2021-03-10

今後の日経平均予想(3/10)

本日の相場概況


本日の日経平均は、昨夜のダウ平均が+30ドル高の前日比ほぼ変わらずであったことから東京市場も手掛かり難に加え、週末のSQを控えたロールの売り買い交錯に終始し、8円高・29,036円と小動きの展開となった。


また、昨夜追記したしたとおり、週末のメジャーSQを前に日経先物の期先へのロールがいつになく捗っていることから、日中値幅も昨日までの乱高下と比べ限定的となった。(詳細後述)


なお、東証一部の概況は以下のとおり。

----
 日経平均  29036.56 +8.62
 TOPIX     1919.74 +2.06
 出来高    13.9億株 
 売買代金  2.90兆円 


・RSI (9)  日経平均 33.44
         TOPIX    48.17

・RSI(14)  日経平均 36.95
          TOPIX    42.48

騰落レシオ 118.99


日米市場の現況と今後の予想


(米国市場)


昨夜のダウ平均は、序盤は買い進められたものの、急ピッチな上昇に対して警戒感が広がり、昼頃から利益確定売りが優位となり、ザラバ高値から-300ドル程度下押しして引けており、これも昨日、筆者が記したとおりの展開となった。

日足ローソク足は、前日に続き長い上ヒゲ(昨夜は陰線)となっており、引き続き教科書的には目先は上値の重い展開が想定される。

一方、東京市場の週末SQへの思惑や、目先想定されるナスダック総合指数の反発(後述)により、ダウ平均の連れ高も想定される。



直近でダウとは逆に下落方向に動いていたナスダック総合指数については、+464ポイント(3.69%)の大幅反発となった。

ただ、これも昨日筆者が想定したとおりの反発となっており、現時点では自律反発の域を脱していないものの、反発一日目であり、あと2日~3日程度は続く可能性がある。




なお、昨夜の米国市場で注目していたS&P500については、54.09ポイント(1.42%)高と反発したものの、ボリンジャーバンド・基準線で上値を抑えられている。

また、直近のボリンジャーバンド+2σからの短期下落トレンドの高値を結んだレジスタンスラインを抜けきれずに反落している点も、前日のダウ平均の大幅場が指数牽引に過ぎなかった弱さを感じる。



足元の米国市場は、ダウ平均とナスダック総合指数の乖離が大きすぎることから歪みが生じており、今後、いずれかの指数に鞘寄せするものと見ているが、このままS&P500がダウ平均に追従できない場合には、ナスダック総合指数の方向性に鞘寄せしてくると予想している。


(東京市場・日経平均)


経平均については、先物手口とABNアムロのオプション手口から見ていく。

先物・オプション手口集計・考察

  データの集計方法の詳細 → こちら
  先物・オプション手口集計(先行更新) → こちら 



注目のゴールドマンは-4,760枚の大口売り越しと、引き続き利益確定売りを継続しており、買い建玉のピークは2/18・29,023枚買い越しの50%減となっており、売り越し圏に進んでいくかが注目される。

Cスイスは378枚の小幅買い越と引き続き様子見姿勢を継続している。

また、買い筆頭のソシエテも-500枚売り越しと売り買い交錯となっており、とりあえずは週末SQを控えての期先へのロール作業を優先した模様。

JPモルガンは買い越し、野村も買い越しとなっている。

なお、ソシエテ・ゴールドマンともに、昨日大引けの3月建玉残に対し、約3分の1を本日ロールし、残り3分の2を明日に残している。

特に、ソシエテについては本日、先物ミニ3月限を買い建てており、もしかするとSQ決済に回すつもりなのかもしれない。



ABNアムロは、先物買い越し、オプションについては明日、本日の手口や残高から大きな動きがない場合、29,000円~29,250円を狙っているか?



今後の予想 (SQ高値か?)


本日の日経平均は、昨日記したとおり、先物の期先へのロールがいつになく速いペースで進展していることから、前日の先物ナイト終値から-250円ほど下げた後は、もみ合いとなり前日までの乱高下は影を潜めた比較的に落ち着いた日中取引となった。

日経平均も8円高と前日比ほぼ変わらずの様子見で引けており、日足チャートには大きな変化はなく、下値を5日移動平均線がサポートし、上値を25日移動平均線が抑える展開となっている。

この5日線と25日線に挟まれた状態は強弱感の対立から、引き続き乱高下が起きやすいことに注意したい。

5日線割れで弱気に、25日線超えで強きに傾きやすいためであるが、筆者が先行指標の一つとしている6週線は、長く続いた上向きから横ばいに変化しつつあり、次に5日線割れとなった場合には6週線は徐々に下向きに変化しやすいと見ている。



また、日経先物60分足チャートのリズム的にも短期的な上昇期間がそろそろ終わり、下降期間に入る可能性があると見ている。

ただ、現時点では上方のレジスタンスラインまであと僅かに迫っており、いったんはこのラインへのタッチまたは上方に踊り出ることがあってもおかしくない。

レジスタンスラインは、昨日の記事にも記したとおり、29,250円~29,300円付近に位置しており、上述したようにナスダックが反発を継続する気配があることから、日経平均は週末SQを目指し、(吊り上げにより)超短期的に29,450円~29,500円あたりまで到達する可能性があると見ている。




ただし、仮に29,450円~29,500円に到達したとしても、同じタイミングで日足MACDがゼロラインで頭を抑えられることにより反落に向かい60分足のもみ合いレンジ内に押し戻されると予想している。

再度の出直し(30,000円近くへの反発)が可能だとしたら、いったん29,000円付近でもみ合うことができるかどうかにかかっていると予想している。

(メインシナリオとしては、レンジ下限までの下押し後に、一段下のレンジに入ると見ているが・・・)


日経平均・波動カウント


筆者の現時点での波動カウントは、引き続き次表のとおり、目先の安値は未到達のケースと、二番底さぐりケースの2通りを想定している。

「想定1」においては、足元では下値は28,800円、上値は29,300円~29,500円のもみ合いに戻った可能性があるが、SQで高値通過となった場合は、その後に値を消す展開が想定される。



「想定2」では、足元は下落波動が3/5安値29,290円で終了したか、あるいは依然として継続中であるかのどちらであると見ている。

ただ、3月中旬のFOMCや米トリプルウィッチング、日銀会合等の重要日程を控えていることから、生やさしい相場になるとは思えず、仮に「想定2」となるにしても、再度、3/5安値・29,290円を試すのではないか?と予想している。

したがって、「想定1」「想定2」の見定めについては、28,000円での底堅さを試した後になると見ている。

スポンサーリンク