2021-06-15

今後の日経平均予想(6/15)


【本日の相場概況】

   ※RSIは高精度で天底を示唆

  日経平均  29441.30 +279.50
  TOPIX    1975.48 +15.73
  出来高     9.7億株 
  売買代金  2.37兆円 

  
・RSI (9) 日経平均 73.25
           TOPIX    94.26  
・RSI(14) 日経平均 67.95
          TOPIX    58.90

・騰落レシオ   105.09

※TOPIXのRSI(9)が90%台となったが、明日は70%台に低下する見込み。




【日米市場の現況と今後の予想


 ダウ平均


昨日の記事にて「大勢としては目先の下値を確認した可能性があるが(中略)、FOMCの結果を見定める様子見になりやすく、いったん下押しとなる可能性があると記したとおり、昨夜のダウ平均は一時260ドル安まで下押した後、-85ドル安まで戻して引けた。


昨夜の下落により、一時ボリンジャーバンド-1σに接近したものの、終値では基準線まで戻しており、引き続き目先の下値(基準線までり下落)を確認した可能性がある。

また、MACDもゼロラインで下げ止まりの兆しを見せていることから、今夜または明晩(早朝)のパウエル議長会見を契機に上方向に向かうことができるかが焦点となる。


なお、昨夜のダウ平均は基準線まで戻ったとは言え、日中値幅が大きく、若干の危惧を抱いていることも事実であり、仮に、目先、再度の基準線割れとなった場合には失望感が広がると見ている

また、S&P500がダウ平均の下落を他所に、引き続き最高値更新となる上昇となっているギャップにも懸念がある。


また、直近数日のトレンドを見ても、ダウ平均が下落トレンドとなっているのに対し、S&P500は上昇トレンドを続けており、両者の違いが明瞭となっている。

筆者の推測に過ぎないが、大口投資家は天井感を意識し、週末のMSQに向けてダウ先物売り・S&P500買いのポジションを構築しているのではないか?と思える。

そして、このダウ売り・SP500買いトレードの背景にはFOMCへの警戒があると見ている。

仮に筆者の推測が的中しているとすれば、MSQに向けてダウが最高値を超える上昇となる可能性は大きくなく、仮にFOMCが無風通過となっても、ダウ先物売りのポジショニングは変わらない可能性があると思える。

また、仮にFOMCにておいて、FRBから金融政策のスタンスを変更する何らかの示唆があった場合には、S&P500先物の売り転換・ダウ先物売り乗せとなり、米国市場は大きく下押す可能性もある。

(必ず、そのようなことが起きると断言しているではなく、今回のFOMCについては、その可能性を意識する必要があるのではないか?と見ている)

なお、仮に、このままダウ平均とS&P500の高値日にズレが生じた場合、米国市場で継続している上昇トレンドが崩れる可能性もあると思われる。

一方、FOMCが無風通過となった場合には、MSQでの多少の混乱はあっても、その後はダウ先物が買われる展開となり、S&P500についてももうしばらく買いが続く可能性があり、MSQ後にいったんの下落を挟んだ後に、2週間~1ヶ月程度の上昇期間に入ると見ている。

詰まるところ、今回のFOMCについては、イベントドリブンの色彩が非常に高く、先物筋も虎視眈々と勝機を狙っているものと思われ、どちらかと言えば下方向だが、上下ともに警戒が必要と思われる。


 

東京市場・日経平均


先物・オプション手口集計・考察

  データの集計方法の詳細 → こちら
  先物・オプション手口集計(先行更新) → こちら 



 ゴールドマンは小幅売り越しも、225先物の買いポジションを落としている。

Cスイスは1,808枚の比較的大きめの買戻しを入れ、建玉を再度ニュートラルに近づけている。

ソシエテは-2,144枚の売り越しと引き続き利益確定売りを続けており、建玉は1.2万枚買いにとどまっている。

なお、本日もソシエテ・アムロが大口先物クロスを入れている。(詳細後述)

野村は小幅売り越し。


ABNアムロは、先物小幅買い越しも、オプションはやや下方向か?



日経平均の予想コメント 


本日の日経平均については、昨夜のダウ平均の下落時に日経先物が値を保っていたため、買い仕掛けでは?と思っていたところ、先物主導により、寄り付き直後の20分程度で250円を超える上昇となった。

(なお、昨夜のダウ平均は大引け前の1時間で200ドル近く戻しており、この点にも作為を感じる

なお、日経平均については、日曜にアップした週間予想で「29,200円~29,300円(勢いがあれば29.500円)」と記し、昨日も「FOMCでの余程のサプライズがない限り(中略)29,500円を試す可能性がある」と記したように、本日の高値29,480円はFOMC通過後に示現される価格とみていたが、FOMC前の本日に目標値に達成した点には何らかの仕掛けである可能性を感じる。

日経平均・日足チャートでは75日線を上抜いてきたものの、25日線・75日線が逆相関にあることや両移動平均線がやや下向きであることから、需給としては依然、上値が重い状態と見ている。


29,500円の上値目処については、直近急落を導いた前日5/10の終であることから節目価格と見ているのに加えて、2/16の30,714円高値から5/13安値に対する61.8%戻しが重なっていることから、かねてから上値目処と見ており、価格としての妥当性はあるものの、SQ通過により需給が軽くなった側面はあるものの、経過には若干の違和感が残る。

また、足元の先物手口でGSやCスイスが様子見姿勢を継続し、買い筆頭であったソシエテが持ち高を減らしていることの意味は、米欧市場でも同様のポジションを取っている可能性が高いと考えられる。

世界的にも、昨日追記した日銀マネタリーベースに見るように、コロナ禍への対応により、緩めすぎた金融緩和を締める動きが徐々に出始めていると考えられることから、株価の上値追いは転機を迎えていると見ており、上述したように、FOMCにておいて、FRBから金融政策のスタンスを変更する何らかの示唆があったとしてもおかしくないと見ている

また、昨日、裁定残高(株数ベース)の倍率が一倍になったことを記したが、本日公表の6/11現在の裁定残高は下表のとおり、1.67倍の買い長に大きく変化しており、この急激な売り長から買い長の需給変化は株価動向にも影響を与えやすいと見ている。


なお、日本株は出遅れ組として買われやすいとの考えもあるが、出遅れには相応の理由があり、また、秋の解散総選挙による政局激変リスクを抱えている日本株をこの時期に買い進める根拠は乏しいと見ており、目先の上振れはアムロ・ソシエテ・GS等が放った先物クロスによる買い仕掛けではないか?と見ており、この先、楽観の行く末には悲観が待っている可能性が高いと思われる。

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