2021-06-10

今後の日経平均予想(6/10)


【本日の相場概況】

   ※RSIは高精度で天底を示唆

 日経平均  28958.56 +97.76
 TOPIX     1956.73 -0.41
 出来高     10.2億株 
 売買代金  2.40兆円 

  
・RSI (9) 日経平均 40.73
           TOPIX    51.95  
・RSI(14) 日経平均 65.65
          TOPIX     58.68

・騰落レシオ   106.28




【日米市場の現況と今後の予想


 ダウ平均


昨日の記事にて「ダウ平均及びナスダックが(中略)まごついた動きとなった場合には引き続き警戒感が漂う」と記したが、結果はダウ平均が-152ドル安と三桁の下落となった。

日足チャート(ボリンジャーバンド)では+1σを割り込み、基準線近くまでの下押しとなった。



市況解説では、今夜の発表の米5月消費者物価指数(CPI)を前に、リスク回避姿勢が強まったとの指摘が多く、CPIの上振れによるインフレ懸念を指しているものと思われるが、米10年債金利は低下しており、市場はCPIの上振れよりも下振れを警戒していると見ている。

直近の経済指標は強いものと弱いものが混ざるまちまちのことが多く、コロナ禍の金融緩和による好景気が曲がり角を迎えていることを示唆していると思われる。

なお、チャート上、ボリンジャーバンド+1σを維持できず、下押しとなったことから、次の焦点は基準線維持が焦点となるが、基準線は上向きを維持しているため、足元でのもみ合いや、突っ込んだところではあや戻しがあると見ている。




 ナスダック総合指数


ナスダック総合指数については、昨夜は寄り付きこそ高かったものの、ダウ平均の下落の影響を受けて終値は前日比マイナスとなり、二日連続での陰線引けとなっている。



また、懸念していたMACDのシグナル線との絡み合い(もみ合い)は引き続き継続しており、直近高値位置と同位置にあるため、ここをを上抜けるならば、再度上方向へ勢い付くことが想定されるが、逆に下放れた場合は再度ゼロライン割れに向かうことが予想される。

ダウ・ナスダックともにピークアウトから下方への流れに入っていると見ているが、足元は強弱感が対立する「もみ合い」の時間帯となっていると見ており、来週末のMSQまでは方向感が出にくい展開を予想している。





東京市場・日経平均


先物・オプション手口集計・考察

  データの集計方法の詳細 → こちら
  先物・オプション手口集計(先行更新) → こちら 


 ゴールドマンは1,090枚の買い越しながら、建玉は1,000枚足らずと積極的な参加を見送っている。

なお、225先物売り・TOPIX先物買いの両建てなっており、比率が半々に近づいてきた。


Cスイスは1,589枚買い越しにより、建玉をよりニュートラルに近づけている。

買い筆頭のソシエテは-4,415枚の大口売り越しにより、買い手玉は4万枚に縮小している。

ただ、日々集計ではほとんどの建玉を明日のSQ決済・6月限に回すことになっているが、ソシエテのSQ前の建玉は「見せ板」が多いため、月曜の残高報告を見るまで実態はわからない。

なお、バークレイズが6,180枚の大口買いにより、買い筆頭に躍り出ている。

野村は-309枚の買い越し。


ABNアムロは、先物買い越し、オプションは売り買い交錯ながら、28,600円~28,900円SQ値を想定か?



日経平均の予想コメント 


本日の日経平均は昨日予想した「裁定買い」が現物に入ったことから、ダウ平均が弱く引けたにもかかわらず、日経平均は強含むこととなった。

エーザイについては想定どおり弱含みで推移したものの、裁定買いによる市場ムードが明るく、追随する形にはならなかった。

ただ、本日の先物高値は29,020円・安値は29,790円となっており、昨日記した筆者想定の「高値目途が29,000円~29,100円」、「下値目途は28,600円~28,800円」と予想レンジどおりの値動きとなっている

日経平均・日足チャートでは、引き続き下は25日線・上は75日線のレンジが継続しており、方向感が出にくいと見ているが、MACDは下げ渋りから上昇に向かう気配が感じられる。


ただ、TOPIXは本日、5/13安値から引いた下値サポート線をやや下回っており、明日以降、下向きの流れとなった場合には警戒が必要と思われるが、75日線・1935ポイントではも下方での上向きの25日線がサポートとなり、反発する可能性があると見ている。




なお、分足チャートでは、15分足が崩れかかったものの持ちこたえており、200MA・29,000円を超えることができるかどうかが焦点となっている。

このほか、120分足チャートでは、下降する25MA・横ばいの75MAに頭を抑えられている。


足元の価格帯でもみ合った後に方向感を出してくるか、直近では28,700円~28,800円付近への下ヒゲを多く引いており、この価格帯には200MAが位置していることから、28,650円~28,750付近まで押してくることがあれば25MA・75MAを乗り越える反発に発展する可能性が高いと見ている。

なお、日米ともに中期的には弱含みを予想しているが、目先的には来週末の米国MSQまでは高い可能性があり、仮に今夜のCPIで売られることがあっても、来週のFOMCを前に買い戻されると見ており、FOMCについても相場を冷やす材料にはなりにくいと見ており、MSQが転機となるか否かが焦点と見ている。

なお、明日の東京市場ではエーザイの値動きが注目される。

本日、エーザイは10,000円ピタリで引けており、この10,000円大引けには大きな意味がある。

ストップ安・ストップ高の値幅制限は、10,000円未満では1,500円、10,000円以上で3,000円の上下ストップとなっており、刻み値の5円でストップまでの値幅が倍に広がる。

なお、奇しくも明日はSQ算出となり、仮に上下どちらかのストップとなった場合は、日経平均はエーザイ一銘柄で約100円上下することになる。(SQ値を100円上下できる可能性がある)

特にSQ値は寄り付き値算出のため、気配値のままストップまで寄りつかなかった場合には、不測のSQ値となりやすく、上下ともに「幻のSQ」となる可能性がある。

ちなみに「幻のSQ」では、実態価格から乖離したSQ値となるため、ヘッジファンド等の大口先物勢が意に反した結果となった場合、「つなぎ」を入れることができないため、その後、苦しい展開に追い詰められることになり、短期的には、幻のSQとは逆の方向に動きやすいと見ている。

※20:00追記
今夜のCPIの結果、米国市場に波乱(上下波乱)が生じなかった場合、明日の東京市場SQについては、上述の思惑的な売買は生じないか、仮に生じても小幅なものとなり、SQ通過後は29,000円でのもみ合いを経て来週の米MSQまでに29,200円~29.300円(勢いがあれば29,500円)を目指すと予想している。 いずれにしても、明日については上げて強気、下げて弱気は禁物か?

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