1 相場概況
週末のダウ平均が3.33ドル高と前日比かわらずであったため、日経平均も動くに動けずといったところであろう。引け際に売られたが、時間外では買い戻されており、目先は強含む可能性を感じる。・日経平均 23952.35 -70.75
・TOPIX 1736.87 -3.11
・出来高 11.3億株
・売買代金 1.86兆円
2. 先物・オプション手口(JPXデータを集計、日中・夜間・立ち会い外を含む)
(1) ABNアムロのオプション手口
データの集計方法の詳細 → こちら
(本日は週に1回の残高報告に基づき、先週末の建玉残の一部修正を行っている)
本日のABNのコールオプション手口については、足元の24,000円を鋏んだ250円上の24,250円に552枚の比較的大きめの買いを入れる一方、24,000円の250円下方の23,875円コールに-325枚の売り(ショート)を入れるなど、目先、方向感のないもみ合いを想定しているように見える。
また、24,750円に大きめの買いを入れているが、後述のプット23,125円にも同様の買いを入れており、もみ合いを前提としている手口と推測される。
プットオプションについては、前述のとおり売り買い交錯となっており、コールの手口同様、もみ合い示唆と感じる。
(2)先物手口及び建玉残
筆者が観測している外資系証券と野村證券の本日の先物手口と建玉残は以下のとおり。
オプション同様に本日は週に1回の残高報告であったが、ソシエテ及びゴールドマンの建玉について、筆者が行っている日々集計との間に大きな乖離があった。
ソシエテの3月限建て玉の5.3万枚買い→9万枚台の買い、ゴールドマンの3月限建て玉の5.6万枚買い→1.2万枚売りが週末段階での報告があった建玉残である。
他の投資主体については概ね日々集計のとおりであった。
差異が生じた原因については不明であるが、何らかの取引の結果であり、差異が生じたこと自体にヒントがあるのかもしれない。
なお、これによりソシエテの大口買いの継続が確認され、表には含まれていないがJPモルガンも8万枚近くを買い越しており、その他にもモルガンMUFG証券、バークレイズ証券も5万枚前後を買い越しており、海外勢の買い越し vs 野村・大和・SMBC日興証券の国内勢の売り越しの構図に変化はない。
本日の手口については野村の大口売り越し・ソシエテの大きめの利益確定売りの一方、ABN・メリルリンチが大口で買い越しており売り買い交錯となっている。
3 相場短評
米中の第一段階の合意報道により、大きく値を上げた日経平均であるが、本日のロイター伝によると、関税を半分に引き下げる提案について、USTRと米財務省は「完全に誤っている」「米国がそのような提案を中国に示したことはない」との談話を伝えている。
また、合意内容の詳細についても両国から明らかにされておらず、1月第一週に米中首脳会談が開催されるとの報道もあり、結局のところ、依然として細部は固まっていない印象を受ける。
筆者の個人的な憶測であるが、最終的には現在報道されている内容に近い合意がされるものと思われるが、そこに至るまでには、朝鮮半島リスクも含め、まだ一波乱、二波乱があると見ている。
目先は、先週から記しているとおり今週末が米国市場のSQであることから、ダウ平均はもみ合いながらも先週の地合を引継ぐ底堅い動きになると思われる。
日経平均も24,200円を超える可能性があると見ているが、RSIも明日には90%近くに達する。
足元は昨日記した拡大波動(Y波)と思われることから、楽観の後には巻き戻しがあると思われ、今週上げてくるようだと来週前半は要注意と見ている。