2021-03-09

今後の日経平均予想(3/9)

本日の相場概況


本日の日経平均は、売り買い交錯から引き続き日中値幅が450円の値荒い相場となったが、引けでは買い優勢となり、284円の大幅高となった。


なお、東証一部の概況は以下のとおり。

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 日経平均  29027.94 +284.69
 TOPIX     1917.68 +24.10
 出来高    16.2億株 
 売買代金  3.27兆円 

・RSI (9)  日経平均 40.85
          TOPIX    53.69

・RSI(14)  日経平均 34.75
        TOPIX    41.50

・騰落レシオ 123.18




日米市場の現況と今後の予想


(米国市場)


昨夜のダウ平均は、昼にかけて+650ドルを超える上昇となったものの、その後、-350ドル売られ、実体部分よりも上ヒゲが長い、やや弱気のローソク足となった。

ただ、利益確定売りに押されてはいるが、取引時間中の高値を更新しており、大引けは+300ドル高・31,802ドルと指数を引き上げたい筋の買いが入っていると見ている。

ボリンジャーバンドてでは、+2σタッチからの反落となっているが、直近の下落もA-B-Cの値幅を伴う下落であっただけに、買戻しも急激なものになりやすいと予想している。




一方、ナスダック総合指数については、一時-2σを割り込む-2.41%安の大幅反落となっており、ダウ平均とは対極の動きとなっている。

ただ、MACDは直近高値の+200に相対する-200に達しており、いったんの反発が期待できる位置まで下げていると言える。




仮定の話に過ぎないが、今夜以降、ナスダックが下げ止まりから反発に入った場合は、基準線までの戻りには時間がかからないと思われる。


(東京市場・日経平均)


経平均については、先物手口とABNアムロのオプション手口から見ていく。

先物・オプション手口集計・考察

  データの集計方法の詳細 → こちら
  先物・オプション手口集計(先行更新) → こちら 

注目のゴールドマンは指数の上昇とは逆に-2,015枚の売り越しとなっており、引き続き利益確定売りを継続している。

Cスイスは2,080枚の買い越しながら、建玉は小幅にとどまっており、明日以降、さらに買いを積んでくるがどうかに注目している。



買い筆頭のソシエテは、1,790枚買い越しとまずまずの買い手口となっているが、日経平均の上昇幅相応であり、相場追従の買い手口の範囲内と見ている。

なお、ソシエテ・ゴールドマンともに、本日は期先へのロールが確認されており、しかも期近残高の半数を一気にロールしており、これらのロールが本日の乱高下を主導したと見ている。



また、気になった点として、下表のとおりソシエテが立会外にて先物ミニ3月限を差し引き65,000枚(ラージ換算6,500枚)を買い取得している。

相対はSBI証券となっており、それだけ個人の売り需要があったと思われる点は目先注意が必要と思われる。

(なお、先物ミニ6月限については手口が公表されていないため、ミニ6月限へのロールであった可能性もある…)




ABNアムロの先物・オプション手口

先物小口買い越し、オプションは29,250円~29,750円売りの手口となっている。






今後の予想 


週末のメジャーSQを前にして、本日も先物ナイトと日中・先物価格は500円幅のボラタイルな値動きとなっており、思惑的な取引と先物の期先へのロールに絡めた乱高下が続いている。

ただ、上述の予想どおり、ナスダックの反発が起きるとしたら、東京市場においても直近で売られたグロース株の反発が想定され、日経平均を引き上げる動きとなってもおかしくない。

日経平均日足チャートにおいても、MACDが上向きに変化しつつあり、足元の方向性については、上下双方向の想定に立って見ていく必要があると思われる。


また、足元の6週線は29,161円に位置しており、昨日の日中高値29,255円と近似値であることから、教科書的に29,250円~29,300円を上抜いてきた場合は、上昇転換の可能性が高まると見ている。

なお、日経先物60分足の上値抵抗線は29,250円付近にあることから、明確な上限突破があれば基調転換のサインとなりやすい。



ただし、本日の騰落レシオは買われすぎの目安となる120%超となっている。

昨日も記したとおり、RSIは日経平均・TOPIXともに売られすぎ圏に近づいており、指標のアンバランスは強弱感の対立から大きな値幅を生みりやすい。


※仮に、TOPIXが足元の価格を週末まで維持した場合、RSI(9)は70%台に上昇するため、短期的な過熱感が起きやすい。(グロース株との循環物色ができれば問題ないが・・・)


また、今週末はメジャーSQであるが、SQ週の特徴として歪んだ価格形成が起きやすく、SQ通過後は、直前の動きとは逆の動きになることが多いこともリスク管理として意識する必要があると見ている。


日経平均・波動カウント


筆者の本日の日経平均・波動カウントは、引き続き次表のとおり、目先の安値は未到達のケースと、二番底さぐりのケースの2通りを想定している。

「想定1」においては、29,300円~29,500円(上振れ)を上限とするもみ合いに戻った可能性がある。




なお、ダウ平均の堅調さやナスダック総合指数に底打ちが近い兆しが見えること等から、「想定2」の最終下落波動となる「b(5)5」を28,000円割れから28,221円に引き上げた。

(直近上昇波動の1.168倍の下落想定を、フィボナッチ0.768倍下落想定に変更した)

この場合、下値想定は28,221円となり、3/5の日経平均安値29,290円が近似値となることから下値達成となり、足元は次の上昇波動が進行中であるとの想定も可能となる。

なお、「想定2」への移行の見極めについては、3/2安値・29,314円を明確に上回るか否かが判断要素の一つとして挙げられ、上述の6週線の位置ともほぼ一致していることから、この見方は妥当性がある?と見ている。

後は、今週がSQ週であることをどう見るべきかが課題となる。

先物手口に記したように、本日、ソシエテ-SBI証券間にて先物ミニ3月限の大口クロスが成立しており、目先は、本日の先物ミニ売りを締め上げる上昇に結びつきやすいと思われ、陽転サインが現れたとしてもダマシとなる可能性はあると見ている。

※21:20追記
左表は、筆者集計による野村證券の先物限月別手口となる。

本日の一日(前日夜間+本日日中)にて、TOPIX先物の売り残の約7割を期先にロールしており、上述のソシエテ・ゴールドマン同様に、今回はロールの進捗率が高い。

おそらく、同一セッション内の値幅が大きいことからロールに絡んだ鞘取りが進んだためと思われ、明日・明後日の日中値幅は、直近ほどのブレは生じず、比較的穏やかになるのではないかと見ている。

なお、今夜の米国市場については、S&P500の動向に注目している。

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