1 相場概況
本日の日経平均は+113円高と昨夜のダウ平均の+100ドル高をなぞる形になったが、ナイトセッションの終値を70円ほど下回っており、実質的には買いが続かなかったことになる。・日経平均 24066.12 +113.77
・TOPIX 1747.20 +10.33
・出来高 12.8億株
・売買代金 2.17兆円
2. 先物・オプション手口(JPXデータを集計、日中・夜間・立ち会い外を含む)
(1) ABNアムロのオプション手口データの集計方法の詳細 → こちら
本日のABNのコールオプション手口については、足元の24,000円から少し上の24,250円ロングを利益確定し、そり上の24,625円~に買い、25,000円に売りを入れている。
目先は上優位と見ているが、決定的に強くはなく、もみ合いまたはドテンを想定したポジションに見える。
プットオプションについては、ショートの利益確定とともにロングの手口が目立っており、やや下方向を想定しているように見える。
(2)先物手口及び建玉残
筆者が観測している主な外資系証券と野村證券の本日の先物手口と建玉残は以下のとおりである。
引き続きソシエテが-3,869枚の大口売り越しを出しており、利益確定売りの時間帯と見ているようである。
野村證券は、本日の上昇局面ではお約束どおりダブルインパの買いや日経レバの空売りの組成と思われる売り手口-1,378枚を出しており、建玉残は-18.5万枚まで膨らんでいる。
なお、ABNが2,662枚の大口買いとなっているが、オプションが売り優勢となっていることのヘッジと思われる。
3 相場短評
上述のとおり、本日の日経平均終値については昨夜のナイトセッション終値を70円ほど下回っており買いが続いていない。ただし、日経平均の25日線乖離率は2.77%、ダウは1.17%と日経平均の買われすぎが顕著である中、ダウの+100ドル高と同等まで買われており、日経平均単体での弱さは感じない。
今後、ダウの反落局面では日経平均も下げざるを得ないと思われ、いつダウが反落するかが焦点となる。
ダウの日足チャートを見ると3日連続で長い上ヒゲを示現しており、高値維持もそろそろ胸突き八丁に差し掛かっている。
米国市場のSQは終値算出のため、東京市場の「魔の水曜」は1日遅れの「魔の木曜」に起こりやすいが、足元の強さからは売り仕掛けも入りにくいと思われ、メインシナリオは金曜終値のSQまでは高値もみ合いが続くと見ている。
したがって、日経平均についても今しばらくは下げそうで下げない展開が続くと見ており、SQ明けに動きが出てくるかが焦点となる。
なお、本日のロイター伝が、昨日、中国とロシアが北朝鮮制裁の一部解除求める決議案を安保理に提出したと伝えた。
これにより、北朝鮮が示唆している年明けのICBM発射実験を自制する可能性が出てきており、年末に北朝鮮の口撃による挑発があっても、年初の朝鮮半島リスクは空振りに終わることも考えられる。
※22:00追記
中ロが提案している制裁解除は人道上の事柄であり、北朝鮮の核プログラムと直接関係がないものとされている。 仮に北朝鮮ががICBMの発射実験を行った場合、トランプ氏は振り上げた拳を下ろす場所がなくなり、大統領選が目前に迫る中で米朝関係の悪化は避けられないだろう。それ故に金委員長が米朝首脳会談の開催と聞き心地の良い仮初めの約束をする用意があるのなら、ICBMの自制と引き替えに適切な時期に交渉に乗る可能性があると見ている。 もちろん、仲立ちする中国に対する配慮も取引に入るだろう。