であり、FOMCまでに東京市場は3営業日あるため、その後の手口によって基本シナリオに修正を加えていくこととしている)


日経平均の上昇は梅雨の晴れ間か、梅雨明けか?


仮に筆者想定どおりに進んだ場合、日経平均は8/9のSQに向けて急速に回復すると思われるが、あくまでイベントやSQに絡んだ値幅取りが目的である可能性が高い。

特に22,000円を超える権利行使価格のコール買いはSQ決済ではなく、値上がりを目的としてSQ前に手仕舞う可能性が高く、下値が21,200円であれぱリバウンドも21,700円~21,800円が上限になると見ている。

(重要)
ただし、22,000円の大口ショートコールの蓋が軽くなり、先物買い越しの積み増しが始まれば上値抵抗線の突破から思わぬ高値となる可能性もある

このあたりはSQの思惑もあり、日々の先物・オプション手口の解析から判断していきたい。 ※参照 「先物・オプション手口の集計方法(準備編)」 → こちら

なお、8月の日経平均については週足(2年)に図示したとおり、目先は21,000円、その後は20,300円~20,500円に向けて下落すると想定しているが、上述のとおり、上値抵抗線を越えた場合はトレンド転換の可能性を秘めており、抵抗ラインの攻防については注意深く見守っていきたい。

特に野村勢の先物売り越し12万枚の売りコストは筆者推計で21,700円あたり(建玉はTOPIX先物売りのため1,580ポイントあたり)であり、含み益の波に乗るか、ロスカットを強いられる展開となるか重要な局面となっている。

※21:30追記
現状、日経平均の5日線は僅かに上向きとなっており、明日は5日線21,680円近辺を上回って引けるかどうかが焦点。 一方、ダウ平均の5日線はヨコヨコでもみ合い状態。 筆者予想では明晩のダウが弱含みとなって週央までぐずつき、日経平均は(明日、大きめに下押ししない限り)とりあえず21,500円前後でFOMCを迎えると見ている・・・。
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