あるいは、場中は現物への影響を考慮して控えていた当日空売りした先物の買い戻しが一挙に出ただけなのかもしれないが、現物終値比+50円高・20,700円で先物が引け、16:30からの先物ナイトセッションでは欧州株高を背景にさらに一段高の20,770円まで買われている。
ダウについては、昨日「大きく下げることなく上昇するにしても、週内はもみ合うと見ている」と記したが、19:00現在でダウ先物は200ドル高・26,320ドルと25日線を200ドル余り上回っており、「5日線でのもみあい」の筆者予想が外れた可能性がある。(詳細後述)
先物・オプション手口(JPXデータを集計、日中・夜間・立ち会い外を含む)
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ABNアムロのオプション手口の特徴はコール買いが目立つ一方で、勢いは弱いながらもプット買いも相応に入っている。
具体的に見てみると、コールサイドの買いは21,000円から上の権利行使価格が遠いコール買いが厚い。
また、本日買い乗せたコール買いの手前には、21,000円や21,250円の大口ショートコールが置かれており、買い戻しも入っているが、建玉残から考えれば、これらを乗り越えて上に持って行くことはなかなか難しいと感じる。
加えて、20,750円のロングコールについては利益確定売りを行っており、本日の日中取引の段階では本格的に上を目指すと言うより、ボラを取りに来ていると推測する。
一方、プットサイドでは、20,500円に大口のショートプットを建てに来ているが、20,250円から下の価格帯のプットには比較的まとまったロングを入れており、(SQをどちらで決するのかはわからないが)少なくとも上下に揺さぶってくる戦略と感じる。
先物については以下の表のとおりである。
ABNアムロの本日の手口は持ち高調整に留まっているが、9月限についてはミニ売りを展開しており-6,980枚の売り越しとなっている。
野村證券については1,729枚買い越しとなっており、内訳としては大幅売り越し中のTOPIX先物を2,261枚とほどほどに買い戻している。
ただ、TOPIX先物の売り越し残は-74,208枚と大きく、先頃の買い戻し局面では1日に1万枚近くを買い戻していたことから考えて、依然として利益確定の買い戻しの範疇と見ている。
今後の日経平均予想
一昨日、「週末に向けて持ち直す可能性がある」と記した展開に移っている。
可能性として記したのは、DAX指数が、一昨日、8月のレンジ相場の上限を上抜け、日足EMA20-40で形成される帯を上抜きつつあり、陽転の兆しを感じたからだ。
ただ、重要な移動平均線の上抜けによく見られるように、日足EMA20-40の帯の上抜けも1回目のチャレンジで陽転することは少なく、押し返されるか、いったん上抜いても再び下抜いては再度挑戦し、3回目のチャレンジで上抜くことが多いと感じる。
7月末からの値幅を伴った窓空け下落を考慮すれば、需給的にもすんなりと上値を取っていくことは考えにくく、今月9月のメジャーSQや二日新甫といった代表的なアノマリーを始め、米FOMCでの利下げ幅の不透明さからも、今月は波乱が待ち受けていると見ている。
足下の動きとしては、20時現在のダウ先物は190ドル高と勢いは衰えておらず、昨夜が東京市場の大引け後に下に振ってきた巻き戻しと見るのが相当であり、足下の価格のヨコヨコか、最大限、昨夜の-285ドル安を逆転させた285ドル高まで達成する可能性を感じる。(5日線でのもみあいとの昨日の筆者予想はおそらく外れたと感じる)
今後の予想としては20,900円(~20,840円)付近の高値示現後、いったん20,500円まで押し戻され、その後、月末に向けて21,000円チャレンジとなるが、10月に再度20,000円まで押し戻される慌ただしい展開を想定している。
※23:10追記
ダウ平均の序盤の現時刻は+142ドル高・26,260ドルとダウ先物高値の26,365ドルから約100ドル下と、やや利喰い売りに押されている。思っていたより弱い動きだ。足下の25日線は26,100ドル付近と余裕はあるが、26,240ドル付近に位置する5日線を試しに行く動きとなっている。5日線は上向きのためサポートされると見ているが、明晩はADPやISM非製造業景況指数の発表が控えており神経質な動きになりそうである。 今夜の日経平均先物は膠着となっており、おそらく明日の日中取引も同様の膠着が予想される。先物・オプション勢がどのような手口を見せるか注目している。