2019-12-27

年始相場も深押しは避けられる?※追記あり(12/27)

1 相場概況

本日の日経平均は朝方はダウ平均の三桁の上昇を好感し、12月配当落ち分を埋めて23,953円高値と24,000円に接近。その後も底堅く推移したが、14時近くから年末の休場リスクを控えた利益確定売りに押されて120円ほど急落し、-87円安で引けた。

ただ、下落したといっても5日線23,839円を僅かに下回る程度あり、日経指数もファーストリの寄与度が-48円と下落分の半分を担ったパワープレイ的な側面もある。

また、値上がり銘柄数は1,479銘柄と値下がり銘柄数の2倍を超えており、個人投資家と推測される物色意欲も旺盛であることから、月曜の大納会に期待を引き継いだ形となった。

(パワープレイが年末を意識したものか、その先を見通したものなのかは吟味する必要があるが・・・)

・日経平均  23837.72 -87.20
・TOPIX    1733.18 +1.98
・出来高    8.2億株
・売買代金   1.43兆円


2. 先物・オプション手口(JPXデータを集計、日中・夜間・立ち会い外を含む)


(1) ABNアムロのオプション手口

データの集計方法の詳細 → こちら

コールオプションについては、基本的にショートコール建玉はショートの上積み、ロングコールはロングの上積みとそれぞれの建玉に厚みを持たせている。

引き続き、250円幅の権利行使価格毎にショートとロングを交互に配置し、いずれかの価格帯にSQ値を持ち込む戦略と思われる。

プットオプションについても24,000円のショートプットを上積みする一方で、コールオプション同様にロングプット建て玉にはロングを上積みし、250円幅の権利行使価格帯をブロックとし、ショートロングを交互に配置している。

いずれにしても、上下どちらか動き始めれば一方向に動く可能性のある建玉になっている。


(2)先物手口及び建玉残

筆者が観測している外資系証券と野村證券の本日の先物手口と建玉残は以下のとおりである。


昨日の上昇局面で買い越したCスイス及びソシエテが本日は大口で売り越しに回っており、後場終盤の下落はこれら買い方による利益確定売りが要因と思われる。

その他、JPモルガン証券やバークレイズ証券の買い方も小幅ながら利益確定売りに回っており、東京市場の休場リスクから目先の買いの利益確定を図ってきたと思われる。


3今後の日経平均予想

外資証券と本邦国内勢の大納会後の先物需給については、年末の手が空いたところで紹介しようと考えているが、買い方の外資系としては利益確定売りを入れたいところであるが、現時点で売り長の本邦国内勢を助ける大幅な下落は仕掛けてこないのではないかと見ている。

今週の週間予想の図解にて、足元の波動はエリオット波動カウントで小勢第3波中の第4波となる「(3)-4」または第3波の「(3)-3」の2通りを示したが、昨日の日経平均の動きから「(3)-3」の可能性が高まったと見ている。

「(3)-4」と「(3)-3」の違いは、結論的に第5波のピークが「(3)-3」であればより高値まで達する。

カウントについては週末に図解するが、現時点での筆者の感触は小勢第3波中の第3波ではないかと考えている。(したがって、年始相場については深押しはないのではないかと見ている)

年内については、昨日記したとおり、明日の大納会については24,000円手前での上昇を想定しているが、その後は24,000円値固めのためのもみ合いとなろう。

年末年始に為替や株式市場を揺るがすフラッシュクラッシュ的な動きがあれば、日経平均も23,500円までの下値があると思われるが、瞬間的な下ヒゲで戻る展開を予想している。

リスクシナリオとして、可能性は極く少ないと見ているが23,000円付近まで下落することがあれば、小勢第3波中の第4波の可能性が高くなり、第5波の頂点も低くなる。

足元がメインシナリオの小勢第3波中の第3波が正しいとするなら、「(3)-3」の頂点は24,500円~25,000円、その後、「(3)-4」の日柄調整を経て「(3)-5」の頂点は秋口に27,000円~28.000円に達すると見ている。

目先は年始に下値があるとしたらどこで止まるのかを見定めるとともに、先物・オプション手口等の観測から予測の精度を高めていきたい。

東京市場休場中のダウ平均については、RSIが高値圏にあることから過熱感を冷ます弱含みに動くと見ている。

※22:00追記
ただし、ABNのオプション建て玉は大口のロングコール・ロングプットが上下に仕掛けられており、外資系の大口先物買いの反転も加わり、本邦国内勢の先物売りを翻弄させる2018年1月にあった大仕掛けが起きる可能性もある。例えば 23,000円割れの急落とその後、下落時の売り乗せを踏ませる急騰の両仕掛け。1月第2週のSQ直前が最も警戒すべきと思われる。ただ、年末年始も東京市場休場が米国に対し3日長いためCFD等の用意を。ネタは米中。

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