2021-03-28

今週及び今後の日経平均予想(3/28)

※本稿に記した中期予想は変更しています → こちら

目先の日経平均予想


今週及び来週の日経平均については、月曜・期末配当権利取り最終日、翌日の配当落ち、4/2(金)・米雇用統計米欧アジア各国のグッドフライデー休場が焦点になると見ている。 


まず、月曜の日経平均(先物)については、下図・日経先物5分足チャートに見るとおり、週末のダウ平均の引け際での上昇に連動して、29,150円から29,440円へと約300円の急伸となっている。

この急伸により、MACDはマイナス圏から+50まで上昇しており、ナイト・クロージングのもみ合いによりMACDは低下しているものの、月曜の寄り付きは(日経平均現物の終値比で約420円上昇していることから)買い戻し優勢で始まることが想定される。


想定どおり買い戻し優勢で始まった場合は、価格は100円~200円程度上昇すると思われるが、同時に5分MACDも直近高値水準と同等か、ここを超えやすいことが想定され、買い戻し一巡からは利益確定売りが優勢となり、当日の高値から300円~400円下落するボラタイルな値動きになりやすい。

ただ、値幅を伴う急落となればMACDも急速に低下するため、押し目では買いが入りやすいことが想定される。

したがって、朝高後の急落では、5分足25MAや75MAがサポートとなり、先物の買い方や配当権利取りを狙った買いによって、再度高値を目指す動きになると見ている。

この場合、大引けが先物ナイト終値29,440円(現物225では29,620円)に対して、どの程度上回って引けることができるかどうかが重要となる。

(より厳密に言えば、ダウ先物がダウ終値に対してどの程度上回っているかが重要となる)

話は少し逸れるが、週末のダウ平均の急伸が引け近くであったことから、欧州市場は時差の関係で、急伸の+200ドル程度高を織り込んでいないため、仮にダウ先物が終値からさらに上昇していた場合には、欧州市場は「前週上昇200ドル+先物上昇分」を寄り付きで織り込みに来るため、ギャップアップ上昇となり、連れて日経先物ナイトも上昇の流れとなり、ダウ先物もさらに上昇することが想定される。

いわゆる好循環が生まれ、続く米国市場も買い優勢で始まる可能性がある。

ただ、ここで注意しなければならないことは、寄り付きでのギャップアップ上昇は利益確定売りを生みやすく、その後は急速に萎む動きとなる可能性があることだ。

ダウ平均は、先週木曜・金曜で長めの陽線を引いており、上への勢いがついている反面、上昇が鈍った場合には、週末の買いが利益確定に傾きやすく反落リスクが生じる。(下押しも+1σまでと予想しているが・・・)


日経平均に話を戻すと、日経平均高、欧州株高、ダウ平均高と好循環が続いた場合は、翌日の配当権利落ち分、180円を即日埋める可能性があるものの、ダウの騰勢が弱まった場合には、配当落ち分を埋められないまま、直近上昇に対する先物の利益確定売りが起きることが想定される。

この場合、日経平均は、先週末の終値となる29,200円程度まで逆戻りする可能性があると見ている。

このあたりは、月曜の日経平均~欧州~米国の流れを見ていくしかなく、現段階での値動き予想は困難である。

なお、月曜の寄り付き高値後にボラタイルな動きが生じず、横ばいで推移した場合は売りを溜めている(または買いを溜めている)可能性があり、それがどちらであるかはわかりようがないため警戒を要する。

(先物手口の開示により、ある程度は予想できるが・・・

仮に、上昇の流れがいったん停滞した場合であっても、週末の米雇用統計では買い戻しが入ると見ており、来週には再度の上昇機運が生まれると予想している。

なお、昨日アップしたダウ平均予想に記したとおり、ダウ平均は終値ベースでは高値更新となったものの、ザラバ高値は超えておらず、ザラバ高値を終値で超え、新高値更新となった局面では目標達成感から利益確定売りが優勢になると見ており、日経平均についても注意が必要と見ている。

今週の日経平均の予想レンジは、高値目処が29,800円~29,980円(配当権利落ち後29,620円~29800円)、安値目処が29,200円(配当権利落ち後29,000円)と予想している。

※感覚的には、日柄上からも目先はもみ合い、来週の雇用統計明けに上値を試すのではないか?と見ているが、あくまで感覚的な予想である。



今後の日経平均予想(中期予想)


※本稿に記した中期予想は変更しています → こちら

日経平均は先週の75日線タッチで反発となり、足元は戻りを試しているところであり、目先は上目線であるが、2/16高値と3/18高値を結んだレジスタンスラインが30,000円の少し上に位置しており、戻り目処は限られていると見ている。

日足チャートから見た上値目処については、3/19窓埋めの29,800円、心理的節目の30,000円、レジスタンスラインの30,100円~30,200円付近が戻り高値の目処と見ている。


なお、先週の日々予想にも記したが、9983・ファーストリテイリングの戻りが緩慢であることに加えて、信用取組も直近の反発においても売り残が増加していることが先行きの不透明感を示唆している。

目先は、米国株高に連れて戻りを試すと見ているが、引き続き弱さが目立ったり、信用取組の改善が見られない場合は、さらなる下落が予想される。



日銀ETF買いが、TOPIX型に完全転換することから、機関投資家がユニクロ(ファーストリテ)買いから距離を置き始めていると思えることや、ユニクロが消費税の税込み表示を機に実質的な値下げを行ったことも、成長路線から安定路線への転換を図ったと思えることから、成長性に基づいて買っていた分が剥落していると考えることもできる。


上図は日経平均・週足チャートとなるが、足元では昨年3月の底打ち以降、上向きだった6週線が下向きに変化しつつあり、2/19・30,714円高値を以て昨年3月からの中期上昇トレンドはいったんの休止に入った可能性が高いと見ている。

ただ、13週線や26週線は勢いのある上向きを維持していることから、上昇トレンド自体の転換ではなく、利益確定後は再度の上昇態勢に移ると見ている。

今後の下値目処としては、チャートに付記したとおり、最も浅いケースでは28,200円、次に27,600円、27,000円が想定される。

長くなったので、28,200円想定のみの考察となるが、メガバンクを始めとするバリュー株の業績回復が顕著であり、それらを映したTOPIX指数の堅調性から下値も限定的と見ることから、大きな値幅は出ず、日柄調整により直近の過熱感を冷まし、今期の決算発表が一巡する5月中旬~下旬に転機を迎えるとの予想である。


※18:40追記
9983・ユニクロについて、中期予想にはややネガティブなことを記したが、仮に日経平均が3万円に接近する局面では、足元の大幅売り長においては売り方が買戻しを余儀なくされる可能性がある。

また、騰落レシオは130%を超える買われ過ぎとなっているが、RSI (9)は40.31%、(14)は55.33%と中立よりも下の水準となっていることから、日経平均が3万円を浚えてきた場合には、日足レジスタンスライン30,200円を超える局面も想定される。何より、株価は大勢の疑心で上がり、楽観に傾いた時にピークを打つ由。

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