2021-06-13

今週及び今後の日経平均予想(6/13)



 今週の予想


今週の日経平均は、引き続きダウ平均(S&P500)の動向に沿った値動きになると見ている。

今週のダウ平均の見通しについては、昨日アップしたとおり、週央のFOMCへの警戒感から週初もたつく可能性もあるが、FOMC通過後は戻りを試す展開に向かうと見ており、日経平均も連れ高に向かう展開をメインシナリオと見ている。

ただ、FOMC通過から週末のMSQに向けて大きく上げた場合は、MSQ通過後の反落が想定されることはこれまでも記してきたとおりであり、値ごろ的には34,800ドル~34,900ドルでMSQを通過した場合は急反落への警戒が必要と持ている。

なお、若干気になる点として、(先週も記したが)ダウ平均が最高値を超えていないにもかかわらず、S&P500が木曜に最高値を更新していることが挙げられる。


S&P500の25日線は直近横ばいで推移しており、MACDも上げきることができずにシグナル線との絡み合いに終始している。

今週末のMSQまでは買いが続くと見ているが、東京市場の先物に海外勢による大口クロスが目立っているが、これは米国市場においても同様のポジションを取っている可能性を示唆しており、仮に、週初に想定されるダウ平均(S&P500)のもたつきが25日線を割れの勢いがあった場合には、クロス買いの売りによってクロス売りに利を乗せてSQを通過させる意図的な動きとなる可能性もある点は警戒したい。

なお、東京市場で日々公表される先物手口では、これまで買い筆頭であったソシエテが、SQ前に4万枚の買い建玉のほとんどをSQ決済に回したこととなっており、月曜に公表される「先物残高報告」にて、日々集計どおり買い建玉の大幅減少が事実だとすれば、目先的にも日経平均の波乱が警戒される。

ソシエテのSQ前の公表手口には「見せ板」が多いため、月曜の残高報告を見るまで実態はわからない点が不透明要因として残っている)

※取引参加者別建玉残高一覧は、日本取引所(JPX)のサイトにて、毎週第1営業日15:30頃にアップされるので、筆者の更新を待たずに知りたい方はご覧ください → こちら

※また、筆者が掲載している数値等については細心の注意を払っていますが、誤りがある場合もありますので、日々手口も含め是非ご自身でご確認されることを推奨いたします。
データの集計方法の詳細 → こちら


これらのことから、今週の日経平均の予想レンジについては、下値目処が28,600円~28,800円、上値目処については29,200円~29,300円(勢いがあれば29,500円)の見通しを維持しているが、週央の下振れ度合いによっては28,400円のレンジ下限を試す展開も頭の片隅に置いておく必要があると見ている。




 今後の予想(中期予想)

先週の中期予想と同様に、引き続き下振れを予想している。

最新の公表数値となる6/4申込み現在の信用取引現在高は、下表のとおり買い残が9,700億円増の3.3兆円となり、5/14申込み現在と並ぶ過去2年来の最高値となった。

5/14の最高値については、前日5/13に27,385円安値をつけていることから信用残増加が理解できるが、6/4については日経平均が足元と同様に29,000円での膠着にあることに加えて、空売り比率が連日40%を超えて推移している時期であり、信用取引参加者の楽観度合いは著しいと見ている。

また、毎週木曜に公表されている『投資主体別売買動向』における年金基金(信託銀行)の売買動向については、5月は3,375億円の買い越しとなっているものの、最新の6月第1週は-487億円の小幅売り越しとなっており、5月の買い越しは5/14安値が買いの契機となったと推測しており、ここから29,000円を超えて買い越してくるかは疑問と感じる。

したがって、日経平均の中期予想イメージとしては、引き続き足元は直近の大幅上昇に対する調整期間と見ており、下図のとおり、昨年3月から6月にかけての調整を約5ヶ月かけて行ったのと同様の調整に入っていると見ている。



なお、昨年10月以降の調整が三角保ち合いパターンであったのに対し、足元の2/16以降の調整は下向きのボックス型の調整となっており、1,500円~2,000円の値幅でのもみ合い構造と見ている。

この2/16以降のボックス型の調整部分を拡大すれば、下図の動きが想定され、おそらく今週にも達成される可能性のある29,300円~29,500円はボックス上限の価格に当たると見ている。



したがって、筆者の予想としては、仮に75日線・29,133円を超えることができたとしても陽転サインではなく、逆に目先、急落の可能性を孕んでいると見ている。

なお、筆者予想どおりレンジ上限から下向きに転換した場合にはレンジ下限と200日線が一致する26,900円付近までの下落が想定され、仮に同価格で下げ止まらなかった場合には26,500円付近までの下落が想定される。

その後、28,000円~28,400円付近まで戻りを試した後に、再度26,500円付近への二番底探しがあると予想している。

最終的な下値確認の日柄としては引き続き9月~11月頃を想定しており、可能性としては小さいものの、仮に二番底探しにて26,500円を割れた場合には24,100円~24,500円が次の下値目処になりやすいと見ており、先々週からの中期予想を維持している。

※21:20追記

上図は9983・ファーストリテイリングの日足チャートとなるが、重大な局面を迎えている。 これまで下値の節目となってきた82,000円処と200日線割れを回避することができるかどうかの瀬戸際にある。

足元ではいったんの反発が見込めると思われるがね75日線が下放れとなっており、上値も厳しいところと見ている。

折しも、日銀が個別株を売却しているとの報道も入っており、直近の日経平均の底堅さとは対照的に弱含んている同社株には様々な憶測も上がりやすいだろう。

仮に、目先反発となっても、その後、25日線に頭を抑えられて200日線割れとなった場合には、綺麗な「三尊天井」形成となることから、日経平均への影響も大きいと予想している。

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