2021-06-09

今後の日経平均予想(6/9)


【本日の相場概況】

   ※RSIは高精度で天底を示唆

 日経平均  28860.80 -102.76
 TOPIX     1957.14 -5.51
 出来高     9.9億株 
 売買代金  2.30兆円 

  
・RSI (9) 日経平均 60.18
           TOPIX    58.42  
・RSI(14) 日経平均 67.58
          TOPIX    59.93

・騰落レシオ   111.26




【日米市場の現況と今後の予想


 ダウ平均


昨日、MACDが「再度持ちこたえるかギリギリとなっている」と記したとおり、昨夜のダウ平均は、序盤に-180ドル安まで売られたものの、急速に持ち直し、-30ドル安とほぼ前日終値水準で引けた。

ローソク足は、ボリンジャーバンド+1σでの長めの下ヒゲとなっており、まさに「ギリギリ」で下げ止まった感がある。




なお、MACDはシグナル線をやや下回っており、ここから価格が再度の下振れとなった場合は下方向へ勢いづくことが想定される一方で、価格が持ちこたえる動きとなれば+2σタッチ付近まで反発しやすいと見ている。

個人的には来週末の米国MSQに向けて+2タッチを目指してくるのではないか?と見ているが、前々日の下落始点及びその前日の陽線上端・34,800ドルを超えることができなかった場合には失望感が広がりやすいと見ている。





 ナスダック総合指数


昨夜のナスダック総合指数は、ダウ平均とは対照的に強く推移した。

懸念していたMACDのシグナル線との絡み合い(もみ合い)は上方向への勢いを出しているが、直近高値と同程度の位置であり、まだ上抜けていないため、もう少し見守る必要があると見ている。




また、昨夜は続伸したもののローソク足は十字足に近いコマの陰線となっていることに加え、25日線と75日線が近接している点からも、上方ブレイクが確実になったとは言いがたいと見ている。

今夜以降、週末に向けて、ダウ平均及びナスダックが値幅を伴う上昇となった場合には懸念が晴れる可能性があるが、まごついた動きとなった場合には引き続き警戒感が漂うことになる。




東京市場・日経平均


先物・オプション手口集計・考察

  データの集計方法の詳細 → こちら
  先物・オプション手口集計(先行更新) → こちら 


 ゴールドマンは様子見の姿勢を継続も、買い建玉は2万枚を維持しており、今後、上下どちらの方向に舵を切っていくのか注視している。

Cスイスは小口売り越しにより売り建玉を広げているが、売り越し幅は-2.500枚とほぼ中立で、実質様子見継続となっている。

買い筆頭のソシエテは、-1,353枚売り越しと比較的大きめの売り越しとなっている。

また、本日時点の手口からは6月限を期先へとロールしておらず、このままSQ決済に向かうのかが注目される。


野村は-4,971枚と大口売り越し。


ABNアムロは、先物は売り買い交錯、オプションは29000円のコール・プットほほぼ中立にまで持ってきており、全体的にはやや下方向程度か?





日経平均の予想コメント 


本日の日経平均は、「水曜まではロール中心の動きとなり、大きな動きは出にくい」と記していたとおり、寄り付き後に前日終値から160円程度売られたものの、期先先物へのロール買いにより、さらに下抜く動きとはならず--100円安でのもみ合いとなった。

日経平均・日足チャートでは、5/13安値からの下値を結んだサポートラインを本日割り込んで終えており、やや警戒感が漂う大引けとなった



また、MACDも勢いこそないものの、シグナル線を下抜いており、明日以降、良くてもMACDはもみ合い、価格は5日線・29,968円といった雰囲気が生まれる気配がある。

週内の見通しについては、引き続き、明日・木曜またはSQ当日の金曜に下方向へ動きが出てくるかどうかに注目している。

(今週については、極端な下落値幅にはならないと見ているが、仮に米国市場が堅調に推移したとしても追随買いは限定的と見ている)

その要因として、上述の5/13を始点とする下値サポートライン割り込んだことに加え、昨日まで生じていた先物価格が現物価格を60円~80円上回る先物買い圧力が20円程度まで低まったことが挙げられる。

先物買い圧力の低下は、一昨日から続いていた現物売り・先物買いの「裁定売り」が一巡したことを意味し、明日からは一転して現物買い・先物売りの「裁定買い」が発生する可能性がある。

この「裁定売り」が生じた要因としては、エーザイ株のストップ高とテルモの上昇により、日経平均が60円~80円嵩上げされたことが背景にあると見ており、エーザイ株のストップ高は買われすぎとの見方から発生していたと推測している

そのエーザイ株については、早ければ明日。遅くとも明後日には寄り付くと見ているが、寄り付き後は反動安の可能性が高く、先物については本日、嵩上げ分が剥がれたことから、現物市場に対して値下がり幅が大きく、反動安が生じる可能性があると見ている。

なお、目先動向が反映されやすい時間軸の短い15分足では、昨夜の下押しによって25MAが200MAを下抜くたーデットクロスが生じており、15分足ベースでの下落トレンド入りの可能性が生じている。

表中のタイトル30分足 → 15分足 

(ただ、15分足は転換が早く、再度、25MAが200MAを上抜く可能性もあるため短期下落トレンド入りの判定は、最低でも60分足ベースの転換が生じたか否かでの判断が適正と見ている


なお、60分足については200MAが28,900円付近で上昇中であり、本日の終値28,850円~28,900円付近での抵抗力が試されると見ている。

また、先物手口では、前述のとおりロール中心の手口となっており、方向感は出ていない・

ただ、引き続きMS・野村が6月限に大口クロスを入れており、SQを前に下仕掛けが出てくるかどうか?



ただ、来週6/16に米国市場で予定されている5月消費者物価指数(CPI)の発表や週末のMSQを前に大きな仕掛けを入れてくるとも思えず、売り・買いどちらの仕掛けにしても、反対売買を前提としたものになると推測している。

また、米国市場動向については、通例では来週末MSQまでは高く、その後に反落となるケースが多いため、今回も同様の動きになるのではないか?と見ている。

ただ、上述のダウ平均予想に記したように、34,800ドルを超えることができなかった場合には失望感が一気に広がることが想定され、MSQ安値から翌週も続落となる可能性があると見ている。

したがって、週内の日経平均のレンジは高値目途が29,000円~29,100円、下値目途は28,600円~28,800円と見ており、仮に週内を無難に通過した場合は、再度29,200円~29,300円程度の高値が見込まれると予想している。

なお、週内の波乱、または翌週以降にダウ平均が崩れた場合には、先週及び昨日の先物クロスの大きさから、9月までに想定していた値幅の調整がスピード調整として一気に訪れる可能性が生じている。

※21:15追記
2営業日連続でストップ高となった4523エーザイは、この間約760.000株の出来高のうち、信用買いは約1割の70,000株増加で買い残は100,000株となっている。

確かに認知症治療の画期的な新薬ではあるが、信用取り組みや諸般の事情から利喰い売りは早いのではないかと見ている。

直近、エーザイとテルモの医療株の高騰により日経平均が130円~160円嵩上げされたと見ており、仮に明日、エーザイがストップ安まで売り込まれた場合   明後日のSQ算出で嵩上げ分が巻き戻される可能性があると予想している。

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